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忍術学園 保健室


今日も不運委員会は薬の調合、怪我人の手当てや補充などなど、活動としては充実した時間を送っていた。


「皆おはよう!」
「善法寺先輩、おはようございます!」


包帯の補充をしていた乱太郎がこの保健委員会の委員長である善法寺に明るく声をかける。


「さて、今日も一日がんばら、うわああぁぁ!」
「先輩!!?」


外からやってきたのが不幸をそうしたのか、伊作は突然落とし穴に落ちてしまった。
不運なのはいつもと変わらないが、今回の落とし穴は深めらしく、乱太郎は手にもっていた包帯を投げ出して縁側から穴の中を覗いた。


「大丈夫ですかー!」
「まあ打撲程度かな!」


乱太郎が声をかければ、深い穴の中に反響して伊作に届き、また伊作の声も反響して乱太郎に届く。
伊作はすぐ近くにいるであろう人物に、穴の中から声をかけた。


「こら綾部ー!保健室前に穴は掘るなって言ってるだろー!」
「今日も不運委員長は健在ですねー」
「そうじゃなくてー!」


もう、と言いながら穴をはい上がる伊作。やっとの事で手がにょきっと地上に現れた時だった。


「ぐおっ!!!?」


ズドオオンと大きな音がして、さらには空から赤い何かが落ちてきて伊作はそれと一緒にまた穴の底へと落ちていった。


「伊作先輩!!?」
「…」


砂埃が舞う穴の中を覗く乱太郎。今のはさすがに綾部も心配になったらしく、穴の近くまで来てゆっくりと中を覗いた。


「……人?」


綾部がそう呟く。乱太郎をそれを聞いて、さっきの赤い何かの事だろうかと思った。しかしまだ砂埃が舞っている状態、それなのに綾部に見えたのだろうか。


「人、って……あっ!」


少しして砂埃が落ち着き、乱太郎にも穴の底がはっきりと見えた。

衝撃で目を回した伊作の上に倒れていたのは、長い赤髪の、不思議な服装をした女の子だった。




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