Act-04 好奇心
「災難だったね、コナン君。」
1時間目が終わってやっと自分の席に戻るのを許されたコナンに、音楽の教科書を取り出しながら歩美が云う。
「あー まぁ、自業自得だから仕方ないよね」
「ジゴウジトク?」
「あ、自分のせいって事だよ。 読み始めた推理小説が思った以上に面白くてさ」
「でも、遅刻は良くないよ」
「小五郎おじさんが2度寝しちゃって、蘭姉ちゃんは朝練で5時半には学校に行っちゃってさ、7時すぎまで寝ちゃったんだ。 蘭姉ちゃんが気にして、朝練の途中で電話くれなかったらお昼まで寝てたかも」
「もう! コナン君ってば、転校生に悪いイメージ持たれちゃうよ」
「うん。気を付けるよ。」
コナンは苦笑する。
転校生は、とみればすでに光彦や元太を含む幾人かのクラスの子に取り巻かれて教室をでる所だ。
「皆、教室でるのがやけに早いね」
「ほら、白銀さん、心臓の手術してるから走れないって云ってたでしょ? だからじゃない? 音楽室と視聴覚室と、あと、理科室に家庭科室のある校舎は、一番遠いもん。」
「心臓の手術? 確かにそんな事言ってたね」
(日本よりも手術が受けやすいとはいえ、小学生で心臓の手術を受けて長期的な入院、という事はとは余程悪かったって事だろうが、薬の副作用で髪が抜けたとか肥満体系になっている、という状態じゃねぇ。 帝丹小は車での送迎は禁止だから、特別枠で使用許可を取っているだんろうが、学校に通えるとう事は殆ど完治してるのか、それとも軽度の手術だったのか)
「いこ! 音楽まで遅刻しちゃうよ 」
「そうだね」
コナンは歩美の言葉に頷きながら2〜3日前に有希子と優作からあった電話を思い出す。
”いーい? 新ちゃ… もとい、コナンちゃんのクラスに転校生が一人入るわ。 その子は優作の仕事の関係で知り合った警察関係者の大切な大切な、目に入れても痛くない位可愛がってる大っ切〜〜〜っな!! お嬢さんなの。 本当は私達がニューヨークで預かるって言ったんだけど、パパと一緒に日本に行きたいってゆうから、小学校は帝丹小学校でって、ごり押ししたのよ。”
”か、かーさん!?”
"いい事!? お父さんの仕事はとても危険な仕事なの。 せめて学校にいる間はコナンちゃんが護ってあげるのよ!"
”俺が!? んな無責任な!!”
”朝や夜は日本で後見をする家族が守るって云ってるわ。わかった!?”
”へーへー”
”下手に詮索すると、江戸川コナン=工藤新一ってバレル可能性もあるから気をつけるんだぞ、新一”
”父さん!?”
”日本を最近騒がせている怪盗KIDって知ってるな?”
”勿論”
”お前はTVの特集の数分程度でしか見た事がないだろうが、黒羽盗一というマジシャンがいてな、有希子も私も彼のマジックを2度程みているんだが、そのお嬢さん、桜ちゃんと云うんだが、怪盗KIDのニュースを見て、コピーキャットと云い捨てた”
”コピーキャット(模倣犯)!?”
”怪盗KIDの衣装は黒羽盗一のステージ衣装。マジックもほぼ同じでオリジナルじゃない。ただの人真似。 そう一刀両断に言い捨てた程の子だ”
”コピーキャットか…。 分かった。十分気を付ける。”
”勿論”、お前がひっそりと護るって事はオフレコだ。”
”あと、興味本位であの子の事を調べたら手が後ろに回って毛利さんに迷惑かける事になるかもしれないから狗の用に嗅ぎまわらないのよ! いいわねっ!”
”りょーかい……”
父さんと母さんが気にしているあの子。
灰原と同じように何か秘密を抱えている筈。
コナンは妙な確信を持った。
(それがなんなのか、これから探っていけばいい。かーさんやとーさんにバレない程度に、な)
コナンが音楽の教科書とリコーダーを持ち、歩美と音楽室へ向かった。
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