壁を感じてもお菓子を目の前で食べてくれるその時だけは、いつもする眉を下げた困った笑顔ではなく、ちゃんとした笑顔を△△に見せてくれる。それだけで彼女は充分なはずだった。

けれど、リーマスからこぼれる何気ない彼への気遣いの言葉を聞くと、貴方のために作っているんだと叫びそうになる。

「欲って底がないんだね」

△△以外誰もいなくなった湖の辺で誰に言うわけでもなくつぶやく。
シリウスにはああ言ったもののもう嘘をつき続けることが彼女には限界だった。
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