カバンを探って1冊の本を取り出す。レシピ本は何回も読み込んだせいでところどころヨレて、いつついたのかお菓子で少し汚れていた。
「そろそろおしまいにした方がいいよね」
そう言うと△△はぎゅっ、と本を握ってそのまま腕を大きく振りかぶる。思いっきりぶん投げた本は湖に落ちて△△の手元からなくなる、はずだった。
ぶん投げたはずの本は浮いていて、振りかぶった腕は突如現れた彼の手で止められていた。
「なんで捨てようとするんだ?」
「リーマス?」
驚きと、疑問、様々な感情が入り混じって、ぺたりと△△は芝生に座り込む。けれど掴まれた腕はそのままで、触れられている部分から熱が伝わる。
「なんでここに」
やっと言えた言葉に何でもないように彼は答える。
「シリウスに聞いたから」
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