「先生は今までで最高の『闇の魔術に対する防衛術』の先生です!行かないでください」
壁を挟んでも聞こえてくる悲痛な声を聞いているうちに、彼のような生徒がいるおかげで、リーマスは救われているのだろうと思った。
彼が一人で過ごしてきた年月に比べれば、このホグワーツの1年はあっという間のことで。でも、いつか聞いた学生の頃の充実した幸せだった日々に近い、濃い1年だったのではないだろうか。
「パーヴィス先生は来年もいらっしゃいますよね?」
「当たり前でしょう、ポッター。ミネルバと一緒にあなたたちを一人前にしないと」
忍びの地図。いつかリーマスがいたずらっ子のような顔で教えてくれた紙切れを持って部屋から出てきたポッターは、寂しそうではあるが少しすっきりした顔をしていた。
彼が去って少ししたあとに、リーマスがすべての荷物を持って出てきた。手には空っぽの水槽もあり、ああ、これには水魔が入っていたな、などと思い出す。
その水槽を半ば無理やり持ってあげると言って並んで歩く。まあ、魔法で浮かせてしまうのだけど。
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