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叫び声か悲鳴のようなものがくぐもって聞こえた。それにしても突然暗くなったのはどうしてだろう。手持ちに戦えないポケモンはいないはず。
「――――!?―――!・・・っ――ゥゥ!早くぺってしろォォォ!」
感覚的に肩から上を何かで固定されているような窮屈さに身動きできないでいれば暗闇から抜け出れた。でろでろべとべとな状態で。
「???」
「だいじょうぶですか!?」
「え?あれ?今のは・・・」
「すんませんっ!ほんとすんませんっ!」
何故頭が濡れているのか訳が分からず茫然と座り込む私に向かって必死な土下座を繰り返す少年は泣きそうになっていた。「わん」暗くなる前に聞こえた声が頭の上でして見上げると真っ白い犬がこちらを見下ろしていた。それにしてもずいぶんと大きい。
「あ、あああああのっだだだいじょうぶですか・・・お怪我はありませんかかかか・・・」
「? ないですよ。それより、大きなワンちゃんですね。初めて見ました」
動揺している少年を不思議に思うものの目の前の犬のサイズに目が釘付けだった。立ち上がると自分の身の丈より大きいことがわかりおおっと薄ら感動を覚える。ふわんとした毛並みも相まってくりりとした丸みの瞳がかわいい。その容姿は癒し効果を生み出すらしく、ほんわかした気持ちになって思わず手が伸びる。「あぁっ!」後ろの声に触れていいか聞いていないと我に返るが目の前の犬が動き出すのが早かった。
前足が私の肩に乗りかかり、力強い押し付けを受け止めきれない体は、倒れた。ゴッ。鈍い音が響いて意識が遠のくその前に女の子の声が聞こえた気がした。「まーた私の負けネ。定春の本気の競争は私もまだまだヨ」犯人はヤスじゃなくてきっとそのさだは、る・・・ガクッ