「さぁーて始まった準決勝第2試合!!爆豪VS夜魔だぁああ!!!」
プレゼントマイクの声によって始まった第2試合。
「美悪ちゃん大丈夫かな……。」
「どうだろう……。」
麗日さんと同じく僕も心配だ、先程控え室に向かっていく時は完全に白目を剥いていた。比喩ではなく。
確かにかっちゃん相手が嫌なのはわかるし、何よりかっちゃんとの相性は悪いと自分でも話していた。
「夜魔さん……。」
どちらが勝ってもおかしくない第2試合が始まる。
◇
「……おい、舐めプ野郎。」
「…………………………え?」
もしかして私の事?そんな自己紹介した事ないけど??
「お前の事だわ!!お前も半分野郎も2人とも舐めプ野郎だ!」
「えぇ……なんで?」
「…………ここまで実力全部出してこねぇで来やがって。舐めてんだよ!!」
「そ、それは……。」
ごもっとも、言い返せない。しかしながら来れてしまったものは仕方ないし、悪魔の姿を晒したくなかったのも事実だ。
「てめぇらみてぇなクソ野郎共は俺がぶっ殺す。」
「…………爆豪くん本当に口悪いよね。」
「あ?」
確かに舐めプなのは認める、認めた、けど散々吐き散らかされる暴言に段々とイライラしてくる。
「そんなんでヒーロー出来るの?ヴィラン倒すだけがヒーローじゃないよ?」
「あぁ!?舐めとんのか!!」
「舐めてないし。…………ちゃんとあなたの事倒すから。」
個性発現。
「あぁ…………全力で来いよ、全力のお前を俺が叩きのめしてやる!!」
「……望むところだよ…………!!」
「いやもう2人とも顔面とんでもないことになってんなぁー!?片や悪魔、片や悪魔のような人間!!なんだこれ、地獄絵図じゃねぇか!!」
「2人とも、準備は良いわね?……レディ……スタート!!」
◇
「「先手必勝!!」」
2人とも相手に向かって突っ込んでいく、この2人の場合どう頑張っても接近戦にもつれ込む。
かっちゃんが繰り出した爆破を悠々避けた夜魔さんはその鉤爪でかっちゃんの頭を掴み、
「っらぁぁあ!!!」
そのまま地面に叩きつける。
「……いっ…………てぇじゃねぇかぁ!!!」
するとそこから爆破によって勢いよく起き上がったかっちゃんが頭突きをして、
「っぐぅ!!」
夜魔さんがよろけた隙に目の前で爆破を浴びせた。
「っつ…………。」
苦虫を噛み潰したような表情の夜魔さん。あんなにも眩しい爆破を何度も浴びているからか、動きが段々と鈍っていく。
しかし負ける気はさらさら無いらしく、
翼を広げて空へ上がった夜魔さん。彼女を追ってかっちゃんも空へと向かうが、
「空では、私の方が有利!!」
両手を使って飛ぶかっちゃんの片手を奪い、バランスを奪う。そしてそのまま尻尾で鳩尾を殴り飛ばしてかっちゃんは落ちる。
そこへトドメと言わんばかりに上空から爆ぜる光を浴びせていく。
「凄い、美悪ちゃん……!!」
「不利な状況下なのに……。」
傷を負いながらもかっちゃんへ猛攻を続ける夜魔さんに驚いていると、
「っ!?」
夜魔さんが浴びせた光で起こった煙幕。その中からかっちゃんが飛び出してきて、夜魔さんの尻尾を掴み、
「っおらぁ!!」
地面に叩きつける。そして夜魔さんが動き出す前に覆いかぶさり、
「っなに、」
その首元を掴んでのしかかった。
◇
熱い。爆豪くんの手のひらから伝わる熱が素肌を通して伝わって熱い。
首を掴まれ、絶体絶命。何するつもりだ、と私に馬乗りとなった彼を見ていると、
「っ!!!」
煌々と輝く彼の手の上。その光を顔に近づけられて、上手く動けない。
「…………なぁ、」
顔を寄せてきた爆豪くん、彼は耳元で私の終わりを告げる。
「お前の弱点見破っちまったけど……こっからどうする?」
…………悔しい。悔しい悔しい悔しい!!!降参なんてしたくない、けどここから動き出せない。
ギリィ……と奥歯を噛み締めていると楽しそうに口角を上げた爆豪くん。
ムカつく……!!!!
酷く遺憾だが、どうしようもない。私は白旗上げて降参した。
やっと退いた重みにはぁ、とため息をつく。
「随分派手なナリしておいて、言うほどじゃねぇかテメェ。俺だったら恥ずかしくて降参なんか出来ねぇなぁ?」
そう言ってにやにやと私のことを笑いながら去っていった爆豪くん。
…………………………いつか泣かす。復讐を誓った日となった。