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「初めまして!よろしくね!」
とても友好的な自己紹介の少し前。幼馴染の腕を取り「ダーリン」といったイチャイチャ現場を目撃してしまい軽い衝撃を受けた。
目をぱちくりさせて固まる彼女に「こ、これには深いワケがあって」と修羅場のような雰囲気が流れようとしていた。
「・・・それって私なんかが聞いてもいいワケなの?」
しかし素早い把握能力で(あ、これめんどーなやつだ)と察した彼女は涙目の楽にそう投げかけた。巻き込まないで下さいという願望を込めて。パァッと明るい顔をした幼馴染はそんな意図を汲み取れずかくかくしかじか喋ったのだった。
「あなた、こんなもやしの幼馴染なの?イヤなことばかりでしょ?大変ね」
「そうでもないけど、桐崎さんも大変だね。恋人のフリなんて」
「そうなのよ!はぁ〜っホント最悪!仕方なくなんだけどさ」
「私も出来る限りフォローするよ」
ここまでずっと何かを気にして小声で話す二人に倣い小声で応じていると目の前の美少女が唇をふにゃりとさせていて思わず首を傾げる。まずったかなと不安に思った時「嬉しい!ありがとう!!」普段の声量よりひとつ大きめの感謝が返ってきた。
協力者を得た喜びからか名前で呼んで、じゃあ私も、といつも怒ってばかりの転校生と離れないと誓った幼馴染が仲良くなった場面を後ろ頭に手を組んで(楽しそーだな)と微笑ましい思いで眺めていた。