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「出られたあ〜!!!」

蛇からやっとの思いで抜け出して、明るく広がる大地と空に腕を伸ばす。遺跡の事を故郷と言ったアイサと話しながら辺りを見回すと、大きな穴が見えて慌てて飛び降り駆け寄った。
黒焦げになった仲間が転がるように倒れていて、他の奴も同じように黒焦げで。ゾロがいて、何でこんなことになってんだ?‥ナミはどこだ。辺りに目をやると、アイサが穴の中にいるバズーカの奴の姿を見つけて泣き叫んだ。
アイサを穴から拾い上げると、少しだけ身体を動かしたロビン。その身へ駆け寄ると、ナミは連れていかれたと言い、この空の島の行く末を聞かされる。そしてもう一つ、付け足すように口を開くロビンが、身体を曲げて咳き込んだ。

「大丈夫か?!無理するなよロビン!」
「私は大丈夫よ。‥それより、辺りにあの子がいるはず‥」
「あの子って‥ナマエか?!」
「彼女のおかげでなんとか話せてる‥」

咳き込みながら話を続けるロビンの話では、勝ったのは自分だとナマエがエネルに言ったらしい。そして、エネルは多少の手加減をしたと告げたそうだ。
あいつが何に勝ったのかはわからないが、騎士のおっさんがやられてる姿を、おれの仲間がやられている姿を見て、何もせずにいられる奴じゃない。

「体温がどうとか‥私も意識が朦朧としてたから‥ごめんなさい」
「ロビンが謝る事じゃねえよ!」

言い終わりに、一気に咳き込んだロビンを横に寝かせて、ありがとうと声をかける。確か、体温が上がりすぎると能力の制御ができなくなるんだ。話は聞いたことあるけど、実際に見たことはない。体温が上がる時はどうしてたんだっけ。じーちゃんに聞いたはずなのに、焦りだけが生まれてくる。御守りだと言ってたあの石は持ってきてるのか?辺りを見渡しても、ナマエの姿はない。ここは下の海とは少し違うと言っていたから、一人で苦しんでるに決まってる。

「ルフィ、ナマエってあの青海の子‥?」
「お前、ナマエを知ってるのか?!」
「うん。あたい達の村にも来てた」
「それなら、あいつがどこにいるかわからないか?!」
「ナマエの声は、しないよ‥」

アイサは、ナマエの声は今日一度も聞こえていないと言った。今どこで何をしているかはわからないと、そう言った。どこ行っちまったんだよ‥!ナミも心配だ、どうすりゃいい?迷ってる暇はないって言うのに。

「だけど、声が消えることもなかったよ」

アイサの言葉に、頭の中で一つの声が浮かんだ。

大事な仲間を守るのが、船長さんだよ

ナマエが、笑顔と一緒にくれた言葉だ。きっとここであいつの方に行けば、怒って追い返されるだろう。絶交だとか言いそうだ。考える間もなく変化する状況に、一度頭を空にする。
ナマエは強えから、そんなに簡単にどうにかなったりしねえ。おれは、まず仲間を助けるんだ。

「大丈夫だよ。あたいわかる。この島で声が二つ動いてる。きっとナミとエネルだ」

絶対ぶっ飛ばしてやるからな、ふざけんな。アイサの言葉に、そこへ連れて行けと返した。