天道輝

 社長が乾杯の音頭を取る。その乾杯の仕方もパッション!、なのだからうちの社長控えめに言っても最高だと思う。
 全員が集まって、ただでさえ狭い事務所内がぎゅうぎゅう詰めだ。がやがやとした声も合わさってまったくもって話が聞き取りづらいけどそれもまた一興。皆さんが持ち寄ってくれたもののおかげでテーブルは大混雑だ。応接のテーブルのみならず、臨時の折りたたみのテーブルも事務机もみんなフル活動している。

「よっ名前、楽しんでるか?」
「え、天道さんもう酔っ払ってるんですか?」
「これお茶だから! シラフだっつうの!」

 いきなり肩に腕を回されてびっくりした。彼のコップの中に入った黄色がかった飲み物に、もしや舞田さんが持ってきたワインじゃなかろうとかと目を細めると彼からの訂正が入る。

「俺酒弱いから初っぱなから飲むと、顔出し出来ねえと思って。未成年のやつもたくさん居るし、飲むのはもう少し夜が更けてからだな」
「最初の乾杯も皆ソフトドリンクからでしたもんね」

 彼の視線が私の紙皿に移った。おずおずと天道さんが尋ねてくる。

「……今食べてるやつ旨いか?」
「めちゃくちゃおいしいです。お肉色んな野菜を巻いてて見た目も楽しいですし、あとたれも甘め、でもピリッと辛くて白米食べたいです」
「それ作ったの俺だ」
「?! 本当ですか! つ、作り方! 作り方教えてください!」

 いいぞー、と彼が笑う。天道さんお料理も上手だという意外な一面を知れた。





20171009

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