忘年会にて
※キャラ崩壊も甚だしいギャグ


 忘年会兼315プロオフィシャル写真集の撮影もいよいよ佳境である。
 土日を利用して一泊二日、小さな旅館を貸し切っての宴会。土曜の朝に到着して、もうそこから皆さま方のテンションはメガ上げどころかもう振り切っている。温泉に雪遊びに美味しいご飯にボードゲーム、その他色々。それが一通り終わると自主開催されたクリスマスプレゼント交換会、──しかも景品が栄養ドリンク1ダースやら湿布何十枚やら全身タイツやら派手パンやら、があった。誰が持ってきたのか大概予想が付く。それに加えてノリで笑ってはいけない315プロ忘年会が始まり、輝さんと山下先生と四季、冬馬くんのお尻が死んだ。まさか普段いたって真面目な薫さんや旬くんが乗っていると思わなかったし、あとダークホースが翼さんと硲先生だったことを付け加えておかなければならない。以前野球関係のお仕事をしたということで、バイトがバットを握ることになったらしいのだが、それも最高だった。恭二はこういう企画なんで悪く思わないでください、と必ず丁寧に前振りを入れ、ピエールくんはいたかったらごめんなさい、と全力でスウィングし、みのりさんは妙に似合いすぎていてやばかった。ちなみに一番容赦が無かったのはみのりさん。私も笑いすぎて腹筋が死んだ。もちろん私は撮影をする側なので尻バットは免除である。私もされていたらたぶん、お尻が足りなかったと思う。

「どうしよう死んじゃう……」
「名前、強く気を保って」
「移籍以前のジュピターライブ映像からテレビ番組出演のDVDコレクションなんて……みのりさん神……こんなご機会をくださってありがとうございます……」
「こちらこそ新規ファンを取り込むことが出来て嬉しい。しんどさって、分かち合いたいよね。今日見れなかった分は貸してあげるから……」
「先輩……」

 隣に座ったみのりさんが、絆を確かめ合うようにこくんと頷いた。もう顔が歴戦の戦士。
 この忘年会の目的は、純粋にいつも忙しくしている皆さんに温泉やユニット間での交流を通して癒やされて欲しい、ということだ。そこに写真集の撮影やビデオ撮影だったりが入ったけれど、根本的には、斉藤社長の計らいによる慰安旅行というか社員旅行のようなものである。私はその撮影係の任に就いているから、正直休まる暇も無く一日中バシャバシャシャッターを切って居たのだけど、ここに来て今日の私のメインイベントである。時刻は午後11時。もう体的には既に消灯の時間と言うことになっている。垂涎必須の、アイドルたちの寝顔やおやすみ前の写真も撮らせて貰ったのでやるべき仕事は完遂した。もしかしたら私の居ない間に面白い画が撮れるかもしれないので、カメラ及びビデオカメラは複数の信頼の置ける方々に預けてある。ジュピターライブDVD鑑賞会、これが私のこの一泊二日の忘年会の中で最も楽しみにしていたイベントだ。今日一日まったくもって休む暇がなかったので、この1時間や2時間の鑑賞会をすることぐらい許してください。
 カラオケも出来る広間なので防音性のみならずオーディオ機器もばっちりである。DVDをセットして、体育座りをしてテレビ画面のど真ん中に座る。隣にはサイリウムを片手に四本、両手で合計八本とフル装備したみのりさんが居る。ガチ勢である。今回鑑賞会をする、ということで興味のある方々も出入りは自由にしてある。薫さんやピエールくん、あとハイジョーカーとセムの面々が今現在は居た。これからライブをする上で参考にしたいとのことらしい。当事者のジュピターの三人は恥ずかしいから見たくない、と言うことだった。ちょっとだけ残念だ。

「やばい……呼吸困難なったらどうしよう」
「その時のための薫さん」
「手は尽くしてやる」

 これでいつ死んでも大丈夫ですね、と言えば薫さんから縁起でも無いことを言うな、とぴしゃりとツッコミが入った。でも意識が浮上したときに最推しの顔が近くにあったらそれもそれで死ぬかもしれない。
 リモコンを操作して、そうして画面が暗くなると部屋の中が真っ暗になった。徐々に緑色のサイリウムの光が画面に浮かんでくる。やば、という言葉しか出ない。語彙力のなさが甚だしい。
 北斗さんのエンジェルちゃん?、その声にきゃー!というテレビの歓声が聞こえて、私もきゃー!と久しぶりに黄色い声を上げた。後ろの面々がびくっとした気配がする。次にエンジェルくん?、と呼ばれるとみのりさんが雄叫びを上げながらサイリウム高速振りした。これには私もびびった。そして冬馬くんのMCと翔太くんとの応酬、もう最高かよ、という言葉しか出ない。ほどなくして曲が始まり、もう二人そろって感無量で見ていた。私たちこの三人が居る事務所に居るんですよ、やばいね、ですよね、という中身の無い会話が続くし、もうなんか涙が出てきた。隼人くんがティッシュ箱を後ろから滑らせてくれた。まだまだ夜は長い。




 ライブDVD鑑賞は三本くらいぶっ続けでやった。途中であんなに恥ずかしいと言っていたジュピターの三人が途中から来て、北斗さんが生エンジェルちゃん?エンジェルくん?と言ってくれて、普通に泣いた。二本目を見終わったあたりからいつの間にか全員が集合していて、ライブ鑑賞は燃えに燃えていた気がする。全て見終わって気が付いたら空が白んでいて、周りの方々は雑魚寝していた。あと見ている最中に歓声やらコールやらをしすぎて声がガスガスで、最終日朝の日程確認の際に声が出なくて詰んだ。






20171211

 

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