桜庭薫
「桜庭さん、楽しんでます?」
「ああ、」

 彼が私の手元をじっと見た。透明なコップの中には、金色とその上の白の泡の液体。酒か?、そう尋ねるような訝しげな視線に、ノンアルコールです!、と弁明した。

「一応幹事ですし、終わった後に学生送っていくので、あまり羽目は外せませんよ、流石に」
「なるほどな」
「桜庭さんは何を飲まれているんですか?」
「お茶だ。ところでこのオードブルを手配したのは君か?」
「はい、そうです」

 色味的に体がすこやかになるお茶かな、なんて思いながら彼の言葉に頷いた。桜庭さんは眉根を顰めながら、不満げに言う。

「肉や揚げ物、炭水化物ばかりでバランスに欠ける」
「スミマセン……」

 今度こういったことを企画するときは食べ物のバランスについても気をつけるように、と彼から一喝される。
 桜庭さんが持ち寄ってきた物はサラダということを私は知っている。それに加えて「今度こういったことを企画するときは、」、また次もしていいんだ、と思うとちょっとにやけてしまって彼から何を笑っているんだ、と眉根を顰められる。




20171010

top