05


「今日ももらってたな、お菓子」
「まぁ、ね」



あれから、海理からたくさん手作りお菓子を貰うようになった。クッキーからチョコレート、様々なお菓子。貰う俺は嬉しいし、海理も嬉しそうだから何も問題はないが、もらいっぱなしというのはなんだか悪い気がする。



「そこで緑川に相談なんだけどさ」
「ん?」
「海理に何かお礼しようと思って。何がいいか思い付かないんだけど何かアイデアないか?」



そうだなぁ、と腕を組む緑川。しばらくして腕は解かれ、俺が期待を膨らませ緑川を見ると、彼は爽やかな笑顔で言った。



「悪い、思い付かない!」
「おいおい…」



苦笑しながら鞄の中から携帯を出す。じゃら、と揺れたストラップを目にした緑川は、「あ!」と声をあげストラップを指差した。



「ストラップがどうしたんだ?」
「ストラップだよ、ストラップ!可愛いストラップ、プレゼントすればいいんだよ!」



腕を組み、満足そうにうんうんと頷く。たしかに、ストラップなら気軽に受け取れるし実用性がある。
俺は携帯を閉じると、緑川の腕を掴み家とは別の方向へ歩き始めた。



「基山、どこ行くんだよ!」
「ストラップ買いに行くから、付き合ってくれ緑川!」
「もちろん!」



***



翌朝、俺と緑川はいつもより早く登校し、海理が来るのを待っていた。



「海理ちゃんおはよー」
「おはよう」
「あ、保科」
「基山くん、緑川くんも。おはよう、どうしたの?」



プレゼント渡すのに、まさかこんなに緊張するとは思わなかった…

冷や汗をかく俺に海理が首を傾げる。そりゃ、朝登校したら友達が冷や汗かいてたら不思議に思うだろう。

俺は震える手で、可愛い柄の小袋を海理に差し出した。



「これは…?」
「いつもお菓子もらってるからさ、お返し…ストラップなんだけど、」
「ありがとう、開けてみてもいいかな?」



どうぞ、そう言うと海理は丁寧に袋を開け、中からストラップを出した。
緑を基調としたストラップ。四つ葉のクローバーがついていて、海理に似合うと思ってこれにした。



「可愛い!私、こういうストラップ好きなの、ありがとうね基山くん!」
「いやいや、こちらこそいつもお菓子ありがとう」
「うん!」



海理は嬉しそうにストラップをしまい、鞄を机の上におくと玲名の元へ行った。それを見計らったのか、遠くにいた緑川がこちらにやってきてぽんと肩をたたく。



「やったじゃん、すごく喜んでたな!」
「緑川も手伝ってくれたからさ、ありがとう。」


ポケットから自分の携帯を出し、ストラップを見る。海理と同じ四葉のクローバーのストラップで、俺のは水色だ。おそろい、そう思うと口元がつい緩んでしまい、手で隠していた。



(喜んでもらえてよかったな)
(あぁ)



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