「あいつ、エバンズがいたらすぐそっちへ行くし、ベルの話なんかほとんど聞いてないじゃないか」
訂正したかったがその通りだった。本をテーブルへ置いてシリウスさんに向き直る。
「いいんです、そんな彼が好きなんです」
このやりとり自体は初めてのことではない。恋愛の事になると目ざとくなるシリウスさんは私がジェームズさんへ話しかけに行った時からちょくちょくやめておけ、と注意してくれていた。
その度に私はそれでいい、と返しているんだけど。
意外と彼は面倒見がいいのかもしれない。ニヤついたことに気づいたシリウスさんは変なものを見るような目で私を見る。
「何笑ってんだよ。これでも心配してやってるっていうのに」
「わかってます。ありがとうございますシリウスさん」
にへら、と笑うとそうかそうか、とシリウスさんは満足げに鼻を鳴らす。毎回ここまでがお決まりの流れだ。