必殺!

「必殺技かぁ……。」


自分の出来ることを考えながら、エクトプラズム先生に攻撃する。


「どのような必殺技を編みたい?」


「……殴る蹴るとかは、パワーもあるし間合いに入ってしまえば勝ち筋が見えるんですけど、遠距離攻撃の相手に効く攻撃があまり無くて…………それを編み出したいです。」


「遠距離攻撃か……君の個性で扱える、爆破攻撃はどうだろう?瞳でコントロールが出来るのだろう?」


「出来るんですけど……威力が弱いので……。」


「ではそれを伸ばしてみよう、手や足は使わずに瞳でのコントロール、そして威力の強化。」


「…………はい!!」





「圧縮訓練、ってだけあって疲れたなぁ……。」


「本当にね、毎日ヘロヘロだよ……。」


透ちゃんに頷き、ソファーでぐだる。


「皆必殺技の方はどう?」


「うーん……まだまだ個性伸ばしが足りないかなぁ。」


「私もぉ。」


やはり皆そうなのか、そうだよな。急に必殺技生み出せと言われて簡単にできるものでは無い。


「…………やっぱり個性を伸ばすことが最優先だな。よし!!」


立ち上がり、共有スペースから足を動かす。


「美悪ちゃん?どこ行くの?」


「自主練!!」


「自主練!?さっき疲れたって言ってたとこじゃん!!」


「疲れたけど、まだ出来ることはあるから!!ほら、緑谷くんも毎日やってるし。」


そう言って女子達の輪から抜け出して、外へと向かうが


「おい。」


「お、轟くん。どうしたの?」


「………まだ動くのか?」


あっ、やばい。轟くんのお母さんセンサーが発動している気がする。


「ちょ、ちょっとだけね!ほら、緑谷くんもさ?やってるじゃん?」


注意するならまずはパイオニアから注意して欲しい。私はあくまで彼に倣っただけなんです、という姿勢を貫こうとするが、


「………………無理してねぇな?」


じとり。その整ったお顔と綺麗な瞳に疑うような視線を向けられる。


「し、してないよ!?もう、轟くんは心配し過ぎだよ。」


「心配するぐらいの実績を持ってる奴が何言ってんだ。」


「…………返す言葉もございません。」


怪我もせず彼の元へ戻れたことが無い。イコール自分の力量がわかっていないという事にも繋がる。


だから轟くんは心配する、わかってるよくわかってる。


「次は!!もう次は轟くんに心配かけないような行動を取るから!!」


「前回もそんな感じで押し切られたからな。もう惑わされねぇ。」


「惑わしてはいないけどね!?」


真顔であまりに信用のない言葉をかけられてびっくりする、そんなに!?惑わすって!!


「……おい、クラスのイケメン美女ども。」


「共有スペースでいちゃついてんじゃねぇぞコラァ……?」


「いちゃついてない!!」


まためんどくさいのが来た!!


「ヒーローを志す身として、そういうの恥ずかしくない」


「…………おい、夜魔。」


「えっ、な、何?」


峰田くんの言葉をガン無視して轟くんが声を発する。あまりに華麗な無視に私も峰田くんも開いた口が塞がらない。


「麗日大丈夫かあれ。」


「お茶子ちゃん?」


彼の指さした方向を見るとふわふわと浮いているお茶子ちゃん。


「え!?」


「ゲロっちまいなよ麗日ぁ!」


「そうだよ!!言うなら今のうちだぞ??」


「ちちち、違ううう!!!」


何やら揉めて……揉めてる?のか?


お茶子ちゃんは耳まで真っ赤にしてふわふわと浮いている。………だ、大丈夫かな。


「と、とりあえず友達として回収してくるよ。」


「あぁそうしてやれ。」


「………………ん?」


結局私は女子たちの輪へ。轟くんは満足げだ。


……………………轟くんからしたら結果オーライ、というとこだろうか。


少しだけ悔しく思いながらも、ふわふわと浮かびながら虐められているお茶子ちゃんを回収した。

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