イッキコールが始まる。私は大変渋い顔をしながら、コップに口を付ける。においが無だ。全部入っていると言っていたから、お茶とコーラと、オレンジジュースと、これ以上考えたくない。
「まってこれ一口だけではなく?」
「全部です」
「こんな並々注いだの誰よ……」
「はーい、オレっす!」
名前ちゃん、オレの愛情がメガメガ入った特製ジュース最後の一滴まで飲んでくださいっす! 伊瀬谷さんがきゅるんとした顔で言った。ちゃんと見上げている。うわ可愛い。
ええいままよ、と一気にそれを煽った。ごくんごくんと喉に通過していくそれ。お世辞にも味が良いとは言えない。絵の具の色水を飲んでいる感じ。でもそこで精一杯の強がりを見せて、割と美味しかった、と言えば、マジっすかオレ作ってくるっす!、と伊瀬谷くんが秒でジュースを作ってくる。そして口に含んでそれを飲むとお決まりのようにまっず!、と叫んだ。
「名前ちゃん騙したっすね!」
「割とざまあ見ろって感じがします」
「シキ、これ残りどうするんだよ」
「食べ物を粗末にするのは駄目だと思うっすけど……」
ムリ、彼が舌をべえっとさせながら言った。ちょっと待った、と二つの声が重なる。誰がそれを飲み干すか公平に決めようぜ、名前さんの仇、俺たちが討つ!、颯爽と現れた蒼井さんたちだ。
20171119