ついにやって来た仮免取得試験。
「取れるかなぁ、じゃない。取るんだ峰田。」
「お、おうよ!!」
先生の言葉にビビり上がる。緊張するなぁ……戦闘力しか取り柄のない私。試験内容がどのようなものかわからないが、冷静に考えられる頭も相手を出し抜く器用さもない。
戦闘力ゴリ押しでなんとかなるような試験でありますように……!!祈るばかりだ。
「じゃあここらで言っとくか!いつもの!!」
「あぁ!!プルスー……」
「ウルトラあああああああ!!!!!」
!!?
聞こえた大声に元々跳ね上がっていた心臓が更に跳ねて口から出るかと思った。
………………え?誰?
「すいません!!自分雄英大好きなんで!!」
…………………………あれ?
大きな体に大きな声。快活そうな人柄。
……どこかで見たような………………。
「あ!!!あんたは推薦入試の!!」
彼を見て首を捻っていると、ずんずんと歩みを進めて来た彼。
「え、え!?」
「覚えてないっすか!?俺っす!!入試の時一緒になった夜嵐イナサです!!」
………………誰?
名前を聞いてもピンともすんとも思い出せない。
でも入試。……………………うーん?
「すいません、思い出せなくて…………。」
「えぇ!?マジですか!?俺はあんたのこと覚えてますよ!悪魔の個性ですよね?入試の時も飛んでた!!」
え…………えぇ?どうしよう、全然思い出せない。どこで話したんだこの人。と言うかなんでこんな一方的に覚えて……えぇ、申し訳ないな。
「…………どこで話しましたっけ?」
「いや!!遠目に見てただけっす!」
わかるかぁ!!!
キレそうになった、もしかしたら話したことのある人なのかも。と思って必死に思い出そうとしたのに!!見てただけかい!!わかるかぁ!?
「すいません、覚えてないっす。」
「そうっすか……。」
「おい、イナサ行くぞ。」
「あ、じゃあ俺はこれで!!雄英の皆さん失礼します!!」
…………なんだったんだあの人は。見てただけで入試の人覚えてられるなんて凄いな。私は全く覚えてないけども。
……あれ、でも個性ってなんだったんだろう。
正直ほとんどの人覚えてないけど、私の前を走っていた轟くんと竜巻に乗っていたあの人。彼らだけはなんとなく覚えていた。
…………うーん?
「夜魔?」
「うぉ、轟くん。」
竜巻の彼はどんな見た目をしていたかな。と思い出そうとしていると視界いっぱいに入った轟くんの綺麗なお顔。
「大丈夫か?」
「うん?」
「あの……士傑の奴と話してから考え込んでるから。」
「だ、大丈夫。ちょっと思い出せなくてもやもやしてるだけ…………って言うか轟くんは今の人知ってる?」
轟くんも私と一緒に試験を受けたんだ、彼のことを知っててもおかしくは……
「知らねぇ、誰だ?」
あちゃぁ……。
◇
「えー、今年の定員は100名とします。」
………………うん?
合格率5割って聞いた時もぞっとしたのに?100名?今ここには1500人以上いるのに……?
………………え!!?
「い、1割以下!!?」
「……そういう事になるわね。」
「酷過ぎる…………落ちるのがほとんどやん……。」
そんな中で私たちは1年生。相手はもっと経験を積んでる2年生が多いというのに。
…………ちょっと、不利な状況過ぎやしないか?