カミングアウト
ツナ君の修行は順調に進んでいた。
第2段階も終わって明日から第3段階というタイミングで、ツナ君は修行から帰ってすぐリボーン様と家から駆け足で出て行った。
ただならぬ雰囲気を感じて僕も追いかける。
道中のリボーン様の話を要約すると、ヴァリアーがニセリングに気付いて攻めてきたらしい。
そして先行しているのはレヴィ雷撃隊で、雷の守護者であるランボ君が危険とのこと。
まさかランボ君が雷の守護者だなんて。
少しだけ幼い頃を思い出した。
使命の意味を余り理解していなかった頃は修行が苦痛だった。
ツナ君と遊べる時間だけが僕の癒しだった。
正直、ランボ君にそうなっては欲しくない。
僕らが駆けつけた時、ランボ君とイーピンちゃんとフゥ太君は既に雷撃隊に狙われてピンチだったけれど、他の守護者も集まって守ったことによって、3人は無事保護できた。
事態を理解しているフゥ太君やイーピンちゃんと違って、ランボ君はマイペースで地面でゴロゴロしている。
雷のハーフボンゴレリングはランボ君の髪の毛に引っかかっていた。
僕は電柱の影からみんなを見守っていた。
でも一難去ってまた一難。
みんなが安心しているところに1つの殺気が近付いてきた。
この前のスクアーロという人並みのものだからきっと幹部だ。
現れたのは黒髪をツンツンと逆立たせ、いかつい顔つきかつ体格のいい男の人。
背中に何本も剣とも何とも言えない武器を身に付けていた。
彼はランボ君が雷の守護者だとすぐに見抜いた。
「邪魔立てすれば皆消す。」
彼は背中の武器に手をかける。
みんなが修行でパワーアップしたと言っても相手はヴァリアーの幹部だ。
正直もう9代目の命令に反して助けた方が良いかもしれない。
「待てえ、レヴィ!」
黒い影が5つ、道路の沿いの擁壁の上の森に現れた。
どうやら他のヴァリアーの幹部みたいだ。
この前襲ってきたスクアーロもいる。
そしてもう1人現れた人物に僕は目を見開いた。
ボンゴレでも上層部しか知らない8年前のクーデターゆりかごを起こした張本人であり、9代目の嫡子XANXAS様が姿を現したからだ。
写真で見たままの姿だった。
ツナ君はザンザス様のあまりに強い殺気に腰を抜かした。
ザンザス様は左手を構えた。
あれは危ない…!
そう思った瞬間に体が動いてツナ君達の前に踊り出ていた。
次の瞬間には光球状の死ぬ気の炎が僕の目の前に迫ってきた。
スクーデが最大範囲で発動される。
僕は今回できた壁の厚さに驚いた。
今までで1番分厚い。
それだけあの憤怒の炎に破壊力があるということだ。
「優希!!何を…!?」
ツナ君の責めるような声が後ろでする。
でも構っていられなかった。
それだけ憤怒の炎は今までの攻撃とは別格だった。
やがて僕が発動している半透明なスクーデが消え、視界が晴れてきた。
粉塵が落ち着いた先に見えたのは、抉られた森とその下で無傷で僕を睨みつけるヴァリアー幹部達だった。
反射された攻撃をヴァリアークオリティーで上手く避けたんだろう。
ザンザス様は僕を睨みつけながら口を開く。
「テメーが10代目バリエラか。」
「!」
そういえば今更だけど、何でザンザス様はバリエラがついていないんだろう。
バリエラが人手不足とはいえ、それこそ叔父さんとかは空いている訳だし8年前の時点では後継教育はお母さんに任せて、叔父さんがザンザスを守ってても不自然ではないのに。
「待て、ザンザス。そこまでだ。」
その声にヴァリアーが少しだけ緊張したのがわかった。
少し離れた無傷の擁壁の上に家光さんとバジル君、それにお父さんがいた。
「ここからはオレが取り仕切らせてもらう。」
家光さんの宣言に不満そうなスクアーロは剣を構えたけれど、家光さんは毅然とした態度でザンザス様にその落ち度を追及した。
2人の殺気がぶつかり合っているのが肌でわかる。
スクアーロが家光さんが逃げ回っていると指摘すると、家光さんは9代目に異議申し立ての質問状を送り、その回答を待っていたのだと説明した。
そしてその回答と取れる勅命が届いたと言い、部下を介してツナ君とザンザス様にそれぞれ渡した。
内容は9代目は気が変わってザンザス様を後継者にしたいと考えているが、内戦が勃発しかねないのでザンザス様率いるファミリーとツナ君率いるファミリーで同じ種類のリングを持つ者同士で1対1の公式決闘を行うというものだった。
それさえもあの温和な9代目から本当に発せられた勅命なのか疑う内容なのに、もっと耳を疑う内容があった。
「なお、10代目バリエラ守屋優希は本決闘への介入を禁ずる。バリエラの正統後継者が守護するべきは真のボンゴレ10代目であるため、守屋優希は本決闘後内定したボンゴレ10代目を守護すること。」
「!!」
バリエラの掟に従えば、バリエラは主人が死ぬか、自分が死ぬまで主人を変えることはない。
つまり、9代目の指示はザンザス様が勝ったらツナ君は死ぬからザンザス様を守るようにという意味だ。
「バリエラって何…?」
後ろでツナ君が呟く。
「あとは指示を待てと書いてある。」
すると2人の似通った女性が現れた。
褐色の肌色にピンク色の髪の毛、謎のアイマスクと見た目が特徴的だ。
「お待たせしました。」
「今回のリング争奪戦では我々が審判 をつとめます。」
彼女達は9代目直属のチェルベッロ機関と名乗り、今回の騒動の話を改めて整理して話し、深夜の並盛中学校で勝負を行うと告げて去って行った。
「守屋優希。テメーは正統後継者であるこのザンザスの物だ。」
「違います!僕は綱吉様のバリエラです!」
「ほざいてろ。」
そう吐き捨ててザンザス様達は去って行った。
ツナ君はまたも腰が抜けたのかへにゃへにゃと地面に座り込んだ。
「ツナ君、大丈夫?」
「全然大丈夫じゃないよ!つかバリエラって何!?」
僕はリボーン様を見た。
彼は頷いた。
僕はツナ君の前に片膝をついて、彼の右手を取った。
「バリエラはブラッド・オブ・ボンゴレを代々影から守護してきた一族です。僕らは24時間365日、ブラッド・オブ・ボンゴレを守るためだけに動くため、ボスの手足として動く守護者とは立場が異なります。僕守屋優希はそのバリエラの10代目であり、ボンゴレ10代目である綱吉様をお守りするための盾なのです。」
「えっ…」
「あなたに正式にお仕えする日を心待ちにしていました、我が主人 。」
そう告げてツナ君の手の甲にキスを贈る。
ツナ君は顔を真っ赤にした。
「なっ…な!?」
予想していた可愛い反応に思わず笑みが漏れた。
「遊びじゃないって言っただろ?10年前からツナ君を守るために努力してきたんだ。」
そう言うとツナ君は寂しそうに顔を歪めた。
まるで雨の日に打ち捨てられた子犬みたいな表情だった。
「……友達だと思ってたのはオレだけだったの?」
「まさか。主従関係があったって僕はツナ君の幼馴染で友達さ。新しい関係性が追加されただけだよ。難しく考えないで。」
「なら良かっ……いや、良くないよ!優希を巻き込みたくなかったのに。」
「気持ちは嬉しいし、そういう性格だから僕はツナ君に仕えようと思うんだけどさ、これは僕の血統と力への責任で避けようのないことだったし、僕は僕の意志でツナ君を守りたいと思ってるんだ。それじゃダメ?」
「優希……」
ツナ君は頭では理解してくれていそうだ。
心の方は納得していなさそうだけど。
僕は立ち上がって触れていたツナ君の手を引っ張って立たせた。
「とりあえずツナ君にはリング争奪戦を勝ってもらわないとな。」
「え゛っ…」
「勝った方が僕の主人になるってことは、少なくともツナ君が負けた場合は確実にツナ君が死ぬって意味だよ。」
「ええ!?」
「バリエラの主人が変わる時は主人が死んだ時かバリエラ本人が死んだ時。これに例外はない。ということは私がザンザス様のバリエラになるイコール、ツナ君が既に死んでるってことになるんだよ。」
「ひぃぃ!そんなぁ!」
青ざめるツナ君に守護者のみんなは励ましの声をかける。
「大丈夫です!10代目!10代目なら絶対負けませんし、オレも負けません!」
「だな!オレもあのロン毛に絶対勝つぜ!」
「極限にこのオレが敵を薙ぎ払ってやる!!」
「あ、ありがとう…」
ツナ君は全然安心できない様子である。
「よし!そうとなれば早速修行を再開せねばな!」
全く怯えたり緊張する様子のない笹川さんがそう言い出して、山本君も「そうっすね!」と同調した。
「10代目、家までお送りします。守屋、お前も一緒に帰った方がいい。」
「うん」
意外にも獄寺君は僕にまで気を遣ってくれた。
そうしてこの場は解散になったけど、ツナ君は帰り道の道中ずっと放心状態だった。
ツナ君とちびっ子達が沢田家に無事入ったことを確認した後、獄寺君に「じゃ、獄寺君もバイバイ」と言って門をくぐろうとしたら手首を掴まれた。
「どうしたの?」
獄寺君はなぜか僕と目を合わさず少しだけ頬を赤らめて一瞬だけ僕に視線を寄越した。
「ぜってーあんな連中に守屋をくれてやったりしねーから。」
「! ありがとう。」
これはツンデレってやつだな。
獄寺君の意外な優しさに触れて心が温まった。
お父さんの前でツナ君や守護者に友人同士で使うような言葉遣いをしているところを晒してしまったから、この門をくぐれば説教が待っている。
でも獄寺君のおかげで強い気持ちでお説教に望めそうだと思った。
第2段階も終わって明日から第3段階というタイミングで、ツナ君は修行から帰ってすぐリボーン様と家から駆け足で出て行った。
ただならぬ雰囲気を感じて僕も追いかける。
道中のリボーン様の話を要約すると、ヴァリアーがニセリングに気付いて攻めてきたらしい。
そして先行しているのはレヴィ雷撃隊で、雷の守護者であるランボ君が危険とのこと。
少しだけ幼い頃を思い出した。
使命の意味を余り理解していなかった頃は修行が苦痛だった。
ツナ君と遊べる時間だけが僕の癒しだった。
正直、ランボ君にそうなっては欲しくない。
僕らが駆けつけた時、ランボ君とイーピンちゃんとフゥ太君は既に雷撃隊に狙われてピンチだったけれど、他の守護者も集まって守ったことによって、3人は無事保護できた。
事態を理解しているフゥ太君やイーピンちゃんと違って、ランボ君はマイペースで地面でゴロゴロしている。
雷のハーフボンゴレリングはランボ君の髪の毛に引っかかっていた。
僕は電柱の影からみんなを見守っていた。
でも一難去ってまた一難。
みんなが安心しているところに1つの殺気が近付いてきた。
この前のスクアーロという人並みのものだからきっと幹部だ。
現れたのは黒髪をツンツンと逆立たせ、いかつい顔つきかつ体格のいい男の人。
背中に何本も剣とも何とも言えない武器を身に付けていた。
彼はランボ君が雷の守護者だとすぐに見抜いた。
「邪魔立てすれば皆消す。」
彼は背中の武器に手をかける。
みんなが修行でパワーアップしたと言っても相手はヴァリアーの幹部だ。
正直もう9代目の命令に反して助けた方が良いかもしれない。
「待てえ、レヴィ!」
黒い影が5つ、道路の沿いの擁壁の上の森に現れた。
どうやら他のヴァリアーの幹部みたいだ。
この前襲ってきたスクアーロもいる。
そしてもう1人現れた人物に僕は目を見開いた。
ボンゴレでも上層部しか知らない8年前のクーデターゆりかごを起こした張本人であり、9代目の嫡子XANXAS様が姿を現したからだ。
写真で見たままの姿だった。
ツナ君はザンザス様のあまりに強い殺気に腰を抜かした。
ザンザス様は左手を構えた。
あれは危ない…!
そう思った瞬間に体が動いてツナ君達の前に踊り出ていた。
次の瞬間には光球状の死ぬ気の炎が僕の目の前に迫ってきた。
スクーデが最大範囲で発動される。
僕は今回できた壁の厚さに驚いた。
今までで1番分厚い。
それだけあの憤怒の炎に破壊力があるということだ。
「優希!!何を…!?」
ツナ君の責めるような声が後ろでする。
でも構っていられなかった。
それだけ憤怒の炎は今までの攻撃とは別格だった。
やがて僕が発動している半透明なスクーデが消え、視界が晴れてきた。
粉塵が落ち着いた先に見えたのは、抉られた森とその下で無傷で僕を睨みつけるヴァリアー幹部達だった。
反射された攻撃をヴァリアークオリティーで上手く避けたんだろう。
ザンザス様は僕を睨みつけながら口を開く。
「テメーが10代目バリエラか。」
「!」
そういえば今更だけど、何でザンザス様はバリエラがついていないんだろう。
バリエラが人手不足とはいえ、それこそ叔父さんとかは空いている訳だし8年前の時点では後継教育はお母さんに任せて、叔父さんがザンザスを守ってても不自然ではないのに。
「待て、ザンザス。そこまでだ。」
その声にヴァリアーが少しだけ緊張したのがわかった。
少し離れた無傷の擁壁の上に家光さんとバジル君、それにお父さんがいた。
「ここからはオレが取り仕切らせてもらう。」
家光さんの宣言に不満そうなスクアーロは剣を構えたけれど、家光さんは毅然とした態度でザンザス様にその落ち度を追及した。
2人の殺気がぶつかり合っているのが肌でわかる。
スクアーロが家光さんが逃げ回っていると指摘すると、家光さんは9代目に異議申し立ての質問状を送り、その回答を待っていたのだと説明した。
そしてその回答と取れる勅命が届いたと言い、部下を介してツナ君とザンザス様にそれぞれ渡した。
内容は9代目は気が変わってザンザス様を後継者にしたいと考えているが、内戦が勃発しかねないのでザンザス様率いるファミリーとツナ君率いるファミリーで同じ種類のリングを持つ者同士で1対1の公式決闘を行うというものだった。
それさえもあの温和な9代目から本当に発せられた勅命なのか疑う内容なのに、もっと耳を疑う内容があった。
「なお、10代目バリエラ守屋優希は本決闘への介入を禁ずる。バリエラの正統後継者が守護するべきは真のボンゴレ10代目であるため、守屋優希は本決闘後内定したボンゴレ10代目を守護すること。」
「!!」
バリエラの掟に従えば、バリエラは主人が死ぬか、自分が死ぬまで主人を変えることはない。
つまり、9代目の指示はザンザス様が勝ったらツナ君は死ぬからザンザス様を守るようにという意味だ。
「バリエラって何…?」
後ろでツナ君が呟く。
「あとは指示を待てと書いてある。」
すると2人の似通った女性が現れた。
褐色の肌色にピンク色の髪の毛、謎のアイマスクと見た目が特徴的だ。
「お待たせしました。」
「今回のリング争奪戦では我々が
彼女達は9代目直属のチェルベッロ機関と名乗り、今回の騒動の話を改めて整理して話し、深夜の並盛中学校で勝負を行うと告げて去って行った。
「守屋優希。テメーは正統後継者であるこのザンザスの物だ。」
「違います!僕は綱吉様のバリエラです!」
「ほざいてろ。」
そう吐き捨ててザンザス様達は去って行った。
ツナ君はまたも腰が抜けたのかへにゃへにゃと地面に座り込んだ。
「ツナ君、大丈夫?」
「全然大丈夫じゃないよ!つかバリエラって何!?」
僕はリボーン様を見た。
彼は頷いた。
僕はツナ君の前に片膝をついて、彼の右手を取った。
「バリエラはブラッド・オブ・ボンゴレを代々影から守護してきた一族です。僕らは24時間365日、ブラッド・オブ・ボンゴレを守るためだけに動くため、ボスの手足として動く守護者とは立場が異なります。僕守屋優希はそのバリエラの10代目であり、ボンゴレ10代目である綱吉様をお守りするための盾なのです。」
「えっ…」
「あなたに正式にお仕えする日を心待ちにしていました、我が
そう告げてツナ君の手の甲にキスを贈る。
ツナ君は顔を真っ赤にした。
「なっ…な!?」
予想していた可愛い反応に思わず笑みが漏れた。
「遊びじゃないって言っただろ?10年前からツナ君を守るために努力してきたんだ。」
そう言うとツナ君は寂しそうに顔を歪めた。
まるで雨の日に打ち捨てられた子犬みたいな表情だった。
「……友達だと思ってたのはオレだけだったの?」
「まさか。主従関係があったって僕はツナ君の幼馴染で友達さ。新しい関係性が追加されただけだよ。難しく考えないで。」
「なら良かっ……いや、良くないよ!優希を巻き込みたくなかったのに。」
「気持ちは嬉しいし、そういう性格だから僕はツナ君に仕えようと思うんだけどさ、これは僕の血統と力への責任で避けようのないことだったし、僕は僕の意志でツナ君を守りたいと思ってるんだ。それじゃダメ?」
「優希……」
ツナ君は頭では理解してくれていそうだ。
心の方は納得していなさそうだけど。
僕は立ち上がって触れていたツナ君の手を引っ張って立たせた。
「とりあえずツナ君にはリング争奪戦を勝ってもらわないとな。」
「え゛っ…」
「勝った方が僕の主人になるってことは、少なくともツナ君が負けた場合は確実にツナ君が死ぬって意味だよ。」
「ええ!?」
「バリエラの主人が変わる時は主人が死んだ時かバリエラ本人が死んだ時。これに例外はない。ということは私がザンザス様のバリエラになるイコール、ツナ君が既に死んでるってことになるんだよ。」
「ひぃぃ!そんなぁ!」
青ざめるツナ君に守護者のみんなは励ましの声をかける。
「大丈夫です!10代目!10代目なら絶対負けませんし、オレも負けません!」
「だな!オレもあのロン毛に絶対勝つぜ!」
「極限にこのオレが敵を薙ぎ払ってやる!!」
「あ、ありがとう…」
ツナ君は全然安心できない様子である。
「よし!そうとなれば早速修行を再開せねばな!」
全く怯えたり緊張する様子のない笹川さんがそう言い出して、山本君も「そうっすね!」と同調した。
「10代目、家までお送りします。守屋、お前も一緒に帰った方がいい。」
「うん」
意外にも獄寺君は僕にまで気を遣ってくれた。
そうしてこの場は解散になったけど、ツナ君は帰り道の道中ずっと放心状態だった。
ツナ君とちびっ子達が沢田家に無事入ったことを確認した後、獄寺君に「じゃ、獄寺君もバイバイ」と言って門をくぐろうとしたら手首を掴まれた。
「どうしたの?」
獄寺君はなぜか僕と目を合わさず少しだけ頬を赤らめて一瞬だけ僕に視線を寄越した。
「ぜってーあんな連中に守屋をくれてやったりしねーから。」
「! ありがとう。」
これはツンデレってやつだな。
獄寺君の意外な優しさに触れて心が温まった。
お父さんの前でツナ君や守護者に友人同士で使うような言葉遣いをしているところを晒してしまったから、この門をくぐれば説教が待っている。
でも獄寺君のおかげで強い気持ちでお説教に望めそうだと思った。
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