ほんの少しだけ遠出をしている。外気温4度、凍えてしまいそうな寒さの中、二人毛布にくるまって星空を眺める。山と丘のちょうど真ん中くらい、小高い場所から見る星空はいつも見る空と違ってずっと近くにあるように思えた。本当に最近まで思っていたことなのだけど、と彼が言葉を紡ぐ。
こうやって流れ星を見ていると、燃えた星が海の中に飛び込んでいっているような気がするんだ。熱い流れ星が飛び込むことで、海の水がじゅわっと少しばかり蒸発する。やがて星は徐々に熱を失いながら、真っ暗の海の底へとゆっくりと落ちていく。
彼がぽつりぽつりと切り出した言葉に、私は小さい頃に見た絵本の中身のようだと思ってしまった。彼が穏やかな声でそう話すうちにも、空からは続々と流れ星が落ちてくる。
毛布の中で肩と肩とがぶつかる。タンブラーの中に入れた熱すぎるくらいのコーヒーが湯気を立てている。でも流れ星ってもう少し光っているものだと思ってたよ、とぽそりと言えば、俺も。実際は小さな塵みたいだから仕様が無いよ、とくすりと笑った