神様のいたずら

「「「ごちそうさまでした」」」


『はい、お粗末様でした!』


食器を片付けようとすると、二郎くんが手伝ってくれる


「あ、姉ちゃん!手伝うよ!」


『あ、ありがとう、二郎くん』


二郎くんと二人で食器をシンクに下げた


『今日は?学校は?』


「ん?今日は土曜日だよ」


『え?うそ!』


こっちに来てから曜日感覚がなかった…


「はは、そんなに驚くことか?」


一郎くんが笑う


「ねえねえ、姉ちゃんは今日はどうするの?」


『私?私は今日は…』


食器を水につけてから、スマホでスケジュールを確認すると、今日は葉桜先生とお約束した日だった


『あ、今日は葉桜先生も約束が…』


「「「は?葉桜先生?」」」


『え?う、うん…』


三人が声を揃えて怪訝な顔をするので思わず怯む


「その葉桜先生って誰だよ」


『あ!説明してなかったね、私のアルバイト先のクリニックの先生なの』


「…男?」


『うん、男の人』


三人はまたこそこそと会話をすると、うん、とうなずきあった


「姉ちゃん、それ、俺たちが着いてってもいいか?」


『え?別に構わないけど…』


「よし!なら決まりな!二郎、三郎、出かける準備するぞ!」


「「うん!」」


『……?』


私の頭の中のはてなマークをそのままに、会話は進行するのであった










シンジュク・ディビジョンのクリニックにて


「…以上です」


『なるほど、詳しくご説明ありがとうございます』


私の後ろで先生を笑顔で睨んでいる三兄弟


葉桜先生はそれを苦笑しながら流しているが



「…にしても、江藤さんは愛されてますね」


『え?』


「姉ちゃんなんだから当然だろ」


「こら二郎、やめとけ」


ちなみにこれは笑顔でにらみながら言っている台詞である


「…はは。それでは、寂雷先生によろしくお伝えください」


『はい。明日からよろしくお願いします』


「ええ。それでは」


私たちは診察室を出た


『…もう、三人ともなんで先生を睨んでたの?』


「そりゃ、ちゃんと牽制しとかないとな」


「どこからなにされるかわかりませんからね」


「そうだな」


『…?』


内容が飲み込めない私をおいて、3人はうんうんうなずいていた


その帰り道


…何もなければ良かったのだけど…






「…おや」


「あれれー?」


「んあ?」


「げっ」






…神様。

あなたは私をどうしたいのでしょうか…




神様のいたずら

(みんなに遭遇したのです…)