天ヶ瀬冬馬

「おつかれさまでーす」

 がちゃん、と事務所のドアを一番乗りに開けてやってきたのはジュピターの三人だ。三人の声が仲良く重なる。

「お疲れさまです。今日お仕事どうでした?」
「ファンからの声援もすごかったし、上手く行ったと思う。名前さん、これ」

 良かった、と言いかけたけれど、彼がずいっと差しだしたそれに阻まれる。保冷バッグに入ったそれに首を傾げると、今日の持ち寄りの、と彼が言ってきたのでああ、と声を上げる。

「え、すごい手作りですか?」
「まあな。簡単なもので悪いけど」
「保冷バッグに入ってるってことは、冷蔵しないとですよね。中身を取り出して……」

 じー、とチャックを開けて、中を取り出すと、タッパーにぎっちりと入ったお肉。これはもしや、と彼を見上げると、ローストビーフ、と彼が言う。

「私、前に天ヶ瀬さんと伊集院さんのお話聞いてから食べたいなあって思ってたんです! すっごく嬉しい……!」
「冬馬くん、昨日から仕込み頑張ってたし、名前さんに喜んで貰えて良かったね!」
「翔太!」

 天ヶ瀬さんが声を荒げた。それに御手洗さんが逃げ回る。二人とも元気だなあ、と伊集院さんがぽつりと呟いた。それに私は首を縦に振る。

20171009

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