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「ここまできて階段がない…何か隠し扉の仕掛けでもあるのかな…」
「その可能性はあるな。」


2人は一旦突き当たりまで到達していた。ここまで来る途中に地下に降りることができる階段の類は特に見かけなかった。
さらに入り組んで、一階の奥に別のフロアがある可能性も考えたが、上空から規模を確認した限りではそれはなさそうだ。


「正直…ECMのせいかさっきから頭痛がしてあまり気分が良くないわ、」
「そうだね。敵も警戒しているのか相当強力なものを用意しているらしいな」
「なるべく早くケリをつけたい…悠太の安全のためにも」


少し焦りの見えた瀬名がきた道を戻り、角を曲がった時だった。


「っ!!」


小型ECMを装備した男が、瀬名に銃を向け発砲した。
その音はもちろん兵部にも聞こえていた。
すぐに瀬名が曲がった角の先に向かう。
三発発砲される音がしたが、瀬名が傷を負っていたのは脚だった。


「な、なにこれ…!」
「フフフ、これは特注品でな、皮膚に食い込むようになっていてそう簡単には取れないのだよ!」


サングラスをかけた普通の人々の男が不敵に笑う。
それは普通の銃弾のように肉を貫くことなく、銃弾は皮膚に食い込み根を張るように変形していた。


「痛い…っ」
「、むごいものだな」


瀬名の白く細い足に根を張る鉛は非常に痛々しく兵部の目に映る。


「この代償は同じく脚で払ってもらう!」
「それはどうかな?!」


男が小型ECMを前に突き出す。本来ならば地下から発しているものに上乗せで効果を発揮しているはずだが、兵部はお構いなしに、そこら中に転がっているコンクリートの礫を念動力で弾丸のように男に向け降り注ぐ。


「な!!」


今度のそれははっきりと男の衣服を貫いていく。
そして両腕と脚にしっかりと食い込み、血を流しながら男は後ろに倒れた。


「兵部、さん」
「相当痛いだろ、無理して立つな」


兵部にしがみつく形で、立ち上がろうとした瀬名は再度その場に座り込む。
何やらズキズキと激しく痛む脚。
兵部は手を翳し、複雑に根を張った鉛を少しずつ引き剥がしていく。


「ECMの影響をあまり受けていないの?」
「ああ、小型のECCMを持っているんだよ。このくらい容易いさ」


寄生虫のように蔓延った鉛が完全に剥ぎ取られる。激痛から解放された瀬名は冷や汗をかきながら、大きく息を吐いた。


「偉いね頑張った。少し休憩するかい?」
「いえ、一刻も早く地下のフロアに行かないと、」
「…そうだね」


先程までいなかった男が現れたと言うことは、付近に地下へ通ずる道があるはずだと推察できる。
この2人に限って普通人の隠れている気配を見逃すことなどありえないからだ。


「…?」


瀬名は銃弾を受けた脚に少し違和感を感じつつも、兵部の後ろを歩き抜け道がないかを探して行った。


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mokujiclegateau