「別にいいけど、ほんとにそれだけだよね?」

時たまこのサラという子は驚くべきカンの鋭さを持つ。
野生のカンだろうか。

「それだけに決まってるじゃん」

笑顔で答えた私の口元は引きつっていなかっただろうか..。とにかく、かぼちゃプリン一つを差し出すことを条件に私はエバンズとの仲を手助けしてもらうことになった。

「同室だけどこれまであまり話したことなかったじゃない?だから仲良くなりたくって」

ニコニコしてカップを三人分並べる。翌日さっそくサラは空き時間に談話室へエバンズを呼び出してくれた。

「確かにそうね。わ、このクッキーどうしたの?」

美しい赤い髪をなびかせてうっとりしているエバンズ。甘いものが平気で何よりだ。

「昨日ちょっと作ったの。お菓子がないお茶会は嫌だなあって思って」
「マリアのクッキーは形いびつだけど美味しいよ」

ぱくぱくかぼちゃプリンを食べながらサラが言う。歪とは失礼な。

「本当、すごく美味しい」

目を輝かせて食べてくれるエバンズを見ると、なんとなくこの女の子が男女問わず愛されている理由もわかる気がした。
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