騎馬戦

聞こえた緑谷くんの声に振り返る間もなく、気づけば吹っ飛ばされ地面に転がっていた。


何が、起きて。と見るとクレーターの空いた地面にロボットの装甲。


………………やられた!!!


土埃を拭う暇もなく立ち上がり、空を駆ける。


しかし、グラウンドに戻ってくると既に3人はいて。


「っっっくっそぉぉぉ…………!」


気が抜けて個性が解けた私はそのまま地面に落っこちて転がった。


「だ、大丈夫!?夜魔さん、」


「…………緑谷くん、凄いね。何あの作戦。」


「え!?あ、ありがとう……でも運が良かっただけだよ。個性で勝負は出来てない。」


「それで1位なんだから本当に凄いよ。…………私なんか、あんな姿晒すまでして4位だよ……?」


あーー悔しい!!!と叫びながら起き上がると、緑谷くんは笑った。


「……何?」


「あ、ご、ごめんね。……その、夜魔さんって案外負けず嫌いなんだなって思って。」


「……うん、すっごい負けず嫌い。だから、」


立ち上がって少しだけ高い緑谷くんを見上げる。


「次は負けない。」


「……うん!」


「爆豪くんにも、轟くんにも負けない!!!」


「あぁ!?寝言は寝て死ね!!」


「…………。」


◇


騎馬戦のルール説明を受けたが、なんとも。まぁ。これは1位にならなくて良かったかもだなぁ。


と思って緑谷くんを見ると、2人組める人を見つけられたようだが、あと一人。困っているようだった。


「夜魔、」


行ってあげようかな……なんて考えていると聞こえた声。振り返ると轟くん。


「俺と組んでくれねぇか。」


「……………………………………嫌。」


「え。」


「な、何故だい!?夜魔くん!!」


「このチーム素晴らしいと思いますわよ!?」


そう言われて、うっ。と言葉に詰まる。え。と固まって目を丸くしている轟くんはちょっと可愛かった。


確かにこのチームはバランスが取れている。何より轟くんが距離をとって相手を牽制出来るのが大きい。


そしてオールラウンダーな八百万さんに、機動力の飯田くん。機動力にも遠距離接近戦でも。尻尾があるので前後関係なく対応出来る私。


…………でも、


「緑谷くんに勝つのと、轟くんに勝つのだったら……轟くんに勝ちたいから、嫌。私はあなたに挑戦するよ。ごめんね!!」


なんとも子供じみた理由だ、それでも本心なのだから仕方ないだろう。


私はその本心のままに、泣いている緑谷くんの元へと駆け出した。


「…………ふふ、ははは。」


「ど、どうしたんですの?飯田さん。」


「いや。…………僕もさっき同じような事を緑谷くんに言ったなぁと思ってな。」


「……確かに、そうですわね。」


「轟くん、胸を張るべきだ。あの夜魔さんにあそこまで言わせられるなんて、君ぐらいだろう。」


「………………あぁ、そうだな。」


「僕らも緑谷くん達に負けぬよう、あと一人!探さなければ!」

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