爆豪くんと共にクラスメイト達から凶悪犯だの、ヴィラン役の適任者だのからかわれたあの訓練から数日後。
「え、夏季休暇中の遠出禁止?」
「えぇ、そう言われましたわ……。」
「えー!!つまんない!!」
教室にて女子のみで集まり話していると挙がった話題。そうなんだ……。
「しょうがないって、ウチら1回ヴィランに襲われてるしさ。」
「それでも!つまんなーい!!!」
「そうですわね……私も両親とヴェネツィアへ旅行しようと話していたのですが……。」
ヴぇ、ヴェネ……?
「あ、じゃあさ!学校のプールで遊ばない?」
「学校のプール?」
「確かに!それなら遠出でも無いし、許可さえ降りれば良さそう!」
「そういう事でしたら私、先生に許可を取ってきますわ!!」
「ありがとう!」
こういう時ぱっ!と動けるのって地味に凄いよなぁ。と考えつつ職員室へ向かった八百万さんを見送る。
「皆でプール遊びなんて、楽しみだね美悪ちゃん!」
「ね!楽しみだなぁ。」
◇
「あれ?男子もプール使うんだね?」
「ん?」
ボール遊びをしているとお茶子ちゃんが不思議そうな顔をしてそんなことを言った。え?男子?
視線の方向を見ると、ぞろぞろと集まってきている男子達。本当だ……飯田くんの口振りからして、トレーニングを目的として来たらしい。い、意識高い……ま、負けてられん……!!
「私も今度プールでトレーニングしよ……。」
「え!?なんで!?」
「ま、負けてられん……体力の差とかつけられたくない……!!」
「本当に負けず嫌いね、美悪ちゃんは。」
「よく言われる!!でも今は沢山遊ぶ!!」
「そうだね!!遊ぼー!!」
皆でさんさんと日光が降り注ぐ中遊び、遊び。遊びに遊び。
「……だ、大丈夫!?美悪ちゃん……!!」
「夏バテかしら……?」
「いや……違う…………。」
「……あぁ!!あれか!!光に弱いってやつ!!」
「光に弱い?」
「なんか個性の特性上光が苦手なんだって……日光もそれに入るって言ってたもんね!?」
「そうなの…………ごめん、私休んでるから遊んできて良いよ……?」
「えぇ!?」
「でも美悪ちゃん1人にするのは……。」
「大丈夫大丈夫、休むぐらい1人で出来るよ!……また元気になったらすぐ戻るから、行ってきて?」
「……わかった、安静にしてるんだよ?」
「了解!」
へらりと笑ってお茶子ちゃんと梅雨ちゃんを送り出す。大丈夫、日除けの屋根の下にいればすぐに体力だって回復するだろう。
それにしても……自分でも日光が苦手なのはわかっていたが、夏の日差しがここまでキツいとは。私のように苦手じゃなくても、皆暑くないのかな。
ぼーっとみんなの方を眺めていると、男子達がレースを始めるらしく女子達も集まっていた。
…………って全然泳いでないじゃん!!
何が水泳のレースだ。ほとんど泳いでる人いなくて笑ってしまう。
轟くんだって氷漬けにしてしまって、水に濡れてすらいない。おかしいでしょ何これ……お腹痛い。
1人でひぃひぃ笑っていると、泳ぎ切った……ならぬ滑り切った轟くんがその足でこちらにやって来る。
「何してんだ?1人で。」
「休憩中!日光強すぎて悪魔にゃキツかった。」
「……光に弱いのか。」
「そうなんだよ。それにしても何あのレース!?ほとんど泳いでないじゃん!!」
「個性使って良いって言われたからな。」
「じゃあもうプールである必要性皆無!!」
あはははは!!とお腹を抱えて笑うと、轟くんも釣られたように少しだけ笑った。
しかし聞こえた声に私は笑顔を固める。
「おい、またあいつらイチャついてんぞ……?」
「やっぱりデキてんじゃねぇのか?」
「これはもう1回尋問する必要がありそうやね!?」
「尋問って、言い方が物騒よお茶子ちゃん。」
「………………轟くん、ごめん。」
「は?」
私と会話したばっかりにまた要らぬ誤解を生んでしまった……。
「ちゃんと、解いておくから……!」
「何の話だ?」