++各々お口チャックでお願いします!/S.E.M


※かなり下品




「山下さん、山下さん、ちょっと手を貸してください」
「えー、いいけどさあ」

 彼らのプロデューサーである名前が喜々とした表情で彼に乞うた。山下はそれに怪訝そうに顔を顰めながら了承する。大概名前がこうやってなにかをお願いするときは、その大半があまり良くないことなのだ。名前との付き合いも長いので分かる。事前にそれの見当がつけば、山下も止めに入るのだが、今回ばかりは分からなかったし、何より手を貸してほしいと言うだけのことだったので渋々了承した。
 名前は山下の手をしげしげと眺め、やっぱり男性だと大きいですねえとその手に触れる。そしてちょっと曲げますね、と中指と人差し指をくいっと最大限まで押して、掌にぺたりと着けた。

「え、これって何してるの?」
「この指を着けた場所と伸ばしたときの中指の先端を結んだ線が、男性の陰茎の長さだと聞いて」

 沈黙する。にこにこと微笑みながら名前が、やっぱり身長が高いと大きいんですかね相関がありそう、と考え込むように言った。数分の沈黙後、山下が噴いた。

「名前ちゃん?! 何!? どうしたの!」
「いや、個人的な興味です」
「何徹目?!」
「聞いてください。まだ一徹目です!」
「はやく寝て!?」

 S.E.Mの良心かつ常識の塊、山下次郎が叫んだ。名前の肩をゆさぶりながら、他の人にしてないでしょうね?!、と吠える。

「しましたよ」
「誰に!?」
「えっと。――あ、噂をすれば」

 がちゃんと事務所のドアが開く。そこから現れたのは、同じくS.E.Mのメンバーである硲道夫と舞田類だった。
 山下が名前の顔を見ながら、え?え?、と声を出す。この二人にも聞いたのか、と言いたげな表情だ。当の名前の方は、さっきぶりですーおつかれさまですー、と呑気に挨拶をする。

「Hi! 名前ちゃん。ミスターやましたにも聞いたのかい?」
「名前くん、先ほどの指の長さを確認していたのはいったいなんだったのだろうか?」
「あれ、お二人に言ってませんでしたっけ。中指の着いた点と、伸ばした中指の先端を結んだ線が男性の、」
「うわー、ちょっと待って!」
「え、いんけ、い? ああ! penis!」
「るい~」

 山下ががくりと肩を落とした。名前の言いかけた言葉を止めに入ったが、それも無駄のようで舞田にしっかりと聞こえていた。名前ちゃんもなかなかすごいこと聞いてくるね!、と舞田が笑う。その隣で硲がふむ、と神妙そうな顔をした。

「それは平常時なのだろうか、それとも勃起時なのだろうか」
「えっ、どうなんですかね」
「はざまさん?!」
「でも日本人の平均の長さって、確か14センチぐらいだっけ?」
「るい!」

 山下が頭を抱えた。
 今事務所にこの四人以外の人間が居ないことだけが救いだった。徹夜で頭がやられているとは言え、名前が酷すぎる。年頃の女の子が言うそれではまるでなかった。

「目算ではあるが、私の結んだ直線がじゅ、――」
「言わなくていいから! はざまさん! 言わなくていいです!」
「Hum……まあerectionしたときに測ったものと照らし合わせれば分かるね! 俺も測ろうかな!」
「いりくしょん?」
「in English!」
「本当にさあ、この三人なんなの……」

 たった15分やそこらの話であるのに、変な汗が止まらなかった。手も変な汗で湿っている。随分と付き合いは長いが、たまによく分からなくなる三人だ。勘弁してくれ、そう言うように山下が天井を仰いだ。






お題箱より。S.E.Mとプロデューサーの下ネタギャグ?みたいなお話。
20171004




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