「必殺技かぁ……。」
自分の出来ることを考えながら、エクトプラズム先生に攻撃する。
「どのような必殺技を編みたい?」
「……殴る蹴るとかは、パワーもあるし間合いに入ってしまえば勝ち筋が見えるんですけど、遠距離攻撃の相手に効く攻撃があまり無くて…………それを編み出したいです。」
「遠距離攻撃か……君の個性で扱える、爆破攻撃はどうだろう?瞳でコントロールが出来るのだろう?」
「出来るんですけど……威力が弱いので……。」
「ではそれを伸ばしてみよう、手や足は使わずに瞳でのコントロール、そして威力の強化。」
「…………はい!!」
◇
「圧縮訓練、ってだけあって疲れたなぁ……。」
「本当にね、毎日ヘロヘロだよ……。」
透ちゃんに頷き、ソファーでぐだる。
「皆必殺技の方はどう?」
「うーん……まだまだ個性伸ばしが足りないかなぁ。」
「私もぉ。」
やはり皆そうなのか、そうだよな。急に必殺技生み出せと言われて簡単にできるものでは無い。
「…………やっぱり個性を伸ばすことが最優先だな。よし!!」
立ち上がり、共有スペースから足を動かす。
「美悪ちゃん?どこ行くの?」
「自主練!!」
「自主練!?さっき疲れたって言ってたとこじゃん!!」
「疲れたけど、まだ出来ることはあるから!!ほら、緑谷くんも毎日やってるし。」
そう言って女子達の輪から抜け出して、外へと向かうが
「おい。」
「お、轟くん。どうしたの?」
「………まだ動くのか?」
あっ、やばい。轟くんのお母さんセンサーが発動している気がする。
「ちょ、ちょっとだけね!ほら、緑谷くんもさ?やってるじゃん?」
注意するならまずはパイオニアから注意して欲しい。私はあくまで彼に倣っただけなんです、という姿勢を貫こうとするが、
「………………無理してねぇな?」
じとり。その整ったお顔と綺麗な瞳に疑うような視線を向けられる。
「し、してないよ!?もう、轟くんは心配し過ぎだよ。」
「心配するぐらいの実績を持ってる奴が何言ってんだ。」
「…………返す言葉もございません。」
怪我もせず彼の元へ戻れたことが無い。イコール自分の力量がわかっていないという事にも繋がる。
だから轟くんは心配する、わかってるよくわかってる。
「次は!!もう次は轟くんに心配かけないような行動を取るから!!」
「前回もそんな感じで押し切られたからな。もう惑わされねぇ。」
「惑わしてはいないけどね!?」
真顔であまりに信用のない言葉をかけられてびっくりする、そんなに!?惑わすって!!
「……おい、クラスのイケメン美女ども。」
「共有スペースでいちゃついてんじゃねぇぞコラァ……?」
「いちゃついてない!!」
まためんどくさいのが来た!!
「ヒーローを志す身として、そういうの恥ずかしくない」
「…………おい、夜魔。」
「えっ、な、何?」
峰田くんの言葉をガン無視して轟くんが声を発する。あまりに華麗な無視に私も峰田くんも開いた口が塞がらない。
「麗日大丈夫かあれ。」
「お茶子ちゃん?」
彼の指さした方向を見るとふわふわと浮いているお茶子ちゃん。
「え!?」
「ゲロっちまいなよ麗日ぁ!」
「そうだよ!!言うなら今のうちだぞ??」
「ちちち、違ううう!!!」
何やら揉めて……揉めてる?のか?
お茶子ちゃんは耳まで真っ赤にしてふわふわと浮いている。………だ、大丈夫かな。
「と、とりあえず友達として回収してくるよ。」
「あぁそうしてやれ。」
「………………ん?」
結局私は女子たちの輪へ。轟くんは満足げだ。
……………………轟くんからしたら結果オーライ、というとこだろうか。
少しだけ悔しく思いながらも、ふわふわと浮かびながら虐められているお茶子ちゃんを回収した。