違ってたり似てたり


俺には友達が居る。
名前は名前。そこら辺の小学生と見た目はあまり変わらない。

彼女の兄とはあまり似てない…けど、よく食べている。
よくというのは量の話じゃない。
食べる量ではなく回数が多い。

もぐもぐ。
今日は通常より小さいあんぱんを小さい一口で、十分休みに食べている。

「うまい?」
「うまし!」
「一口もらってもいいか?」
「いいよ。」

彼女は口元のぱんくずを指で拭く。
彼女の手から俺の手に渡ったあんぱんは余計に小さく見えた。

一口食べると、あんことパンがよくマッチした味がする。
あんぱんはいつ食べても、懐かしい味だ。

「美味しい?」
「うん、うまい。」
「へへ、これ手作りなんですぞ!」
「え、まじ?名前料理できるんだ?」
「たいがと作った!」
「あー…。」

俺の答え方に彼女はむっとした顔をする。

「たいがは生地伸ばしたりしただけで、基本私が作ったんだから!」
「あ、そうなんだ。」

そう言う彼女に、確かにパンの生地を混ぜたりするのに彼女の手は小さいだろう。と納得した。
料理できない訳じゃないんだぞ!という視線を感じで、ははと笑う。

「いっぱい作っちゃったんだよ。」

彼女はトートバックから袋を取り出した。
その袋はパン屋で見かける紙袋に似ていた。

「へへ、あげる。」
「え、いいの?」
「うん。それは降旗くんの分。部活のみんなの分はたいがに渡してあるし。」
「それだったら、俺の分もまとめてくれてよかったのに。」

彼女はその言葉に米神辺りを指でかいて、目を逸らす。

「だって…降旗くんは友達だもん。自分で渡したかったの。」

照れているのが頬が少し赤い。

「…友達。」

小さく復唱する。
すると、彼女はガタンと音を立てて立ち上がった。

「綾に渡してくる!」

俺はそんな彼女に頬を緩めて、口を開く。

「名前ありがとう!」

振り返った彼女の目はぱちぱち…としてから、どんどん細くなっていく。

「どういたしまして。」

彼女はふんわりと嬉しそうにほほ笑んだ。



「火神このパンいるか?」
「おお上手そう。サンキューな!」
「どういたしまして。」

俺からもらったパンを笑って頬張る火神の顔を見る。
ちなみに、このパンは近所で買った。
おすすめはコロッケパン。名前にも同じものをお礼に渡してある。

「?」
「何でもない。」

火神はニカっと笑う。
名前はふんわり笑う。

でも、嬉しさいっぱいのところはそっくりだ。

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