02 翌日、普通に授業が始まった。1時間目から4時間目まで授業で、5、6時間目は明日の入学式の準備で2年の俺たちが椅子や花を運んだり体育館の清掃をしなければならない。 「基山くん、ここ分からないんだけど…」 数学の授業中、隣の海理が小さな声で俺に話しかけた。教科書をとんとん、と人差し指で叩き、眉をさげる彼女はかわいらしくて、つい綻びかけた口をきゅっと結ぶ。 「ここは.....」 「…そっか、なるほど…ありがとう基山くんっ」 問題を解く事ができた海理は、一生懸命にシャーペンを動かしノートに書き込んでいった。丸付けと解説の時間になると、しゃっと丸をつける音が聞こえてそちらに目をやると海理がピースしていて。俺もピースをして、憂鬱な数学の時間が終わった。 *** 午後になり、2年生は体育館に集められた。学年主任の先生が説明をする。結果、男子は半分になり、雑巾組と道具を運ぶ組とで別れる事になった。 「……ふう!」 俺たちのクラスの男子は、雑巾組。距離がある上に、雑巾掛けをするこの体制がきつい。時折、クラスの女子が箒で埃をとるところを見かける。そのたびに、海理の姿を探す自分に息をつく。すると肩をとんとんと叩かれた。振り向けば緑川がいた。 「色っぽいため息してるけどどうしたんだ?恋の悩みとか?」 「まぁね。」 「俺に話してくれないか?協力できる事なら協力するし。」 「ありがとう緑川。じゃあ、聞いてくれるかい?」 親友の緑川に、海理が好きだという事を伝えると、緑川は「えぇ!!」と随分オーバーなリアクションをして驚いた。そのせいで注意をうけたが、緑川は協力してくれるとの事。よき親友を持ったことに改めてよかったと思えた。 (しかし保科の事が好きだとはなぁ…) (緑川が鈍いだけで俺は昔から海理が好きだったんだよ) _ [mokuji] [しおりを挟む] 【clegateau】 |