勝利と別れ、そして自覚
GHOSTは敵味方問わず死ぬ気の炎を吸収する能力を持っていて、幸いなことにスクーデで防ぐことはできたから僕はランボ君を抱えてラルさんを庇いながらゴーストを睨みつけていた。
ロボを始めとした匣 兵器は炎を吸収されてしまうから、一旦匣 に戻らせた。
だから僕はずっと防戦一方だった。
山本君、スクアーロさん、ディーノさんも合流したけど戦力になりそうなのは山本君だけで、彼は獄寺君達を庇いながらみるみる消耗していた。
敵味方関係なく全滅しそうな状況の中、駆けつけてくれたのはツナ君だった。
クロームちゃんもこっちに合流してるから、ユニちゃんの守りはリボーン様のみになってしまったのか、と不甲斐なさを感じつつも、ツナ君が合流したことに僕はどこか安堵していた。
ツナ君は零地点突破改で応戦し、ゴーストを吸収しきった。
なのに、ツナ君の炎は大きくならなかった。
いつもなら額の炎や拳の炎がわかりやすく増大するのに。
僕らが不審がっているところに現れたのは白蘭だった。
彼は圧倒的戦闘力を見せつけながら種明かしをした。
ゴーストが吸収した炎は全て白蘭の体の中にあると 。
目を逸らしたくなるぐらい、ツナ君はぼろぼろになった。
大空のボンゴレリングとマーレリングに呼応してツナ君と白蘭の戦闘フィールドにユナちゃんは引き込まれてしまった。
あの謎の空間はスクーデでの体当たりでも壊れることはなく、僕らはただ傍観することしかできなかった。
戦闘の最中、ユニちゃんの目的がアルコバレーノの復活だということがわかった。
73 の秩序の回復が目的なら、確かにボンゴレファミリーが命をかけて時間を稼ぐだけの理由だったとは思う。
でもどうしたらいい?
このままじゃ、僕の大事な主人が、大好きなツナ君が死んでしまう…!!
怖い、怖い、怖い !!
「おまえを倒すのはアルコバレーノじゃねぇ。オレの生徒 ツナだ。」
ぼろぼろに傷ついて意識を失っているツナ君にリボーン様は無茶な叱咤激励をする。
ユニちゃんがアルコバレーノの復活のために文字通り命を懸けるつもりだと。
応えられるわけがない、そう思ったのに。
ツナ君は意識を取り戻して、ユニちゃんを守ろうとした。
「ユ…ユニは…お…お前に…わたさ…ないぞ…」
震えながら起き上がることもできずにツナ君はそんなことを言う。
もうやめて欲しかった。
なんで、ツナ君が、ユニちゃんが、こんな目に遭わないといけないんだ。
「ハハッ、震えてんじゃん!!体って正直だよねー。コテンパンにされた恐怖を、忘れられずに怯えてる。アハハッ、震えがこっちにまで伝わってきそうだ。」
何でそんな風に言われなきゃいけないんだろう、ツナ君はいつだって自分のためじゃなくて誰かのために勇気を振り絞って戦うのに。
白蘭はつらつらとツナ君のこれまでの経歴を語って、不運だと決めつける。
「いいや…それは…少し…違う気がする…。…そりゃ…確かに…未来は…怖くて…痛くて…不安ばかりで、心から楽しい時間なんてほんのちょっとだったけど…今なら……今なら少し…わかってきた気がするんだ……いいとか悪いとかじゃない……未来でのことは……全部オレの大事な時間だって…」
ツナ君がどれだけ怖くてもこの未来で繋いだ縁を大切にしてるのは知ってた。
でもまさか全部をひっくるめて大切だって言い切るとは思わなかった。
「へー、君は変わった物事の捉え方をするねー。でも、よーく考えてみて欲しいな。殺されちゃったらそんなの負け惜しみだよ♪」
トドメを刺す気なのだと察して、何言っても無駄だとわかっているのに叫んでしまう。
「やめて!!」
それは他のみんなも一緒で、獄寺君に至っては壊せないバリアに攻撃までしていた。
「今の綱吉君なら、このミニ白龍を心臓に一突きすれば充分♪」
「ひいっ、まっ待って!!」
「待たないっ」
無情にも笑顔で白蘭はツナ君にミニ白龍を投擲する。
それは正確に心臓を捉えて、ツナ君は後ろに倒れる。
「嫌だ!!ツナ君!!」
思わず叫ぶ。
何もできないのが悔しい。
助けたい。
どうしたらいいの?
涙が溢れる。
でも泣いてる場合じゃない。
どうしたらこのバリアを突破してツナ君を助けられるか、考えなきゃ。
そう思ってるとツナ君が「いってー!!」と叫びながら上体を起こした。
どうやら首に巻いていたリングに守られたらしい。
「やっぱり…そうなんだ…。オレは全部に支えられてる…。この未来に来てなくて良かったものなんて1つもないんだ。辛いことも…苦しいことも…楽しかったことも…そしてみんながいたからオレはここにいるんだ……。未来 で手に入れた技も武器も、ただじっとしてたら完成しなかったし……みんながいなきゃ完成しなかった…。オレ…不運どころか…ついてるよ…。みんなと未来 にいた時間は…オレの宝だ…。」
なぜかツナ君の言葉に涙が出る。
なんでツナ君って面倒くさがりなのに、損な役回りが多くて、周りに振り回されて、理不尽な目に散々あってるのに、変わらず他人を愛せるんだろう?
昔から知ってたツナ君の美徳ではある。
例えば僕が初めてツナ君を守った時、彼は凄く怖かったはずなのに、優希を虐めないでと僕の身を案じてた。
それが彼の本質だとはわかっていた。
だけど、これだけ酷い目に遭ってきても、大人の勝手な事情に振り回されてきても、その在り方を見失わないどころか、より優しさと強さを増してきた。
その生き様がかっこいい。
僕の胸の奥が熱くなる。
ああ、僕はそんなツナ君が好きで、恋してるんだ。
やっとわかった。
どうして、僕がバリエラの一族の在り方には反感を持ちながら、ツナ君を強く守りたいと思うのか。
ツナ君を愛してるからだ。
僕は奈々さんを除けば誰よりも長く、ツナ君の良い所も悪い所も、その成長も見守ってきた。
言葉遣いが変なだけで、性自認は女で性的欲求を男性に向ける僕が、彼のかっこよさに惚れない訳がなかった。
だから、やっぱり守りたい。
どうしたらいいだろう?
「オレの炎は……おまえが支配するこの世界だからこそ生まれた。みんなの炎だ!!むやみに人を傷つけたために倒されることを後悔しろ!!」
ツナ君の額に炎が灯る。
それを白蘭は嘲笑う。
「ハハハッ。いい気分のところ悪いけれど、何の解決もしていないよ、綱吉君!!結局僕と君の力の差は君が倒された時から変わってない!!」
「どうだろうな」
守護者みんなのボンゴレリングが光り、誰かが映し出される。
「あの子、言っていることがボスと同じだ。」
「血は争えないでござるな。」
「究極にいい奴ではないか。」
「残念です…。ボンゴレに不要な軟弱な思考です。」
「興味ないな。」
「……てめえの好きにすりゃあいいさ、いつものようにな。」
「そうだな……G。」
ツナのリングが光る。
映し出されたのはハイパーモードのツナ君に似た外国人の男性。
「X世 よ…おまえの考えにオレも賛成だ。オレの真の後継者に力を貸してやりたいが、あいにくそれはできない。そのかわり枷を外してやろう。」
ユニちゃんは彼をボンゴレI世 だと言った。
マーレリングの適応者の白蘭は横の時空軸の奇跡、ボンゴレリングの適応者のボンゴレI世 は縦の時空軸の奇跡を起こせるのだと。
「さあ、X世 、おまえの枷を外そう。」
ボンゴレI世 曰く、厳格に継承するためにボンゴレリングを2つに分割できる形にしたことで、炎の出力を抑える必要があったと。
でもツナ君ならボンゴレリングの本当の意味と彼の意志をわかってもらえそうだから枷を外すと。
ツナ君達のボンゴレリングから炎が出て、次の瞬間にはリングが別の形になっていた。
「X世 、マーレの小僧に一泡吹かせてこい。」
ボンゴレI世 はそう言って姿を消した。
それからのツナ君は白蘭を圧倒した。
僕らは命の炎を灯し始めたユニちゃんを助け出そうとしたけど、連携して謎のバリアを少し破壊するぐらいしかできなかった。
意識を失っていると思っていたガンマがその隙をついてユニちゃんのもとへ駆けつけて抱き締めて、2人は命の炎に包まれて逝ってしまった。
理由は違えど、彼女の死に怒ったのはツナ君も白蘭も同じで2人は全力で最後の一撃を放った。
凄まじい炎のぶつかり合いの後、その場に立っていたのはツナ君だった。
白蘭は髪の毛の1本も残さず消えて、主人を失った大空のマーレリングだけが地面に残されていた。
僕は真っ直ぐツナ君のもとへ駆けつけて、倒れる彼を獄寺君、山本君と共に支えた。
「ツナ君…!!お疲れ…!!」
生きてて良かった。
でも、ユニちゃんとガンマは逝ってしまった。
その事実がギュウッと僕らの胸を締め付ける。
太猿さんと野猿さんは2人の服とアルコバレーノのおしゃぶりが落ちている所でわんわん泣いていた。
京子ちゃんとハルちゃんもビアンキさんに抱き締められながら泣いていた。
良い子だと、最期まで自分の果たすべきことを果たす強い女の子だとこの2日間で知ったからこそ、この突然の別れは僕にとっても受け入れがたかった。
「ガンマとユニだけじゃない……この戦いは多くの人が傷つきすぎたよ…」
ツナ君は悔しそうに苦しそうにそう言う。
そうだね、ツナ君の家族も僕の家族もこの未来で死んだ事実は変えられない。
ヴァリアーと桔梗の間で一悶着あった後、ツナ君が勝った意味があったのかと疑問を呈していると、それを否定して答えたのはアルコバレーノのコロネロさんだった。
アルコバレーノが復活したんだ。
初めて見る人もいた。
緑色のおしゃぶりの人と赤色のおしゃぶりの人。
恐らく緑の人がダ・ヴィンチの再来と謳われるヴェルデで、赤の人が拳法の達人の風 だろう。
風 さんはイーピンちゃんの師匠だったはずだ。
「事情は全てわかってるぜ。おしゃぶり状態のオレ達にユニが炎を通して教えてくれたからな。」
そう言ってアルコバレーノ達は説明してくれた。
白蘭が死んだことでマーレリングの力は無効化され、彼がマーレリングを使って引き起こしたことは過去に遡ってなかったことになると。
そしてユニちゃんは2人目の白蘭を出さないために過去のマーレリングを封印するべく命を懸けたことも説明してくれた。
僕らは平和な過去に帰れるんだ。
お母さんも叔父さんも死んでない過去に…!!
「優希、ハヤト見かけてないかしら?」
ぼろぼろになったアジトでラルさんにお礼の挨拶をした後、ビアンキさんに声をかけられ、僕は振り返った。
「いえ、見てません…」
もうすぐ過去に帰るのに、獄寺君はビアンキさんと別れの挨拶しなくていいのかな?
「でもちょうど良かったわ、あなたにお願いしたいことがあったから。」
「お願い…ですか?」
「ええ、これからもハヤトのこと、お願いね。あの子、ツナのことになると無茶しがちだし、短気で仲間と衝突しがちだし。」
「!…あははは、確かにそうですね。任せてください、ビアンキさん。僕が獄寺君とみんなの緩衝材になってみせます!」
僕が胸をポンと叩きながら言うと、なぜかビアンキさんは寂しげに微笑んだ。
そういえばビアンキさんに預けようと思ってたものがあったんだった。
「……ビアンキさん、僕からもお願いが。」
そう言ってビアンキさんに手渡したのはこの時代の僕が持ってた母子手帳。
1度念入りに中を確認してみたけど、僕は記入をサボっていたみたいで表紙と妊婦健診の記録以外何も記載がなかった。
だから父親が誰かはわからないし、リボーン様の言う通りこれ以上追求しないことにした。
ツナ君が好きだと自覚してしまった以上、この時代の僕の恋人が誰であれ、知ってしまえばその情報に振り回されてしまうから。
「入れ替わった時に僕が持っていたから、渡して欲しいんです。」
「大事なものね。わかったわ。」
「あと、この時代の僕のこと、宜しくお願いします。ビアンキさんはご存知かもしれないですけど……僕の一族は子供ができること自体が奇跡なんです。先天性の疾患や障害を持つ可能性が普通の人よりも高いってわかっていながら、母子手帳 を携帯してるってことは、それらの可能性を引っくるめてこの時代の僕が産むって覚悟を決めたんだと思ってます。もし僕が揺らいだり弱気になったりしてたら、ビンタの1つでもかましてやってください。」
「…ええ、わかったわ。」
ビアンキさんは今度は嬉しそうに微笑んだ。
どうしてさっきは少し寂しげだったのか、本当に疑問に思うぐらい、幸せそうに。
ロボを始めとした
だから僕はずっと防戦一方だった。
山本君、スクアーロさん、ディーノさんも合流したけど戦力になりそうなのは山本君だけで、彼は獄寺君達を庇いながらみるみる消耗していた。
敵味方関係なく全滅しそうな状況の中、駆けつけてくれたのはツナ君だった。
クロームちゃんもこっちに合流してるから、ユニちゃんの守りはリボーン様のみになってしまったのか、と不甲斐なさを感じつつも、ツナ君が合流したことに僕はどこか安堵していた。
ツナ君は零地点突破改で応戦し、ゴーストを吸収しきった。
なのに、ツナ君の炎は大きくならなかった。
いつもなら額の炎や拳の炎がわかりやすく増大するのに。
僕らが不審がっているところに現れたのは白蘭だった。
彼は圧倒的戦闘力を見せつけながら種明かしをした。
ゴーストが吸収した炎は全て白蘭の体の中にあると
× × × × × × × × × × ×
目を逸らしたくなるぐらい、ツナ君はぼろぼろになった。
大空のボンゴレリングとマーレリングに呼応してツナ君と白蘭の戦闘フィールドにユナちゃんは引き込まれてしまった。
あの謎の空間はスクーデでの体当たりでも壊れることはなく、僕らはただ傍観することしかできなかった。
戦闘の最中、ユニちゃんの目的がアルコバレーノの復活だということがわかった。
でもどうしたらいい?
このままじゃ、僕の大事な主人が、大好きなツナ君が死んでしまう…!!
怖い、怖い、怖い
「おまえを倒すのはアルコバレーノじゃねぇ。オレの生徒
ぼろぼろに傷ついて意識を失っているツナ君にリボーン様は無茶な叱咤激励をする。
ユニちゃんがアルコバレーノの復活のために文字通り命を懸けるつもりだと。
応えられるわけがない、そう思ったのに。
ツナ君は意識を取り戻して、ユニちゃんを守ろうとした。
「ユ…ユニは…お…お前に…わたさ…ないぞ…」
震えながら起き上がることもできずにツナ君はそんなことを言う。
もうやめて欲しかった。
なんで、ツナ君が、ユニちゃんが、こんな目に遭わないといけないんだ。
「ハハッ、震えてんじゃん!!体って正直だよねー。コテンパンにされた恐怖を、忘れられずに怯えてる。アハハッ、震えがこっちにまで伝わってきそうだ。」
何でそんな風に言われなきゃいけないんだろう、ツナ君はいつだって自分のためじゃなくて誰かのために勇気を振り絞って戦うのに。
白蘭はつらつらとツナ君のこれまでの経歴を語って、不運だと決めつける。
「いいや…それは…少し…違う気がする…。…そりゃ…確かに…未来は…怖くて…痛くて…不安ばかりで、心から楽しい時間なんてほんのちょっとだったけど…今なら……今なら少し…わかってきた気がするんだ……いいとか悪いとかじゃない……未来でのことは……全部オレの大事な時間だって…」
ツナ君がどれだけ怖くてもこの未来で繋いだ縁を大切にしてるのは知ってた。
でもまさか全部をひっくるめて大切だって言い切るとは思わなかった。
「へー、君は変わった物事の捉え方をするねー。でも、よーく考えてみて欲しいな。殺されちゃったらそんなの負け惜しみだよ♪」
トドメを刺す気なのだと察して、何言っても無駄だとわかっているのに叫んでしまう。
「やめて!!」
それは他のみんなも一緒で、獄寺君に至っては壊せないバリアに攻撃までしていた。
「今の綱吉君なら、このミニ白龍を心臓に一突きすれば充分♪」
「ひいっ、まっ待って!!」
「待たないっ」
無情にも笑顔で白蘭はツナ君にミニ白龍を投擲する。
それは正確に心臓を捉えて、ツナ君は後ろに倒れる。
「嫌だ!!ツナ君!!」
思わず叫ぶ。
何もできないのが悔しい。
助けたい。
どうしたらいいの?
涙が溢れる。
でも泣いてる場合じゃない。
どうしたらこのバリアを突破してツナ君を助けられるか、考えなきゃ。
そう思ってるとツナ君が「いってー!!」と叫びながら上体を起こした。
どうやら首に巻いていたリングに守られたらしい。
「やっぱり…そうなんだ…。オレは全部に支えられてる…。この未来に来てなくて良かったものなんて1つもないんだ。辛いことも…苦しいことも…楽しかったことも…そしてみんながいたからオレはここにいるんだ……。
なぜかツナ君の言葉に涙が出る。
なんでツナ君って面倒くさがりなのに、損な役回りが多くて、周りに振り回されて、理不尽な目に散々あってるのに、変わらず他人を愛せるんだろう?
昔から知ってたツナ君の美徳ではある。
例えば僕が初めてツナ君を守った時、彼は凄く怖かったはずなのに、優希を虐めないでと僕の身を案じてた。
それが彼の本質だとはわかっていた。
だけど、これだけ酷い目に遭ってきても、大人の勝手な事情に振り回されてきても、その在り方を見失わないどころか、より優しさと強さを増してきた。
その生き様がかっこいい。
僕の胸の奥が熱くなる。
やっとわかった。
どうして、僕がバリエラの一族の在り方には反感を持ちながら、ツナ君を強く守りたいと思うのか。
ツナ君を愛してるからだ。
僕は奈々さんを除けば誰よりも長く、ツナ君の良い所も悪い所も、その成長も見守ってきた。
言葉遣いが変なだけで、性自認は女で性的欲求を男性に向ける僕が、彼のかっこよさに惚れない訳がなかった。
だから、やっぱり守りたい。
どうしたらいいだろう?
「オレの炎は……おまえが支配するこの世界だからこそ生まれた。みんなの炎だ!!むやみに人を傷つけたために倒されることを後悔しろ!!」
ツナ君の額に炎が灯る。
それを白蘭は嘲笑う。
「ハハハッ。いい気分のところ悪いけれど、何の解決もしていないよ、綱吉君!!結局僕と君の力の差は君が倒された時から変わってない!!」
「どうだろうな」
守護者みんなのボンゴレリングが光り、誰かが映し出される。
「あの子、言っていることがボスと同じだ。」
「血は争えないでござるな。」
「究極にいい奴ではないか。」
「残念です…。ボンゴレに不要な軟弱な思考です。」
「興味ないな。」
「……てめえの好きにすりゃあいいさ、いつものようにな。」
「そうだな……G。」
ツナのリングが光る。
映し出されたのはハイパーモードのツナ君に似た外国人の男性。
「
ユニちゃんは彼をボンゴレ
マーレリングの適応者の白蘭は横の時空軸の奇跡、ボンゴレリングの適応者のボンゴレ
「さあ、
ボンゴレ
でもツナ君ならボンゴレリングの本当の意味と彼の意志をわかってもらえそうだから枷を外すと。
ツナ君達のボンゴレリングから炎が出て、次の瞬間にはリングが別の形になっていた。
「
ボンゴレ
それからのツナ君は白蘭を圧倒した。
僕らは命の炎を灯し始めたユニちゃんを助け出そうとしたけど、連携して謎のバリアを少し破壊するぐらいしかできなかった。
意識を失っていると思っていたガンマがその隙をついてユニちゃんのもとへ駆けつけて抱き締めて、2人は命の炎に包まれて逝ってしまった。
理由は違えど、彼女の死に怒ったのはツナ君も白蘭も同じで2人は全力で最後の一撃を放った。
凄まじい炎のぶつかり合いの後、その場に立っていたのはツナ君だった。
白蘭は髪の毛の1本も残さず消えて、主人を失った大空のマーレリングだけが地面に残されていた。
僕は真っ直ぐツナ君のもとへ駆けつけて、倒れる彼を獄寺君、山本君と共に支えた。
「ツナ君…!!お疲れ…!!」
生きてて良かった。
でも、ユニちゃんとガンマは逝ってしまった。
その事実がギュウッと僕らの胸を締め付ける。
太猿さんと野猿さんは2人の服とアルコバレーノのおしゃぶりが落ちている所でわんわん泣いていた。
京子ちゃんとハルちゃんもビアンキさんに抱き締められながら泣いていた。
良い子だと、最期まで自分の果たすべきことを果たす強い女の子だとこの2日間で知ったからこそ、この突然の別れは僕にとっても受け入れがたかった。
「ガンマとユニだけじゃない……この戦いは多くの人が傷つきすぎたよ…」
ツナ君は悔しそうに苦しそうにそう言う。
そうだね、ツナ君の家族も僕の家族もこの未来で死んだ事実は変えられない。
ヴァリアーと桔梗の間で一悶着あった後、ツナ君が勝った意味があったのかと疑問を呈していると、それを否定して答えたのはアルコバレーノのコロネロさんだった。
アルコバレーノが復活したんだ。
初めて見る人もいた。
緑色のおしゃぶりの人と赤色のおしゃぶりの人。
恐らく緑の人がダ・ヴィンチの再来と謳われるヴェルデで、赤の人が拳法の達人の
「事情は全てわかってるぜ。おしゃぶり状態のオレ達にユニが炎を通して教えてくれたからな。」
そう言ってアルコバレーノ達は説明してくれた。
白蘭が死んだことでマーレリングの力は無効化され、彼がマーレリングを使って引き起こしたことは過去に遡ってなかったことになると。
そしてユニちゃんは2人目の白蘭を出さないために過去のマーレリングを封印するべく命を懸けたことも説明してくれた。
僕らは平和な過去に帰れるんだ。
お母さんも叔父さんも死んでない過去に…!!
× × × × × × × × × × ×
「優希、ハヤト見かけてないかしら?」
ぼろぼろになったアジトでラルさんにお礼の挨拶をした後、ビアンキさんに声をかけられ、僕は振り返った。
「いえ、見てません…」
もうすぐ過去に帰るのに、獄寺君はビアンキさんと別れの挨拶しなくていいのかな?
「でもちょうど良かったわ、あなたにお願いしたいことがあったから。」
「お願い…ですか?」
「ええ、これからもハヤトのこと、お願いね。あの子、ツナのことになると無茶しがちだし、短気で仲間と衝突しがちだし。」
「!…あははは、確かにそうですね。任せてください、ビアンキさん。僕が獄寺君とみんなの緩衝材になってみせます!」
僕が胸をポンと叩きながら言うと、なぜかビアンキさんは寂しげに微笑んだ。
そういえばビアンキさんに預けようと思ってたものがあったんだった。
「……ビアンキさん、僕からもお願いが。」
そう言ってビアンキさんに手渡したのはこの時代の僕が持ってた母子手帳。
1度念入りに中を確認してみたけど、僕は記入をサボっていたみたいで表紙と妊婦健診の記録以外何も記載がなかった。
だから父親が誰かはわからないし、リボーン様の言う通りこれ以上追求しないことにした。
ツナ君が好きだと自覚してしまった以上、この時代の僕の恋人が誰であれ、知ってしまえばその情報に振り回されてしまうから。
「入れ替わった時に僕が持っていたから、渡して欲しいんです。」
「大事なものね。わかったわ。」
「あと、この時代の僕のこと、宜しくお願いします。ビアンキさんはご存知かもしれないですけど……僕の一族は子供ができること自体が奇跡なんです。先天性の疾患や障害を持つ可能性が普通の人よりも高いってわかっていながら、
「…ええ、わかったわ。」
ビアンキさんは今度は嬉しそうに微笑んだ。
どうしてさっきは少し寂しげだったのか、本当に疑問に思うぐらい、幸せそうに。
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