「よ、ベル。悪いことしてるみたいだよな、この教室にいると」
「シリウスさん、私」
「マクゴナガルがいたらどうしようって、内心思ってたんだよ。いなくてまじでよかった」
どうして呼び出したのかわかりきってるのに、どうでもいいことを話し続けるシリウスさん。
私の、返事が怖くて?私なんかの。
「ベルは授業ついていけてるのか?俺で良かったら」
「ごめんなさい」
ごめんなさい、ともう一度はっきり言うとシリウスさんはびくりと肩を震わせて、途中まで私へ話しかけていたのを中断した。そのすきに私は言葉を続ける。
「やっぱり、私はジェームズさんが一番なんです。他の誰とか考えられない」
「あいつの一番はお前じゃないのにか?」
ぐさり、と言葉が刺さる。そう、彼のいちばんは私じゃない。だけど、それでも。