「シリウスさんとなんで喧嘩したのか、教えてください」
あえて話をそらした。これ以上思い知るのが、エバンズさんのことを聞くことが辛かったからだ。
この質問にジェームズさんは明らかに言いにくそうに口を開けたり閉じたりした。
そんなにも恥ずかしいことなのだろうか。
たしかに大広間での喧嘩だったならエバンズさんも見ていたかもしれないし、私のせいで喧嘩なんて知れ渡ったらジェームズさんとしては嬉しくないはずだ。
まずいことを聞いてしまったのかもしれない。そう考えていると違うんだ、と隣からか細い声が聞こえる。
「シリウスとベルが仲良くなっていると知って、僕よりシリウスといたほうがきっと君のためになると思った。それで別れを切り出したんだ」
「そういえば、談話室前でそんなことが」
あのとき、ジェームズさんが驚くほど冷たかったのを、傷ついた顔をしていたのを覚えている。
そんな事を考えていたなんて。