性癖マッチングアプリで相性バッチリの人に会ったら後輩尾形くんでした
「なかったことにしてください」
隣に座る男の人に深々と頭を下げた。予約してもらったお洒落なレストランの個室は、マッチングアプリで知り合った人との初デートに理想的なお店だった。いざ会ってみたら相手が会社の後輩だったというのも、恥ずかしいけれどかえって運命を感じるシチュエーションかもしれない。でも、それが性癖<}ッチングアプリで知り合った人との初回デートとなれば話は別だ。
「しませんけど」
今すぐ消えていなくなりたい私とは裏腹に、ヒャクさん、もとい尾形くんは全く動じなかった。身バレが怖くて顔写真は載せなかったけれど、尾形くんはプロフィールだけで私だと気づいていたのだろう。待ち合わせ場所で一直線に近づいてくる尾形くんは、見たことのない満面の笑みを浮かべていたから。それはつまり「××されたい」「×××したい」という性的嗜好を開示したプロフィールを尾形くんに見られたということだ。絶望する私の前へ立ち、「〇〇さんですよね?」と、私のアプリでのニックネームを呼ぶ彼の目は全く笑っていなかった。
「そんながっかりされると傷つきますよ。メッセージではあんなに乗り気だったくせに」
「別に乗り気とかじゃ」
「いいじゃないですか、そういう目的で登録したんですから。初めて会う相手に期待してたんでしょ?」
言い返せなくて悔しいのにゾクゾクしてしまう。どうしよう、もう言葉責めが始まってる。言葉責めをされたい私は、言葉責めしたいヒャクさんとマッチングした時点でそういうプレイを期待していたけれど。今の私は後輩に意地悪なことを言われて悦んでいる。
「こうやって会うの、俺が何人目ですか?」
「初めてだよ」
「本当ですかね。彼氏と別れたって言っててこんなのやってるから、自暴自棄になってるのかと思って」
「違うから!」
きっかけに触れられた私は、さすがにあらぬ誤解を避けたくて話し始めた。元カレ、そしてその前の彼氏とも、別れた理由は夜の相性が合わずに気まずくなったり浮気されたことだと。さすがに二回連続で同じ理由の破局は私自身に原因があると思って落ち込んだ。「じゃあ次はそこが合う人から選べばいいんだよ」と言った友達が教えてくれたのが、この性癖マッチングアプリだった。正直、今でも性的関係ありきの出会いには抵抗がある。でも、相手の性について付き合う前に知れることは、同じ轍を踏みたくない私のニーズに合っていた。自分の性癖を診断して、その結果と相性のいい人を見つけることが少し楽しくなってきた矢先、相性99%でマッチングしたのがヒャクさんという新規ユーザーだったのだ。職場の昼休み中にメッセージの通知を開いた時、尾形くんが近くにいたこともあったと思う。迂闊だった。
「そういうわけで、私は真剣に出会いを探してるから」
「じゃあなおさら俺しかいないでしょ」
これでお引き取り願おうと思った私は、尾形くんの至極当然といった物言いに閉口した。彼を異性として意識していないと言ったら嘘になる。でも、そういうセンシティブな部分を見せ合ってから付き合う相手として、毎日会社で顔を合わせる人を選ぶことはさすがに避けたい。
「──さんはセックスの相性が合う男ならいいんですよね?」
「言い方!」
「調べたら相性99%って奇跡的な確率らしいです。だからあんたには俺以上に相応しい男はいないんですよ」
尾形くんって時折、0か100でしか物事を見れないような理詰めをする。「性的嗜好が合う人から見つけたい」というのは、そこだけ良ければいいということではないのだけれど。
「尾形くんは、私と付き合いたいの?」
「散々分かりやすく示してきたでしょ」
心当たりはある。職場での尾形くんは女の子を興味なさそうにあしらうのに、この頼りない先輩のことはいつも気にかけてくれるのだ。
個室の向こうから他のお客さんの笑い声が聞こえてくる。まだ注文していなかった私たちは、一旦話を切ってメニュー表を広げた。私なら、好きな人が性癖マッチングアプリをやっていたらショックを受けるか幻滅すると思う。他人のふりをしてメッセージをしてきた尾形くんを陰湿だと思ってしまったけれど、そこまでして私を追いかけてくる人なら、付き合ったら大事にしてくれるのかな。でも、いざセックスしてみてアプリの相性が全然あてにならなかった時、尾形くんが冷めていくのが怖いと思ってしまう。男の人って結局そこが合わないと不満が募っていくことをよく知ってしまったから。
「そこは確かめるしかないですね」
私の心中を読んでいるかのような尾形くんの声でメニュー表から顔を上げた。尾形くんが私の頬に触れ、身を乗り出す。確かめるってそういうこと? 動揺しながらも拒まなかったのは、その熱い視線に射止められたから。
扉が開いたらどうしよう。そう頭に過ぎりながらも唇が重なる。最初は感触を確かめるだけのようなキスが、舌を吸われて深いキスに変わっていく。今まで経験したことのない痺れるような快感に支配されていき、それがキスの相性がいいということだと気づいた時には壁に押し付けられる体勢になっていた。扉越しの歩く音さえ、尾形くんが愉しんでいるのが分かる。尾形くんの背中に腕を回す私もまた、この緊張感が刺激になっている。思考が蕩けてもっと身を委ねたくなった時。尾形くんは唇を離したと思ったら、何事もなかったかのように「飲みます?」と言って、アルコールのメニューを私に向けた。突然おあずけされて熱を持て余した私に、尾形くんが意地悪く微笑んでいる。悔しいのにもどかしくて仕方ない私には、先へ進むことへの不安なんてもうなかった。
*
お店を出てからも、尾形くんは「この後どうします?」と聞いて、私からホテルへ行きたいと口にさせた。早くあのキスの続きをすることで頭がいっぱいの私に、それほど抵抗はなかった。でも、歩き出してすぐ手を繋がれると、ホテルへ行く道とは思えないくらい純粋にときめいてしまって、指を絡めたその心地よさに、手の相性もいいのかなと思った。どうやって私たちが引き合ったかなんて忘れてしまうほど、ロマンティックな雰囲気だった。だから、優しく触れ合う甘いセックスを想像したのに。
「何でこうなるの!?」
部屋に入ってベッドに押し倒されたかと思えば、サイドテーブルを引いた尾形くんに黒いアイマスクをつけられ、視界を遮断された。しかも頭の上で縛るようにテープを巻き付けられ、さらにスカートの中の両脚まで開かれた状態でテープを巻き付けられてしまい、身動きが取れなくなった私は焦って尾形くんに抗議している。
「──さんがされたい≠でしょ? 目隠し≠ニ拘束=v
私を見下ろしているのだろう尾形くんの言葉で、登録時の診断を思い返す。そう、経験はないけれど興味があったからそう答えた。でも、まずはどちらか片方ずつ試すことを想像してたのに。
「元カレにはこういうの頼まなかったんですか?」
「頼んでな……っあ♡」
首筋に舌が這う感触がしてビクンと跳ねた。尾形くんがその反応をもっと求めているように、耳たぶや鎖骨にキスされていく。
「じゃあどんなプレイしてたんですか? 合わなかったから別れたんでしょ?」
「言わない、っ♡」
「教えてくれないと参考にできませんよ」
尾形くんがどこに触れようとしているのかが見えないから、触れられた瞬間、へんに刺激を拾ってしまう。「んっ♡」って小さく喘いでいると、尾形くんの息が耳に触れて、その熱に、尾形くんもこのプレイに興奮していることが伝わってきた。
「ほら、言わないとずっとこのままですよ」
「……コスプレとか」
「へえ、どんなの着たんですか?」
「………………セーラー服」
「それロリコンじゃないですか」
そう、私もコスプレエッチそのものよりもそこがモヤって元カレと同じテンションになれなかった。だからアプリではコスプレが好きな人とはマッチングしないよう、診断に答えたのだ。
「安心して下さい。俺は何着てるかには興味ないんで」
尾形くんに服をたくし上げられて、露わになった肌に口付けられる。背中に手が回って下着のホックを外されると、手のひらが膨らみを覆った。その感触を確かめながら肌の上を滑る手はなかなか敏感なところには触れず、じれったさが募っていく。それを分かっているようにいきなり指で弾かれた。不規則な指の動きが乳首をいじめてくる。その刺激に身を捩っても何の意味もなさなくて、ただ声を漏らし続けている。
「胸、すごい柔らかいのにここだけ硬いですよ?」
「あ、あっ♡、ん♡ねえ、やっぱりこれとって、あ♡」
「駄目ですよ、自分からお願いしたんですから。目隠し拘束プレイで乳首イキさせてください尾形くんって」
「い♡、言ってな♡、あぅ♡」
「診断で答えたんだから同じですよ。そんなに元カレとのセックスが物足りなかったんですか?」
「そうじゃ♡なくてっ、んん♡」
「やっぱムカつくんで言わないで下さい」
「自分で聞い、んやぁ♡♡」
尾形くんに言い返すより先に、ずっと指で弾かれていた乳首がふいに強く吸いつかれた刺激で思い切り背中が反った。快感が走って、頭の上で縛られた腕がピンと張る。視界が遮られていることでより敏感になっている私に容赦なく、熱い舌が先端を転がす。
「あ♡、それしちゃ♡、ダメ♡♡、ん♡、やめっ♡♡、あっ♡、あ♡」
「ビンビンに勃たせて説得力ないですよ」
「あっ♡、だからなめないれ♡♡、やら♡♡、ちくびでこんなっ♡♡」
こんなに気持ちよくなったことないのに……♡♡ 両胸を寄せた尾形くんに交互に乳首を吸われてはしたなく喘いでいると、ふやけそうなほどいじめられたそこがきゅっと指で摘まれた。
「あ゙♡♡♡」
ビリビリとした快感に身体が思い切りしなる。イってる♡ 本当に乳首イキしちゃってる♡♡ でも、一度達しても尾形くんは満足せずに、私を何度もイカせるように口に含んだり乳首を摘むことを繰り返した。
「も♡♡、むりっ♡♡、むりだから♡♡」
「可愛い、今どんな顔してるのか見たくなりますね」
「じゃあこれ取ってよ♡、っん♡♡」
お願いを無視するように唇を塞がれる。舌で口の中を撫でられると、さっきのキスよりも粘膜の触れ合う音が響いて、頭の中が快感に絡め取られていった。唇が離れる。私をじっと見下ろしているのだろう尾形くんの視線を目隠し越しに感じる。左耳に吐息が拭きかかって小さく声を漏らすと、舌が耳の中に入り込んできた。待ってという間もなく中を前後する強烈な刺激に甲高い声をあげてしまう。
「あひっ♡♡、んん゙♡♡♡、あっ♡♡、それっ♡♡♡、ん♡♡、じゅぶじゅぶ、やらっ♡♡、」
「ほら暴れないで下さい。まあその格好じゃ無駄ですけど」
いやらしい音が耳の中で響いている。どうしよう、またイク♡、耳の中犯されてメスイキしちゃう♡♡♡
「あ、あ、イク♡♡、ああああ♡♡♡♡」
あっという間に絶頂の波に呑まれてしまった。こんなふうに繰り返し達したことないのに。次は何をされてしまうのだろうと期待混じりに構えていると、急に目隠しが外されて照明の眩しさに目を細めた。
「やっぱりイッてる顔見せてください」
ようやく見えた尾形くんの表情は、嗜虐的に笑っているかと思ったのに、部屋へ入った時よりもずっと余裕をなくしていた。私も早く尾形くんに触れたい。だからこのテープも取ってもらおうとしたのに、尾形くんは拘束は解かないまま再びサイドテーブルを開けた。出てきたのは大きなバイブで、危機を感じて足を閉じようとするも、曲がったまま固定された両脚は尾形くんによって恥ずかしいほど広げられてしまう。
「この格好だと下着は脱がせられないですね」
「だからこれ解いて、ひ、ああ♡♡」
スイッチが入ったバイブを下着の上から押し当てられると、ひどいほど湿り気を含んだ布越しに振動が襲ってきた。身体をくねらせて逃れようとするとさらに振動を強められて、太ももを震わせながらイってしまう。
「も、ダメだから♡♡♡、とめてっ♡♡♡、おがたくん♡♡」
「そうですよね、直接当てないと嫌ですよね」
「そうじゃなっ♡♡、あ゙ひっ♡♡、いっ♡♡♡、んんん゙♡♡♡♡」
下着をずらされてそこにバイブを直接押し当てられる。達したばかりのそこが強烈な快感に耐えれるわけもなく、腰をガクガクと浮かせてまた絶頂してしまった。息を整える間もなく、身を屈めた尾形くんが愛液の溢れた蜜口を吸う。機械とは違う熱くザラザラした感触がそこを撫でて、限界に近い私をまた狂わせようとする。
「おがたくっ♡♡、もっイイから♡♡♡♡おかしくなるっ♡♡♡、おかしくなっちゃゔから♡♡♡」
「まだです。──さん、潮吹きしたいんでしょ」
「それはもう♡♡、いいから♡♡、じゅうぶん♡♡満足♡♡♡、満足したから♡♡♡」
「ダメです。あんたが求めてること全部やりますから。そしたら納得して俺を選ぶでしょ」
それでこだわってたの!?[#「!?」は縦中横] だから潮吹きできなかったら付き合わないとか、そういう極端な話じゃないんだけど。その執着に驚きながらも、丁寧に蜜口を愛でられて絶頂へと追い立てられていく。
「それ以上ダメっ♡、なんかくる♡♡、あっ♡♡、あ♡♡、あああっ♡♡♡」
限界が近づいてきたところで陰核をバイブで押し当てられる。今までで一番大きな波が来たと思ったら、愛撫されたところから思い切り飛沫が飛び散った。倦怠感に襲われながらも、これで尾形くんの目的が果たせたことでこのイキ地獄が終わることにほっとしている。
尾形くんは何をしたい≠チて書いていただろう。尾形くんのプロフィールを思い出そうとしたけれど、相性99%ということは私が選んだ項目とほとんど一致しているだろうことに気づいた。アブノーマルなプレイを好む一方で可愛いところがあるなと、自分を棚に上げて思う。
「尾形くん、ギュッてしたいから解いて」
何度お願いしても解いてくれなかった尾形くんは、尾形くんに抱きつきたいと言う私におもむろに照れて、拘束テープを剥がした。私の服を脱がせた後に自分の服を脱いで、互いの肌が触れ合う。私の手首を心配してさすっていた尾形くんは、私の体温を確かめるように優しく抱きしめてくれた。
口付けを繰り返した後、尾形くんの自身が私の蜜口に宛てがわれる。その硬い熱がゆっくりと私の中に入り込んできた。
「狭いですね」
悦んで締めつける中に尾形くんが眉を寄せる。私も圧迫感だけで今までにないほど気持ちよかった。でも、尾形くんが腰を動かし始めるとすぐに私の弱いところに当たって、尾形くんは私の反応でそれに気づいたのか、繰り返しそこに打ち付けてくる。
「あっ♡♡♡、いい♡♡♡、おくっ♡♡トントンされるのっ♡♡♡、きもちい♡♡♡、ん♡♡♡、ぁああ♡♡♡、やらやらっ♡♡♡♡、あっ♡♡」
「これからはずっと、俺がこうやって突いてあげますからね」
「うん♡♡、あ♡♡、しゅごい♡♡♡、あっ♡♡♡、あんん♡♡♡♡」
「だから今日アプリ退会してくださいよ」
「え、退会?♡♡」
「まさか彼氏できたのに続けるつもりじゃないですよね?」
「お゙っ♡♡、ひがう♡♡♡、やめますっ♡♡♡、やめりゅからっ♡♡♡ 」
「ったく、こっちはあんたが他の男と寝ないか、今日まで気が気じゃなかったんだからな」
尾形くんが一度私の中から自身を抜く。仰向けだった身体を反転されて、ベッドに突っ伏す体勢からまた挿入された。
「あ♡♡、これ♡♡、ん゙んっ♡♡♡」
「奥に当たるでしょ」
尾形くんが上から覆いかぶさって私の耳元で囁く。ぐりぐりと押し当てるように中を穿たれた私は、快感から逃げるように突っ伏した枕を掻いた。
ヤバい、身体の相性良すぎる♡ 中イキしたことないのに、ずっとイキそうになってる♡♡
ゆっくりと中を攻められながら耳を舐められると、ビクビクと痙攣しながら声を押し殺して甘イキした。それを分かっているはずなのに、尾形くんは動きを止めない。
「ん゙♡♡、ん〜♡♡♡、イッてるから♡♡♡、とめて♡♡、ゔぅ♡♡♡、あ♡♡、あっ♡♡、早くしないれっ♡♡、」
繋がっている部分から肌がぶつかる音がしてきた時には、尾形くんの限界も近いようだった。耳元に荒い息が触れて、奥を叩かれるたびに中が収縮する。
「っ、そんなに締めないで下さい」
「むり♡♡♡、きもちいのっ♡♡♡、にげられなくてむりぃ♡♡♡、あ、ダメ♡♡♡、イク♡♡♡、ああっ♡♡♡♡」
尾形くんの動きが思い切り突くものになっていくと、私は背中をしならせてあっけなく達した。すぐに尾形くんの苦しげな息が聞こえて、中に熱が何度も放たれる。振り向いたら、尾形くんは私がどうしたいか分かっているかのように頬に触れて唇を重ねた。
*
私がプロフィールに書いた「終わった後の触れ合いを大切にしたい」という言葉通り、尾形くんはベッドの中で素肌のままの私を抱きしめてくれた。でも、最中に言ったことは忘れていなかったようで、催促してくる尾形くんを不安にさせないようその場で二人ともアプリを退会した。退会理由のアンケートには【このアプリで恋人ができたから】を選択して。
「でも、このアプリ本当にすごいね。実はちょっと不安だったんだ。実際してみて相性99%が全然あてにならなかったらどうしようって」
「ああ、あれ嘘ですよ」
しれっと告げられたその言葉の意味が分からなくて、私は尾形くんの胸から顔を上げた。種明かしをする尾形くんは、自分の腕の中にいる私にもう安心しているようだった。
「登録してから——さんのことはすぐに見つけました。でも、どうやったら俺とだけ会ってもらえるか考えたら、あの相性が一番良くないとダメだと思ったので」
「そしたら尾形くんの診断って、私の診断結果に合わせてたものだったの!?」
「でも実際ヨかったでしょ」
騙すような使い方はどうなんだと思いながらも、実践で散々に思い知らされた後では文句を言う気にはなれなかった。そこまでして私のことを捕まえようとした尾形くんは、最初から分かっていたのだろう。好き≠ニいう感情に勝る相性なんてないと。こうして抱き合っているだけで幸せに満たされている私にとっても、もう性癖が合うか合わないかなんて些細なことだった。
「じゃあ、尾形くんは本当は何がしたい≠フ?」
「……休日にどこか行ったり、家で二人で飯作ったりですかね」
恋人として始まった私たちに、尾形くんが望んでいること。その柔らかく甘い日々を想像して「私も」と答えると、額に口付けが落とされた。