マジック・ガールズ-3
5人の力を集結させたおかげで、地下金庫室には大きな穴が空き、一同は無事脱出できた。
新鮮な空気にありがたみを感じつつも、高水準のセキュリティの破壊に銀行員が嘆く。
「い、いやしかし、こーしないと我々はあのまま…」
「わかっとる!!おかげで死なずにすんだんだからなッ!!
まさか、ウチの行員にテロリストがいたとは…!!
私も普通人だが、あの連中のしたことは許さん!!人の命をなんだと思ってるんだ!!」
解決したことにハイタッチしながら、天理はその銀行員と皆本の会話を聞いていた。
当初はエスパーに多少の嫌悪感があった彼の偏見が、少し和らいでよかったと安心する。
「ぎっ?!」
「か…薫ちゃん!!」
またしても、ゴン、と嫌な音が響いた。
薫の頭に、金塊が重たい音を立てて落下したのだ。
だが今回は一つではなかった。金塊の雨が降っている。
薫がサイコキネシスで対応しようとするも、力が発動せず、2個、3個とまた頭に金塊が落下した。
「にゃーーーーーっ?!」
そして薫のサイコキネシスで飛んでいた一同は、薫の叫びとともに落下する。
「流石に金塊までは無理ぃー!」
慌てて天理がサイコキネシスを使って全員の落下を食い止め浮遊したが、さすがに金塊までは止められず、その雨からは逃れられない。
皆本の指示で葵のテレポートを使い、銀行の屋上に避難することができた。
金塊の他にも、金庫に保管されていた札束がひらひらと宙を舞い、街に降り注ぐ。
歩行者たちは天の恵みだと言いながら、それをかき集め始めていた。
「葵?!天理!?全部回収してくれっ!」
「うっわ〜〜!!めんどくさっ!」
「ほ〜〜い、いってきマッスル!」
「!マッスルと澪ちゃんは ?!」
天理のダジャレのおかげか、マッスルと澪の不在にきづく 紫穂。
地上に目をやると、マッスルと澪がまさに逃げるところだった。
金塊を抱えた澪が、中指を立てて言う。
「女王に言っときな!次は殺すっ!!」
「澪…!!」
おぶられていた薫が目を覚ます。
ちょうど金塊と札束を回収した葵と天理も戻ってきた。
(澪…行っちゃったな)
星が煌めく夜空を見上げ、不器用な友人に思いを馳せる天理だった。
_
-19-