「それぞれ近距離遠距離バランス良くチーム分けしたけれど、それぞれの得手不得手も考慮して、人数にはハンデとして差をつけさせてもらったよ!悪いね!特に1番人数の少ない轟少年と緑谷少年のチームは頑張ってくれ!」
そうか、僕たちのチームが最も少ないのか……轟くんがいる時点でかなり有利なのに変わりないけれど、人数の差はクリアに大きく影響するな……。
「それに対して最も多い5人のチーム2組は攻撃の種類の豊富さや、索敵能力なども駆使してこの……。」
モニターに映されたヴィラン役の2人。既に準備万端で僕達が目指すべき人質が捕まっている建物の前で待ち構えている。
「この、凶悪なヴィラン達から私(人形)を救い出してくれ!!」
凶悪なって言っちゃってるよオールマイト!!?
実際かっちゃんの怒り狂った顔や、夜魔さんが悪魔の風貌で楽しそうに笑った顔などを思い出すと、ぶるりと背筋が凍える。
「大丈夫か、緑谷。」
「あ、うん……轟くんはいつも通りだね。」
「いつも通りって?」
「僕はちょっと緊張してるよ、相手はあの二人だし……簡単に通してくれるとも思えない。」
「それは……そうだな。爆豪は機動力の塊だ、一瞬で目の前に現れる。夜魔も同じで期末テストの時みてぇに急に現れると同時に、」
「……行動を制御される。あれを、誘惑を使われたらかなりまずい。」
「だな。まずは夜魔の動きを止めてから爆豪。の順で制圧するぞ。」
「わかった!」
「それでは第1組から始めるぞ!位置についてくれ!」
◇
モニターを眺めながら第1組の訓練が始まるのを待つ。
すると映っているモニターから、かっちゃんと夜魔さんの会話が聞こえてくる。
『おい、舐めプ野郎。』
『……………いつも思ってたけどそれ、轟くんか私かわからないから辞めてくれないかな?』
『あぁ!?どっちも舐めプだからそう呼んでんだろうが!!』
『いや、もう舐めてないでしょ!?ちゃんと全身悪魔やってるでしょ!?』
『うっせぇ!!』
『…………じゃあ私は爆豪くんの事異常者だと思ってるから、異常者って呼ぶね。』
『あぁああ!!?ふざけんな!!』
『ふざけてないよ。』
「………………安定の強気やね、美悪ちゃん。」
「…………そうだね。」
死んだ目をしながら僕と麗日さんは彼らを見つめる。かっちゃん相手にあそこまで言い返すなんて、中々夜魔さんも普通じゃない。
「そろそろ始めるぞ!準備は良いかい?ヴィラン役のおふたりさん!」
『…………チッ……おい、夜魔。』
『…………名前知ってたんだ。』
『ったりめぇだろうが!!馬鹿にしてんのかテメェ!!』
『し、してないしてない。本気でびっくりしただけ、』
『そーれーを馬鹿にしてるっつってんだろうがぁ!!』
『ご、ごめんって!?……で、何?どうしたの?』
『……俺達はヴィラン役だ。』
『そうだね、大変不毛だけども。』
『やるからには本気でやるぞ。誰一人この中には通さねぇ。』
『……同感。』
『良いぜ、オールマイト。いつでもかかってこいモブ共。』
不敵に笑ったヴィラン役。
『すぐに医務室送りにしてやる。』
『……今の私たちは、』
『『ヴィランだからな!!』』
本物のヴィランよりも怖いかもしれない。迫力満点な彼らに僕らは勿論、オールマイトでさえ顔を引き攣らせた。