「っぶねぇ!!」
「っ!!」
氷壁を避けつつ近寄り、接近戦に持ち込む。
しかしあまりに近づくと炎で遠ざけられるため、適度に距離を保っての戦いだ。
だからと言って攻撃出来ていない訳でもなく、彼の顔などに私の鉤爪によって作られた傷がいくつも浮かんでいる。
「腕だけ見てたら、足掬われるよ!!」
「!!」
鉤爪に集中していた轟くんの足元を尻尾で掬いあげ、バランスを崩したところを覆い被さる。
「っやべぇ……!」
「もう遅いよ。」
出し惜しみしている余裕なんて全く無い。そのまま彼に向かって怪しく目を光らせ……
「轟くん!!!」
「っえ、」
緑の閃光が見えた瞬間、吹っ飛んだ体。
「いったたた…………爆豪くん!?ちゃんと緑谷くんの相手しといてよ!?」
「うっせぇな!!……って前見ろ夜魔!!」
「っ。」
「夜魔さん、ごめん!!」
言われて向くとこちらに殴りかかってきている緑谷くん。しかし、
その腕を掴み返してパワー勝負。
「っ力……強…………!!」
「嘘だろ……夜魔さんこの力に対抗出来るの……!?」
「対抗?……そんな訳、ないでしょ!!」
掴んだ腕をそのまま振り回して、轟くんに向かって投げつける。
「……圧倒するの、均衡なんかじゃ満足出来ないから。」
「…………手強い……。」
「あぁ、わかってたけど…………手強いな。」
「てめぇ、あっさり攻撃食らいそうになってんじゃねぇよノロマ!!」
「何!?あっさり緑谷くん逃がしてる異常者には言われたくないね!!」
「んだとコラぁああ!!?」
「…………でも大丈夫だ緑谷。連携はとってくるが、破滅的にコミュニケーションはとれてねぇ。」
「そうだね、ちゃんと作戦を練っていけばきっと……!!」
聞こえてたのは、同じなようで。
「んなの……。」
「させるわけ、ないでしょう!!?」
2人同時に殴りかかり、現れた氷壁さえぶち壊す。
そして爆豪くんの手が緑谷くんの前で爆ぜるのと、私の鉤爪が轟くんに届いた瞬間。
『タイムアァァァップ!!!クリア失敗だ!!』
「「………………。」」
「…………駄目だったかぁ…………!!」
「悪ぃ、俺があっさり夜魔に捕まったりなんかしたから、」
「い、いやいや!!僕の方こそ初手からかっちゃんに対応されちゃって……。」
なんともやるせない気持ちで、お互い敵にかけようとしていた手を降ろす。
そして聞こえたオールマイトの声に縮こまった。
『ヴィラン役の2人!?防衛戦って言葉知ってるかい!!?』
「「………………。」」
『ちょっと!?聞いてる!!?』
何も言い返せず、私たちは次の準備のために所定の位置へ戻った。