どうも皆様、こんにちは。幽霊です。種類ですか?うーん…自縛、というよりは浮遊霊ですかね。
幽霊になる前の記憶はありません。だから本名も年齢も、どうして死んだのかもわかりません。
つい最近まであちこちをさ迷っていましたが、今はとある場所に落ち着いています。
今日は、お世話になっているお二方を紹介いたしましょう。


まず、紫原敦さん。彼は私のことを見つけた人です。
たまたま休んでいた部屋が彼の寮だったようで、帰宅された彼に不審者扱いされました。勿論、すぐ弁明しました。
幽霊だということも信じてくださいました。それから行く当てがないならここにいればいいとも言ってくださいましたね。
彼のお言葉に甘えて、私は敦さんのお部屋に住み憑かせていただいています。
彼は幽霊では呼びにくいからと、私に「レイ」という名前をくださいました。なかなかお気に入りです。
背が高く少し萎縮していましたが、彼は本当に優しい方です。
お菓子も分けてくださるんです。最近はまいう棒がお気に入りです。
え、幽霊なのにって?
ふふ、何故かわかりませんが私、お菓子は食べられるんです。食べたお菓子がどこに行くのかはわかりません。満腹感はありませんが味はわかります。今では唯一の娯楽ですね。
たまに敦さんが部活の時にこっそり拝借しています。よく怒られますが、私もきちんと限定品は残しておりますよ。

それから、氷室辰也さん。彼は少し変わっています。
出会いは私がお菓子を漁っているときに彼が帰宅なさって…驚きましたよ、彼の後ろを通った瞬間、思い切り蹴られたんです。
はい、そうです。まさか私もそれが当たるなんて思わなくて…そのまま壁を突き抜けてしまいました。
彼にはそのあと謝られました。別に構わないというのに、彼という人は、本当に優しい人です。
彼は私に触れることができます。どうしてかは分かりません。彼曰く温かみは感じないが、感触は伝わるとのこと。霊感にしては少し特殊ですね。敦さん曰く、私がお菓子を食べるときにお菓子に触れられることと一緒ではないか、だそうです。一理ありますが、私のこれはポルターガイスト現象ではないのでしょうか。謎は深まるばかりです。

ともかく、私は今お二人の傍にいます。お二人は私に話しかけたりしてくださいます。私はお二人が大好きです。

これから私は、成仏の手がかりを探さなくてはなりません。お二人も協力してくださるそうです。
ですが、お二人と過ごす時間が楽しくて、ついつい成仏したくなくなってしまいます。

大丈夫、お二人に迷惑はかけません。
だから今だけは、もう少し傍にいたいなんて、思ってしまうのです。

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情交と街