精神的敗北
山本君は幻騎士の幻術に敗れた。
山本君の勝利を確信した瞬間の出来事で僕は一瞬言葉を失った。
でもすぐに気を取り直して、ラルさんを壁に寄りかかるように座らせて、山本君にトドメを刺そうとする幻騎士の前に立ちはだかった。
「やらせない!!」
僕の目の前に張られたスクーデは幻騎士の刃を止める。
瞬時に雷の炎でスクーデを強化した。
少し感電したのか幻騎士は麻呂眉を顰めて僕から距離を取った。
「ボンゴレ10代目のバリエラ・守屋優希か。」
さすがミルフィオーレの情報網というべきなのか、幻騎士は僕の名前を当ててくる。
「だったら何?」
「防御力はボンゴレ随一と聞くが、その噂が真か確かめよう。」
幻騎士は余裕たっぷりだ。
こっそり歯噛みした。
正直、僕はしくじった。
最初から2対1で戦うべきだった。
防御には絶対の自信がある。
でも、攻撃力は山本君の方が全然高い。
幻術を見破れない僕はここで間違いなく持久戦を強いられる。
体力には自信があるけれど、この人の倒し方がわからない。
僕の匣 だと、オオカミのロボとハヤブサのサツマが攻撃力があるけれど、どちらも幻騎士を倒すことは不可能だ。
正直救援が来ない限り詰みゲーだ。
「すぐに僕の強さがわかると思うよ。」
強がりでそんなことを僕は言ってやる。
とにかく考えるしかない。
幻騎士の幻術を見破る方法を。
早速幻騎士は霧の炎をまとった剣で僕に斬り掛かってくる。
僕は雷の炎で強化したスクーデでそれを正面から受け止める。
幻騎士の一撃は凄まじかったのか、彼は凄い勢いで後ろへ吹っ飛ばされ、華麗に着地した。
「なるほど。硬度の低い霧の炎とはいえ、死ぬ気の炎で強化した剣をいとも簡単に防ぐとは…。噂は本当らしい。」
「お褒めの言葉どーも。」
「だが、先程の戦いで幻術を見破れなかったということは、幻術には弱いとみた。」
バレてる。
そうだよね、気付く人はさっさと幻術の気配に気付いて見破るはず。
幻騎士は霧に混じるかのように姿を消す。
大丈夫、見えない攻撃も物理攻撃なら僕が発動しないように意識しない限りはスクーデは自動で発動する。
突然目の前に幻騎士が現れて、僕のスクーデを破って僕の首を突こうとしてくる。
これは幻覚だ。
幻の剣が僕の首を貫いても僕が動じなかったせいか、幻騎士はまた霧に混じるように消えて、少し離れたところに姿を現す。
「なぜ幻覚だとわかった?」
「防御力には絶対の自信があるんだ。スクーデが破られる訳がない。こんな幻術は効かないよ。」
強がってはみるものの、僕は目の前の幻騎士が実在しているのかどうかわからない。
結構まずい状況だ。
僕が前に出ている間に山本君とラルさんを狙われたら、防ぎきれない。
僕は3種のリングに炎を灯して3つの匣 を同時に開匣した。
出てきたのは雲のオオカミとヤマアラシ、雷のハヤブサ、雨のカピバラ SISTEMA S.D.A.を構成する7体だ。
「沙悟浄は山本君、猪八戒はラルさんの防御に回って。ロボ、みんなへの指示、任せたよ。」
「ワオーーーーン!」
ロボの遠吠えと共にサツマは羽ばたき、ロボを含めたみんなが走り出す。
沙悟浄と猪八戒は指示通りに倒れている2人の防御に回る。
幻騎士はまず正面から向かってきたマリオに斬りかかったけど、マリオは針を増やして伸ばし、針の山で剣を受け止める。
その上空からサツマが急降下し、雷の炎で幻騎士に攻撃を食らわせる。
幻騎士はまともにそれを食らって悲鳴を上げる。
あの強さで電気の性質に酷似した雷の炎をまともに受けるなんてあり得ない。
「ロボ!そいつは幻覚!匂いで本体を探して!」
ロボはあちこちを駆け回る。
ふっと幻騎士が僕の背後に現れる。
霧の炎を剣を振りかぶってきて、スクーデが発動する。
こっちは本物だ。
「これでも効かぬのか。」
「効くわけないね。ロボ!」
僕が指示する前にロボはこちらに近付いてくる。
ロボだけでなくルイージも。
とにかく司令塔であるロボが幻騎士の位置を把握できるようになれば、攻撃のしようもある。
「どうせオレをこの場で足止めして他の仲間が主要施設の破壊を行えばいいという魂胆だろうが、そうはいかぬぞ。」
「さあて、僕が企んでるのは本当にそんなことかな?」
持久戦なんて冗談じゃない。
ラルさんいわくミルフィオーレとボンゴレの物量差は圧倒的らしいから全体の局面を考えれば、持久戦は悪手でしかない。
絶対にこの人はここで倒す。
「はったりに聞こえるが…まあ、いい。1つ事実を教えてやろう。」
「?」
「ここにいない貴様の仲間は既に全員死んでいる。時間を稼いだところで無駄な足掻きだ。」
これこそハッタリだ。
ツナ君達が死ぬものか。
「生憎、僕は自分で見たものしか信用しないんだ。」
どうやら360°全方位から攻撃を受けたらしく、半球上のスクーデが発動する。
おかげで幻騎士の姿がまた見えなくなる。
ただ1つ確信した。
幻騎士は匣 を使っていて、その存在を隠していると。
でなければ今の攻撃は不自然だ。
幻覚はあくまで人間の脳に直接作用するものであって、物理攻撃はできないのだから。
「ならば見せてやろう。」
幻騎士は腕につけている通信端末のようなものを操作する。
腕にあんなもの付けてたっけ?
自分の乏しい記憶力が憎たらしい。
「これが先程撮られた沢田綱吉。」
通信端末から何もない空中に映し出されたのは用水路の橋の通路に横たわるツナ君。
額が撃ち抜かれていて血を流しており、苦悶の表情を浮かべている。
偽装の可能性を考えながらも、その画像は僕の心臓を凍りつかせるのには充分だった。
「これがガンマと戦った末に敗れた笹川了平と獄寺隼人だ。」
次に映ったのは黒焦げになった笹川さんと獄寺君。
近くには我流と瓜も黒焦げになって倒れている。
「どうせこれもハッタリだろ!」
そう言いながらも最悪の可能性を考えてしまう自分が嫌だ。
みんなを信じられないなんて。
ツナ君が本当に死んでいたらどうしよう。
僕の主人で初めて僕が守りたいと思った人なのに。
獄寺君だって初めて自分の秘密を打ち明けることができて、対等なファミリーとして接してくれた友達なのに。
笹川さんが死んだなんてことになったら、僕は京子ちゃんになんて言えば良いんだ。
土下座してもしたりない。
そんなネガティブな考えが僕を襲う。
「所詮は子供。動揺が隠し切れていないな。」
嘲るような声と共に幻騎士はまた姿を消す。
「冥土の土産に1つ教えてやろう。貴様は最初からボンゴレのそばを離れなければ良かったのだ。オレの攻撃さえも防ぐその防御、少なくともボンゴレ1人なら1日は生き永らえさせられただろう。」
「!!」
確かに彼の言っていることは一理ある。
僕のそばが1番安全だ。
「バリエラは定められたボンゴレの血族から片時も離れないと聞く。貴様は自分の使命を果たせなかったようだな。」
「うるさい!」
そもそもおまえらのせいだ。
僕すらも戦闘力として表に出なければならないほど、ボンゴレを追い詰めたのはミルフィオーレじゃないか。
「サツマ!!この空間いっぱいに雷を!!ロボは増幅の咆哮を!!沙悟浄、猪八戒は引き続き山本君達を守って!!マリオ、ルイージは沙悟浄達の補助!!悟空は待機!!」
僕はリングに炎を灯して指示を出す。
サツマとロボは命令通りに、雷の炎の電撃を雲の増殖で空間いっぱいに広げる技を繰り出す。
沙悟浄、猪八戒、マリオ、ルイージも指示通り、山本君とラルさんを自身のバリアで保護する。
僕も自分自身にスクーデを張って身を守る。
「僕はみんなを信じてる!負けるものか!」
防御に手一杯で幻術を使う余裕がないのか、左前方で霧の炎を展開している幻騎士が見えた。
一瞬天井や床にナメクジのようなものが見えて、あれが幻騎士の匣 だと目星がついた。
「ロボ!!」
ロボは幻騎士に噛みつきに行く。
ロボは完全に幻騎士の匂いを覚えたらしい。
幻騎士はロボを躱わした上で斬撃の返り討ちをしてきた。
避けきれずに剣撃を食らったロボは「キャゥンッ!!」と悲鳴を上げる。
「ロボ…!」
待機していた悟空が幻騎士に襲いかかるも、悟空も斬られてしまった。
やっぱり匣 兵器をこんな簡単にあしらうなんて只者じゃない。
幻騎士本体を狙う前に彼の匣 から始末した方がいいかもしれない。
「サツマ!天井や床中に雷落として!」
「調子に乗るなよ、小娘が。」
天井から何かがグシャリグシャリと落ちてくる。
その3つが何かを認識した時、僕は思わず悲鳴を上げていた。
「っ!!うわああああああっ!!」
それはツナ君、獄寺君、笹川さんの死体。
高い所から落とされたせいで、さっきの映像よりもグチャグチャだ。
首や手足があり得ない方向に曲がっている。
みんな苦しみ抜いた表情を浮かべている。
「貴様が信じないようなので回収した死体を入江殿に手配してもらった。これでボンゴレの敗北は確定だ。」
違う、幻覚だ。
絶対幻覚だ。
そう思うのに震えが止まらない。
手が、足が、舌が、動かない。
頭も働かない。
次どんな手を打とうと考えてたんだっけ?
ドオオッと轟音が鳴り響いて、振動というには生ぬるい揺れが僕らを襲って、右側の壁が壊れた。
「ああ、君…丁度いい。白く丸い装置はこの先だったかな?」
現れたのは雲雀さんだった。
山本君の勝利を確信した瞬間の出来事で僕は一瞬言葉を失った。
でもすぐに気を取り直して、ラルさんを壁に寄りかかるように座らせて、山本君にトドメを刺そうとする幻騎士の前に立ちはだかった。
「やらせない!!」
僕の目の前に張られたスクーデは幻騎士の刃を止める。
瞬時に雷の炎でスクーデを強化した。
少し感電したのか幻騎士は麻呂眉を顰めて僕から距離を取った。
「ボンゴレ10代目のバリエラ・守屋優希か。」
さすがミルフィオーレの情報網というべきなのか、幻騎士は僕の名前を当ててくる。
「だったら何?」
「防御力はボンゴレ随一と聞くが、その噂が真か確かめよう。」
幻騎士は余裕たっぷりだ。
こっそり歯噛みした。
正直、僕はしくじった。
最初から2対1で戦うべきだった。
防御には絶対の自信がある。
でも、攻撃力は山本君の方が全然高い。
幻術を見破れない僕はここで間違いなく持久戦を強いられる。
体力には自信があるけれど、この人の倒し方がわからない。
僕の
正直救援が来ない限り詰みゲーだ。
「すぐに僕の強さがわかると思うよ。」
強がりでそんなことを僕は言ってやる。
とにかく考えるしかない。
幻騎士の幻術を見破る方法を。
早速幻騎士は霧の炎をまとった剣で僕に斬り掛かってくる。
僕は雷の炎で強化したスクーデでそれを正面から受け止める。
幻騎士の一撃は凄まじかったのか、彼は凄い勢いで後ろへ吹っ飛ばされ、華麗に着地した。
「なるほど。硬度の低い霧の炎とはいえ、死ぬ気の炎で強化した剣をいとも簡単に防ぐとは…。噂は本当らしい。」
「お褒めの言葉どーも。」
「だが、先程の戦いで幻術を見破れなかったということは、幻術には弱いとみた。」
バレてる。
そうだよね、気付く人はさっさと幻術の気配に気付いて見破るはず。
幻騎士は霧に混じるかのように姿を消す。
大丈夫、見えない攻撃も物理攻撃なら僕が発動しないように意識しない限りはスクーデは自動で発動する。
突然目の前に幻騎士が現れて、僕のスクーデを破って僕の首を突こうとしてくる。
これは幻覚だ。
幻の剣が僕の首を貫いても僕が動じなかったせいか、幻騎士はまた霧に混じるように消えて、少し離れたところに姿を現す。
「なぜ幻覚だとわかった?」
「防御力には絶対の自信があるんだ。スクーデが破られる訳がない。こんな幻術は効かないよ。」
強がってはみるものの、僕は目の前の幻騎士が実在しているのかどうかわからない。
結構まずい状況だ。
僕が前に出ている間に山本君とラルさんを狙われたら、防ぎきれない。
僕は3種のリングに炎を灯して3つの
出てきたのは雲のオオカミとヤマアラシ、雷のハヤブサ、雨のカピバラ
「沙悟浄は山本君、猪八戒はラルさんの防御に回って。ロボ、みんなへの指示、任せたよ。」
「ワオーーーーン!」
ロボの遠吠えと共にサツマは羽ばたき、ロボを含めたみんなが走り出す。
沙悟浄と猪八戒は指示通りに倒れている2人の防御に回る。
幻騎士はまず正面から向かってきたマリオに斬りかかったけど、マリオは針を増やして伸ばし、針の山で剣を受け止める。
その上空からサツマが急降下し、雷の炎で幻騎士に攻撃を食らわせる。
幻騎士はまともにそれを食らって悲鳴を上げる。
あの強さで電気の性質に酷似した雷の炎をまともに受けるなんてあり得ない。
「ロボ!そいつは幻覚!匂いで本体を探して!」
ロボはあちこちを駆け回る。
ふっと幻騎士が僕の背後に現れる。
霧の炎を剣を振りかぶってきて、スクーデが発動する。
こっちは本物だ。
「これでも効かぬのか。」
「効くわけないね。ロボ!」
僕が指示する前にロボはこちらに近付いてくる。
ロボだけでなくルイージも。
とにかく司令塔であるロボが幻騎士の位置を把握できるようになれば、攻撃のしようもある。
「どうせオレをこの場で足止めして他の仲間が主要施設の破壊を行えばいいという魂胆だろうが、そうはいかぬぞ。」
「さあて、僕が企んでるのは本当にそんなことかな?」
持久戦なんて冗談じゃない。
ラルさんいわくミルフィオーレとボンゴレの物量差は圧倒的らしいから全体の局面を考えれば、持久戦は悪手でしかない。
絶対にこの人はここで倒す。
「はったりに聞こえるが…まあ、いい。1つ事実を教えてやろう。」
「?」
「ここにいない貴様の仲間は既に全員死んでいる。時間を稼いだところで無駄な足掻きだ。」
これこそハッタリだ。
ツナ君達が死ぬものか。
「生憎、僕は自分で見たものしか信用しないんだ。」
どうやら360°全方位から攻撃を受けたらしく、半球上のスクーデが発動する。
おかげで幻騎士の姿がまた見えなくなる。
ただ1つ確信した。
幻騎士は
でなければ今の攻撃は不自然だ。
幻覚はあくまで人間の脳に直接作用するものであって、物理攻撃はできないのだから。
「ならば見せてやろう。」
幻騎士は腕につけている通信端末のようなものを操作する。
腕にあんなもの付けてたっけ?
自分の乏しい記憶力が憎たらしい。
「これが先程撮られた沢田綱吉。」
通信端末から何もない空中に映し出されたのは用水路の橋の通路に横たわるツナ君。
額が撃ち抜かれていて血を流しており、苦悶の表情を浮かべている。
偽装の可能性を考えながらも、その画像は僕の心臓を凍りつかせるのには充分だった。
「これがガンマと戦った末に敗れた笹川了平と獄寺隼人だ。」
次に映ったのは黒焦げになった笹川さんと獄寺君。
近くには我流と瓜も黒焦げになって倒れている。
「どうせこれもハッタリだろ!」
そう言いながらも最悪の可能性を考えてしまう自分が嫌だ。
みんなを信じられないなんて。
ツナ君が本当に死んでいたらどうしよう。
僕の主人で初めて僕が守りたいと思った人なのに。
獄寺君だって初めて自分の秘密を打ち明けることができて、対等なファミリーとして接してくれた友達なのに。
笹川さんが死んだなんてことになったら、僕は京子ちゃんになんて言えば良いんだ。
土下座してもしたりない。
そんなネガティブな考えが僕を襲う。
「所詮は子供。動揺が隠し切れていないな。」
嘲るような声と共に幻騎士はまた姿を消す。
「冥土の土産に1つ教えてやろう。貴様は最初からボンゴレのそばを離れなければ良かったのだ。オレの攻撃さえも防ぐその防御、少なくともボンゴレ1人なら1日は生き永らえさせられただろう。」
「!!」
確かに彼の言っていることは一理ある。
僕のそばが1番安全だ。
「バリエラは定められたボンゴレの血族から片時も離れないと聞く。貴様は自分の使命を果たせなかったようだな。」
「うるさい!」
そもそもおまえらのせいだ。
僕すらも戦闘力として表に出なければならないほど、ボンゴレを追い詰めたのはミルフィオーレじゃないか。
「サツマ!!この空間いっぱいに雷を!!ロボは増幅の咆哮を!!沙悟浄、猪八戒は引き続き山本君達を守って!!マリオ、ルイージは沙悟浄達の補助!!悟空は待機!!」
僕はリングに炎を灯して指示を出す。
サツマとロボは命令通りに、雷の炎の電撃を雲の増殖で空間いっぱいに広げる技を繰り出す。
沙悟浄、猪八戒、マリオ、ルイージも指示通り、山本君とラルさんを自身のバリアで保護する。
僕も自分自身にスクーデを張って身を守る。
「僕はみんなを信じてる!負けるものか!」
防御に手一杯で幻術を使う余裕がないのか、左前方で霧の炎を展開している幻騎士が見えた。
一瞬天井や床にナメクジのようなものが見えて、あれが幻騎士の
「ロボ!!」
ロボは幻騎士に噛みつきに行く。
ロボは完全に幻騎士の匂いを覚えたらしい。
幻騎士はロボを躱わした上で斬撃の返り討ちをしてきた。
避けきれずに剣撃を食らったロボは「キャゥンッ!!」と悲鳴を上げる。
「ロボ…!」
待機していた悟空が幻騎士に襲いかかるも、悟空も斬られてしまった。
やっぱり
幻騎士本体を狙う前に彼の
「サツマ!天井や床中に雷落として!」
「調子に乗るなよ、小娘が。」
天井から何かがグシャリグシャリと落ちてくる。
その3つが何かを認識した時、僕は思わず悲鳴を上げていた。
「っ!!うわああああああっ!!」
それはツナ君、獄寺君、笹川さんの死体。
高い所から落とされたせいで、さっきの映像よりもグチャグチャだ。
首や手足があり得ない方向に曲がっている。
みんな苦しみ抜いた表情を浮かべている。
「貴様が信じないようなので回収した死体を入江殿に手配してもらった。これでボンゴレの敗北は確定だ。」
違う、幻覚だ。
絶対幻覚だ。
そう思うのに震えが止まらない。
手が、足が、舌が、動かない。
頭も働かない。
次どんな手を打とうと考えてたんだっけ?
ドオオッと轟音が鳴り響いて、振動というには生ぬるい揺れが僕らを襲って、右側の壁が壊れた。
「ああ、君…丁度いい。白く丸い装置はこの先だったかな?」
現れたのは雲雀さんだった。
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