Act-21 零の計画 後編
予想外の攻撃。
想定外の攻撃。


僕らの計画以外の事が<リサイタル>で始まった。

僕らの計画を阻む奴ら。

綿密に計算した筈が。


―…… 先輩……! どうでしたか、僕のレポート?



”透、お前の計画は何時も群を抜いている。”
”ありがとうございます。”
”だが、お前のレポートには一つ弱点があるな”
”え?”
”狩るべき相手を見誤るな。 お前にはじっくり待つ、という事ができてない”
”行動は迅速に では?”
”誰もが 透と同じ様に動けると思うな!”
”……っ!”
”頭だけでも、胴体だけでも、尻尾だけでも駄目だ。透の計画では、透のように動ける人間だけで攻撃したら98%成功するが、透のように動けない人間がいた場合、雑魚が残り過ぎる”

100%の自信を持って提出した課題。
それを読んで一刀両断に突き返される。

”全員が理解できて行動ができない計画は共倒れだ。 そんな事も分からないのか!”
”ですが! 優れた統率者がいれば!”
”お前が統率者になっても誰も付いていかないぞ”
”なぜですか! 僕には幹部としての資質がないとでも!?”
”違う。 お前はすぐにでも幹部なれる資質はあるが、お前は外部の人間だ。 組織の構成員が幹部になって、下の連中がすぐに従うと思ってるなら、お前は何時までも幹部にはなれない。”
”…………どうすれば”
”諸星のようにじっくりと腰を据える事を覚えろ。 彼は一流の狙撃手で忍耐力も度胸もある。あいつが本気で敵に回ったら組織はM8位の大打撃を受ける事になるぞ。 今のお前では、M3位。 修復可能だ”
”M3?”

(何が違う? 諸星と僕と、何が、何処が違うと云うんだ!?)


先輩は、あいつを知ってから、何かと僕と比べて云う。


僕のドコが悪い?
僕はあいつ程射撃の腕は良くないけれど、それでも情報収集や盗聴技術はあいつよりも優れているという自負はある。
テニスは諦めたけれど、変わりにボクシングを学んで大概の奴等には引けをとらない自信もある



それなのに、 どうして!


いや……
僕は勝。
あいつだって”犬”
恐らくは……



主任だってわかってる筈だ。



それなのに、僕よりあいつを選ぶのか!?




(僕の立てた計画が)
あいつの所為で崩れて行く……!!



安室は壁をダンっ! と叩く。


………… エレーナ先生。


(僕の未熟さを 赦して下さい……)
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