いってらっしゃい!

その日の晩御飯は、とっても美味しかった…

『ふわぁ…』

「みのり姉は何処で寝るんですか?」

『布団買ってきたし、リビングの床でしょ?』

「まさか。俺の部屋だ」

『「「…は?/え?」」』

「なんて顔してんだよ、当然だろ?」

『いやいや、当然もなにも、年頃の男女が同じ部屋で寝るって…』

「…悪い、部屋は余ってないし、リビングで寝かせるほど俺は冷たくねえ。だから、我慢してくんねぇか?」

『…そんな悲しい顔しないでよ…』

「頼む、な?なにもしねぇって約束するから!」

買ってきたし…なんで一郎くんに頼まれてるんだろう。

『ごめん、一郎くんに頼まれるわけにはいかないよ』

「え、じゃあどうすんだよ」

『私からお願いします』

「…!じゃあ…」

『うん、お願いします』

「おう!」

そしてその日の夜は、一郎くんの部屋で、いちくんがベッド、その下に私が布団を敷いて…と、思ったのですが…


『ねぇなんで!?なんで一郎くんが布団にいるの!?』

「女を床に寝かせられるか」

『布団に敷いてあるよ!?』

「それでもだ」

といって、かたくなに私を布団に寝かせてくれなかった。

仕方がないので、私は一郎くんのベッドで寝ました。

…これが一郎くんの匂いか…と思ったのは私だけの秘密です。








ー…翌日

『…ん、よし』

朝5時起きで、昨日一郎くんに許可を得ておいたので、朝御飯を作り始める


スクランブルエッグと、トーストと、お味噌汁と、ウインナーと…こんなところかな。

お味噌汁ができたところで、一郎くんが起きてきた。

「ふわ…おはよ、姉ちゃん」

『おはよう、一郎くん、朝御飯できてるよ』

「おう、ありがとな」

それに続いて、二郎くんと三郎くんも起きてくる。

「おはよう姉ちゃん…」

「おはようございますみのり姉…」

『おはよう、朝御飯できてるよ』

四人分の朝御飯を並べていると、3人が揃った

「…はは、こんな朝久しぶりだな」

「…そうだね、兄ちゃん」

「そうですね、一兄…」

なんだかしんみりしているので、私は黙っていた。

「…助かったよ姉ちゃん、お陰で久しぶりにこんなに寝坊ができた」

『ふふ、それは良かった。これからはご飯は私が作るからね』

と笑うと、三人は嬉しそうに笑ってくれた。

「さ、食べようぜ」

「「「頂きます」」」

「…うん、旨いな」

「旨いよ姉ちゃん!」

「美味しいですみのり姉!」

『ふふ、よかった』

三人の言葉を聞いてか、私も食べ始める。

『あ、お弁当も作ってあるからね!』

「やったあ!」

「ありがとうございます!」

『ふふ』

無邪気な姿に頬が緩む

「ごちそうさまでした!俺今日テストなんだ、行ってきます!」

「僕もごちそうさまでした、行ってきます!」

『ふふ、いってらっしゃい、気を付けてね!』

「「はーい!」」

二人の姿を見送った

「…さて、俺も依頼に出かけるかな」

『あ、そうなの?』

「あぁ。今日姉ちゃんの合鍵作ってくっから、待ってろよな」

『うん、わかった』




いってらっしゃい!

(気を付けるんだよ!)