そうすると、いつもはっとした表情をして、その次に彼は申し訳なさそうな顔をするのだ。
「ごめん、ベル」
ごめんということは、そういうこと。いつも、何もわからないふりをして私は微笑むことしか出来ない。
口ではエバンズさんを好きでいいと言っていても、結局自分を見ていて欲しいという欲が心の奥底にはある。
でも、気付かないふりをして蓋をする。そうすれば彼と一緒にいられるのだから、容易いことだ。
休日にふたりで城をあてもなく歩いていた時、それまで珍しく悪戯のことについて熱心に私へ語っていたジェームズさんが突然足を止めた。
彼が後ろの私を振り返りつつ話していたので立ち止まった彼の背中に顔をぶつけてしまう。
「ジェームズさん?」
ぶつけた鼻をさすりながら彼の視線の先を辿る。大きな木の下でふたりの男女が座っていた。
赤い髪と、黒い髪。エバンズさんとスネイプさんだった。