「リリー!」
リリーは思ったほど遠くまで行っていなかった。廊下をノロノロと歩いていたので私でもすぐ追いつけたのだ。
「あ、あマリア、奇遇ね」
振り返った彼女にはさっきポッターに強く言い放った元気さはなかった。
それどころか少し、頬が赤い?
「あのね、悪いとは思ったんだけど少しその、聞こえてしまったの。さっきの二人の会話」
白々しく申し訳無さそうに告白する。私、女優としてなかなかではなかろうか。
「え、あぁ、そうよね建物から離れているといっても廊下だもの、人が通りかかるわよね」
むしろ嫌なシーンを見せてごめんなさいと眉を下げて謝るリリーに少し心を痛めながらも、
頬が染まっている原因について言及する。
「リリー、本当にポッターのこと嫌いなの?さっきのポッターいつもと違ってて真剣みたいだったけど」
ぴくり。リリーの指が震えた。もしや。
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