嵐襲来

「それじゃあ、俺午後の仕事行ってくるわ」

『うん、いってらっしゃい!』

私は一郎くんを玄関で見送った。

『…さて。どうしようかな。…そうだ!』

パタパタと部屋にかけていき、自分のバックから寂雷先生の名刺を取り出した。

『…メールは送れるのかな…』

一応、メールが送れるのかどうか、確認だけしてから、寂雷先生へメールを作成した。

〈先日はありがとうございました、江藤みのりです。よかったら、先生のお休みの日に色々とお話を聞きたいです。よろしくお願いします〉

『…よしっと』

仕事を探すにしても、この街のことを知るにしても、一番最年長の寂雷先生に訊ねるのが一番だと思っての行動だった。

ピリリ…

『あ、電話?はい、もしもし…』

〈もしもし、神宮寺寂雷です〉

『あ、寂雷先生ですか!?』

〈ふふ、驚いてますね〉

電話越しに寂雷先生が笑うのがわかる。

〈丁度休憩時間だったので、連絡させていただきました。メール件、承りますよ〉

『わぁ!ありがとうございます!』

安堵に頬が緩む。

『よかった…お仕事のこととか、この街のこととか、寂雷先生にお聞きしたくて』

〈ふふ、可愛いことを言ってくれますね。…おっと、そろそろ仕事に戻らなくては。詳しい話メールでお伝えしますね〉

『はい、わかりました!』

〈それでは〉

『はい、失礼します』

通話を切った。

『…さて。このあとはこの辺の散策でもしようかなぁ…』

私はカバンと鍵を持ち、山田家を出た。










ー…

『…へぇ、ここには薬局があるんだ』


道を間違えないように、記憶しながら歩いていく。


すると…




「オネーサンっ!」

私は背筋が凍りついた。

後ろを振り返ると、そこには…



『…』



…飴村乱数と碧棺左馬刻…


なんと言うコンビだ…


私はくらくらすらる頭をおさえつつ、答えた


『…なにか、ご用でしょうか?』

「えーっ?一郎の家に居たことを説明してもらおうと思って!ねぇ?左馬刻!」

「…」

左馬刻様は黙ったまま此方を睨んでいる

『…』

緊張からか自然と呼吸が浅くなってしまう。

すると、左馬刻様がずかずかと近付いてきた

『…!?』

「落ち着け。ゆっくり深呼吸しろ」

『…っ、』

左馬刻様に腕を捕まれてゆっくり背中を擦られる

言われるままにゆっくりと呼吸を繰り返した


『…はぁ、ありがとう、ございます…落ち着きました…』

「ん、ならいい」

左馬刻様優しい… 

「えーっ、何々!?オネーサンってば左馬刻とも良い感じなの!?」 

『ち、違います…!』

両手を振ってあわてて答える

「えー?なーんだ、つまんないのー」

つんと口を尖らせる乱数ちゃん

「こら、こいつ困らせんな」

と左馬刻様が軽く注意する 

「えーっ!もしかして左馬刻の方が脈アリな感じ!?」

「んな訳あるか」

『…で、ですよね』

さ、流石に即答されると堪える…

「…ちっ」

「まーまー!オネーサン怖がらせてごめーんねっ?これ僕の名刺!よかったら遊びに来てね〜!」

「オイ乱数、それ貸せ」

「はいは〜い」

『…?』

私に渡すはずの名刺を左馬刻様に渡す乱数ちゃん。

左馬刻様はその名刺になにか書き始めた。

「…おら、これが俺様の連絡先だ。連絡寄越さねーと…わかるよなぁ?」

ニヒルな笑みに私の笑顔がひきつった 
 


嵐襲来

(まさかの左馬刻様襲来…!)