騎馬戦

聞こえた緑谷くんの声に振り返る間もなく、気づけば吹っ飛ばされ地面に転がっていた。


何が、起きて。と見るとクレーターの空いた地面にロボットの装甲。


………………やられた!!!


土埃を拭う暇もなく立ち上がり、空を駆ける。


しかし、グラウンドに戻ってくると既に3人はいて。


「っっっくっそぉぉぉ…………!」


気が抜けて個性が解けた私はそのまま地面に落っこちて転がった。


「だ、大丈夫!?夜魔さん、」


「…………緑谷くん、凄いね。何あの作戦。」


「え!?あ、ありがとう……でも運が良かっただけだよ。個性で勝負は出来てない。」


「それで1位なんだから本当に凄いよ。…………私なんか、あんな姿晒すまでして4位だよ……?」


あーー悔しい!!!と叫びながら起き上がると、緑谷くんは笑った。


「……何?」


「あ、ご、ごめんね。……その、夜魔さんって案外負けず嫌いなんだなって思って。」


「……うん、すっごい負けず嫌い。だから、」


立ち上がって少しだけ高い緑谷くんを見上げる。


「次は負けない。」


「……うん!」


「爆豪くんにも、轟くんにも負けない!!!」


「あぁ!?寝言は寝て死ね!!」


「…………。」





騎馬戦のルール説明を受けたが、なんとも。まぁ。これは1位にならなくて良かったかもだなぁ。


と思って緑谷くんを見ると、2人組める人を見つけられたようだが、あと一人。困っているようだった。


「夜魔、」


行ってあげようかな……なんて考えていると聞こえた声。振り返ると轟くん。


「俺と組んでくれねぇか。」


「……………………………………嫌。」


「え。」


「な、何故だい!?夜魔くん!!」


「このチーム素晴らしいと思いますわよ!?」


そう言われて、うっ。と言葉に詰まる。え。と固まって目を丸くしている轟くんはちょっと可愛かった。


確かにこのチームはバランスが取れている。何より轟くんが距離をとって相手を牽制出来るのが大きい。


そしてオールラウンダーな八百万さんに、機動力の飯田くん。機動力にも遠距離接近戦でも。尻尾があるので前後関係なく対応出来る私。


…………でも、


「緑谷くんに勝つのと、轟くんに勝つのだったら……轟くんに勝ちたいから、嫌。私はあなたに挑戦するよ。ごめんね!!」


なんとも子供じみた理由だ、それでも本心なのだから仕方ないだろう。


私はその本心のままに、泣いている緑谷くんの元へと駆け出した。


「…………ふふ、ははは。」


「ど、どうしたんですの?飯田さん。」


「いや。…………僕もさっき同じような事を緑谷くんに言ったなぁと思ってな。」


「……確かに、そうですわね。」


「轟くん、胸を張るべきだ。あの夜魔さんにあそこまで言わせられるなんて、君ぐらいだろう。」


「………………あぁ、そうだな。」


「僕らも緑谷くん達に負けぬよう、あと一人!探さなければ!」

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