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超能力が見つかってからの二人は学校も通わなくなり、家に閉じこもるか近くの公園に逃げる日々だった。
まだ力を制御できないため、能力が暴走することもたびたび。
物を壊したり、怪我をさせたり、そのたびに親からの虐待は悪化した。

それからしばらくして、不思議な男女が訪ねてきた。
緑髪を首の後ろで結んだ女と、赤い髪を肩につくくらいの長さまで伸ばしている男。
黒いスーツをきた彼らは、まだ20代くらいのようだがどこか場慣れした雰囲気があった。


「お子さんを引き取らせてください。」
「その代わり、こちらを」

女がどこからともなくアタッシュケースを出し、中を開けて見せる。
瀬名には、女が瞬間移動能力でアタッシュケースを出したことを見抜いていた。
瀬名の視線に気づいた女が、瀬名をみてにこりとほほ笑む。

「我々は世界各地でエスパーを保護しています。非合法なこともしていますが、世界平和のために戦地に赴き、戦っているのです。」
「このような力、そういった場面でしか役にたてられませんので」

瀬名は怖かった。この男の笑みが引きつっているように見えたからだ。
でも瀬名はテレパシーを持ち合わせていなかったので、今までも、この時も、人の本心はわからなかった。

「世界平和だなんて、ずいぶん大層なことを掲げるんだな超能力者たちは」
「…ええ、その大層なことを成し遂げられる、尊い力なんですよ」

瀬名の親が発した言葉に、赤髪の男が怒りを露わにしたのがわかった。
その瞬間、部屋には10個近くのアタッシュケースが瞬間移動で現れた。

二人は両親の意向を聞くまでもなく、瀬名に手をさしのべ、その家から救いだした。





「同じことを悠太の家でもやったらしいの。そうして私たちは組織に引き取られました。
そこで過ごす時間は本当に幸せだった。たまにやるエスパーの仕事は大変だけど、帰る場所が温かかった。
…でも」


瀬名の眉間にしわがよる。膝の上で組まれた両手はわずかに震えていた。


「ある日、その組織はとあるエスパーによって壊滅させられたんです」



 

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