「全然めげてないっていうか、変わらずにずっとそれでもジェームズを好きで居続けるベルを見ているうちに、心が苦しくなってきて、」

それは、哀れだから?悔しくて握りしめた手にシリウスさんの右手がかぶさる。まるで、力を抜けとでも言うように。

「なんでそこまで思われてジェームズはベルを選ばないんだ。ベルの相手が俺じゃないんだって、そう思うようになった」

今、なんて。信じられない言葉に、もう一度顔を上げてシリウスさんを見た。
シリウスさんはさっきと同じでずっと私を見ていた。少しあいていたわたしたちの距離がいつのまにか、埋まっている。まっすぐ私を見るシリウスさんはやがてゆっくり、恐る恐る両手を上げていく。そうして私の背中に手を回した。

聞く


prev next
もくじへ