氷壁の姫 Act-16 壊れた絆
降谷は黒塗りのジャガーが有間邸から出てくるのを少し離れた場所から確認を取り、車に取り付けた高性能のカメラで録画を始める
フロント部分に銀色の見事な狼が描かれて目立つ事この上もないので後を付けるのも難しくはない。

(死んだ有間博士の愛車だったジャガー。 彼女は父親の遺産として譲り受けたジャガーをとても大切にして手入れをしている。 海外で医学を修め、博士号を取得、父親が先頭に立って作り出した病院に来たというので病院は連日の予約待ちの嬉しい悲鳴。 患者の為にと、一流の頂点のシェフ達を招き、病人がいる家族を中心に安い食材、家庭の材料で作る病人食とは思えない味のおかずやら美味しいデザートのイベントを開く。 巳恩が出資をしているスイスに本店があるカフェ・アルテミス。 親戚である京都の藤代一家が贔屓にしている京都の料亭が筆頭に立って、繋がりのある料亭やレストランシェフを紹介。巳恩の考えに同意したシェフ達は提示された材料費以上の材料を沢山持ち込んで ローカロリーのケーキ、アレルギー対応食。 マクロビオティックのオーガニック材料を使った家庭料理を教える。―…… 病院の公式ページに掲載されるイベントページには惜しげなくレシピが公開され、 次々と打ち立てるイベントは病院の別館にあるイベントホールが埋まる程人気だ )

「そのイベントが出来るのは亡くなった博士の遺産があればこそ、でしょう?」
「売名行為では?」
「親の七光とか」
「虎の威を借る狐?」

そんなコメントも多い。
そう、取材陣に聞かれた時

「売名行為だというのならそう思えば良い。私が親の七光で医師になったというのなら、スイスでの成績表を取り寄せてみればいい。 医学雑誌に掲載された論文が盗作かどうか調べればいい。 私が七光なら高校生探偵の工藤新一も父親が世界的有名な推理小説作家で母親は女優。 親が有名だからこそ、彼も中学高校の時から東の探偵とちやほやされた。西の探偵の父親は大阪府警の幹部。 だからこそ事件現場に顔を出しても大目に見て貰える。 彼等に同じ言葉を掛ける勇気が貴方にある?」
「私が計画したようなイベントをしたいなら、篤志家に援助を頼めばいい。お父様が青写真を描いた病院にお父様の遺産を使って悪いなら好きに噂をすれば良い。 真似をするならすればいい。 医師が患者と家族の笑顔を見たいと思うのがおかしいというならそう書き立てればいい。 宝石や絵画購入して怪盗との遊びに投じるよりも病院のイベントで使う方が役にたつわ。」

堂々とカメラに向かっていい放った姿は見事だった。

―… それを聞いた某青年二人と某財閥の一人が半分事実だけに反論できなかったというのは後で知った事だったが。

そして、殺された父方の祖母が京都の老舗呉服屋の娘で天才舞妓として梨園と政財界の大物が贔屓筋だった事も話題に上がったが、呉服屋が動じる訳も無い。

はんなり言葉でいなされる記者が続発しただけだった。
梨園の反応に至っては医学界から追放されたら梨園で引き取り養女に迎える覚悟もあると歌舞伎界の大御所が揃って名乗りを上げた。

公安として降谷が病院に情報収集にいった時は治療の一貫で、百人一首を使ったゲームをしていた。

「あれは百人一首、ですか?」
「はい。右に上の句の札を閉じておいて、左に下の句の札を開いておく。 右の札を開けて下の句のカードを見つける。レディドクター…… いえ、有間先生が思い付かれたゲームですわ。 普通のカルタでは無くて、色目も鮮やかな物を作ってあります。」
「崩し字は札が小さくて読めないのでは?」
「表は流麗書体に絵が描かれてますから 書道を習うか崩し字が解らないと読めませんが裏は楷書体なので読めますわ。両面トランプのようなもの」
「ですが老人にはカードは小さいでしょう? 折角作ってもお茶とかソースとかこぼしたりしたら」
「まだお若いのにカードが見えませんの? リハビリで使っているのは特注品で一回り大きなものです。抗菌ラミネート仕上げですから飲み物を溢しても拭けますのよ」
「……」
「マスターカードは普通のサイズで和紙で作って、文字は一流の書道家、絵柄は山水画の大家に描いて貰ったもの。勿論マスターカードの所有権は有間先生ですが、出来上がった時は病院のイベントホールで公開したんです。 リハビリに使う札と一緒に。 カードの御披露目イベントには百人一首の旧女王の服部夫人と新女王の大岡紅葉さん、カルタ制作に関わった書道家に画家さんが揃って着物姿で列席されて、和紙を提供してくれた会社さんも来たんですよ。 新聞社とTVの取材もあって、それは見事に華やかでしたわ。お土産に100人一首の札が着いたストラップを配りましたのよ。全部で100種類 選べないように和紙の袋に入ってましたけど。」
「資金がかかる割に元は取れ無いイベントだったのでは? それに 随分と時間のかかるゲームだと思います。病院なのにそこまで予算を掛けるなんて赤字経営もいいところだ」

降谷の言葉に看護師が笑みを氷らせた。

「無礼な刑事さんですね。」
「正直な感想です。カードを作るのに100万や200万じゃ聞かないでしょう? それをストラップを作ったりするなんて。 それに100首も当てるなんて患者が疲れるだけだと思いませんか?」
「リトルドクターから、公安のイケメン刑事は性格が悪いと聞いてなければ警備を呼ぶ所です。 卑怯な手段を使う事も多いとか? リハビリは多くても5首からです。探そうとする事が脳に刺激を与えます。考えるということで、認知症の予防にもなるんです。 見つけたよって、カードを見せてくれる時の嬉しそうな顔はリハビリ担当者へのご褒美です。治療の程度では、10に増えて20とかにも増やしますわ。 増やしていく=記憶力がよくなる、ですから、モチベーションもあがっていきます。 」

降谷にしてみれば本心の言葉でだったのだが、反撃をされた。
其処まで資金を使ってまでしまえば病院の売名行為と受け取られても仕方ない。

「僕は一般市民に脅しをかけるようなそんな卑怯な手は使いません」

(有間巳恩は俺を、赤井を毛嫌いしてるが、そこまで言っていたとはな)

「刑事さんにはお子さんも病気のご両親もいないようですね?」
「え?」
「家族がいればわかります。私達はプロですもの。刑事さんの目、もっと効率良い治療をしろと言わんばかり……」
「すいません! そんな積もりは」
「薬で寝たり起きたりの人も、自分の事がわからない人にも家族が居ます。家族は泣いてる患者よりも笑ってる患者に救われます。」
「―…… 俺は病気には素人なので。」
「なら伺います。 もし、癌だと宣告されて、抗がん剤や放射線を受けるとして、カロリー制限で美味しくない食事で辛い治療を頑張ろうと思いますか? 」
「―……」
「有間先生は、患者の生命力を呼び戻す事が治療の一つと考えているんです。 治療は辛いけど美味しいものが食べられた。 体力が着いた。 今日は50メートル歩けたから明日は100mの散歩にと、そう思えるようになれば。」
「でも、全員助けられるわけじゃない」
「そうですね。ならば、ご自身がここ以外の病院に入院為されば良い。 1人で食べる味気無い食事で活力が出るならば」
「それは」
「もし、刑事さんが有間先生を脅す為の情報を探るために来たのならお門違い。」
「脅すなんて、そんな積もりで来たんじゃ無いんですが、誤解される言動でしたら謝ります」
「有間先生はアイデアを出すだけじゃありません。 確かに無き有間厳先生の遺産が潤沢にあるからこそ出来ると言ってますが、イベントにかかる費用の殆ど、百人一首の札の時は全額、レゴブロックとか料理イベントでは7割以上を出されてます。 ですが見返りを求める事を一切なさいません」

乱暴な言葉こそ無かったが、降谷は病院にとって迷惑そのもののという対応だった。

(治療に関しては病人とその家族の事を考える)
そのスタンスは変わらない。

スピードが出せる車でありながら安全運転で、高速で煽ってくる不良共には警察に通報

(下手に跡を付けると藪蛇になるからな…)

ハンドルの上に置いた手に顎を乗せる形で溜息を吐いた。


2ケ月程度の休職処分とか、減俸処分は予測していた。
組織壊滅の暁には警視への昇進も内定していた。
階級を建前に上の許可を取らない盗聴も、ベルモットの正体を黙っていた事も、上層部にバレたら始末書の10枚程度は書かされるだろうと覚悟もしていた。
だが、地方に公安支部を新設するから支部長として赴任しろ、と言われる事は想定外。
警察署の空室を一つ公安課として借り受けたと笑顔で言われた。

自分を快く思わない上層部が公安から地方の警察署に移動させる位は想定していたが、その程度ならいくつかの事件を解決して功績を上げ直せば警視庁に戻り、公安へ戻る事も簡単にできると考えていた。

(まさか、東都にくるのに飛行機を使わなきゃならない南の国に行く羽目になるとは、ね)

「君の顔立ちは外国系で童顔だ。 向こうに行って得意の語学を生かして公安支部の実力を見せつけてきたまえ。 降谷”警部”」

にこにこと笑う局長

「地方への栄転が嫌なら、警視庁の交通課、いっそのこと免許更新センターで勤務でも構わない。逮捕権と捜査権も付与しないから頭を冷やすには丁度いいだろうね。 君の運転技術はカーチェイスで証明された通り交通整理で役立つだろう。」
「交通課には、可愛い子が沢山いると専らの噂だ。 探り屋として弱味を見つけて脅す楽しみができるかも知れないよ。 君の記憶力なら証明写真の使い回しをしている人の判別も作るだろう」
「自分は、そんな事は!」
「脅しも我々の許可の無い盗聴も、散々して来ただろう?」
「それは! 何回も説明しました! 工藤邸と阿笠研究所への取り付けた機材はすべて回収しました! ご存知でしょう? 」
「確かに回収報告は受けた。 君の正義感が強いのも承知だ。」

裁判所のような場所ー…… 5名程の幹部の前で必死に説明をするが効果は無い。

「そうやって、上司を睨み付けるのは楽しいかね?」
「!!」
「君が、辞表を出すのなら、君の部下達は減俸処分だけで済まそうと思ったんだがー……」
「減俸? どういう意味です?」
「君が移動辞令を受けるか辞表を出すのであるという態度であったなら減俸処分だけにしようかとも思ってた。 だが、即答できないのなら、彼らは減俸処分に加えて、降格、移動辞令を言い渡される」
「彼らに非はありません! 自分の命令にしたがっただけです!」
「ならば、辞表を出すか、降格移動辞令を受けれるかー……」
「それは」

(交通課で終わるなんて冗談じゃない。 日本を守る。 エレーナ先生が愛した日本を、東都を。 僕の国を)

"零君。強くなりなさい。 大きくなって、好きな人が出来たら、その好きな人が暮らす国を守る位強くなりなさい。"
"つよく?"
"暴力で負かすような事はダメよ? 暴力で人を使うのはダメ。 脅して自分の言いなりにさせてはダメ。 でも好きな人を守る位強く、優しい大人になりなさい"

(僕は、この国を守りたかった。 エレーナ先生が愛したこの国を)

多少無謀な事はした自覚はある。

組織はほぼ壊滅し、残った少数の幹部達の捕縛も時間の問題と言われている。
組織の薬で小さくなった少年も元の姿に戻り、研究者であった宮野志保もアメリカでの極秘裁判の後、証人保護を受け、日本から旅立った。

(なのに、何故!)

一般人宅への盗聴盗撮は法律違反だが、組織に繋がる手がかりを持つ家の捜査まで違法と言われるとは思って無かった。
例えそれが世界的に有名な推理小説家の家だとしても。

公安局長の立ち合いの元、その家に謝罪に行かされた。
家主は状況を良く把握していたために許してはくれたが、上層部は認めなかった。
組織壊滅の為にした事は是としても、今後自分達が対象になって、盗聴盗撮、プライベートを侵害されるかもしれない。
今回は有名人だから謝罪したが、一般庶民だった場合は揉み消すかもしれない。

一般家庭からのクレームは朝夜問わずで着信も留守電受付もパンク状態。公安局は降谷の勇み足として降谷を含む面々を丸ごと懲戒処分か訓戒処分か降格かと会議を重ねた。
そして、地方に赴任か左遷か免職か
降谷にとっては首肯出来ない選択肢が用意されたのだ。

「降谷さん。 俺達は降格されても左遷されても構いません。」
「俺達は警部を信じて動いたんです」
「FBIは、俺達の国をかき回した。 捜査権を持ってないのに銃を使った。でも、ニュースでは、捜査権を認められなくても戦ったとしか言われない。」
「だから、意に染まぬ交通課への左遷とか懲戒処分とかを受け入れないで下さい」

局長室に向かう降谷に風見たちが言った。

「お前ら―…?」
「降谷さん。 公安の上層部だって、本当は分かっているんです。 でも、俺達の行動は市民たちにバレてはいけない。 それがバレてしまった。 俺達の行動が甘かったから」
「風見? そんな事はない。 俺の指示が悪かったんだ。 組織とFBIへの私怨を交えた俺の責任だ」
「俺達は降格処分を受け入れます。 だから、降谷さん。」
「何年掛かってもいいから、必ず戻ってきて下さい。」

あいつ等はそういって笑った。

(俺が懲戒処分を受け入れ、公安から離れれば、あいつらは公安に残る事が出来たかもしれない。)

即答できなかった降谷は局長の鶴の一声で30分以内の退社と一週間の有給休暇を言い渡され、旧家中の間は出勤に及ばずとIDを没収された。
上層部は降谷が居ない間に次々と公式の辞令発表した。
ニュース番組でそれを知り公安に駆けつけたものの、正門で顔見知りの警備員に止められた。
降谷を入れたら解雇処分になると言われている、と。
公安に残り、降格処分で済んだ部下は片手でお釣が出る程数名。
左遷で季節外れの移動をした部下は親に一家の恥だと泣かれた。
左遷が決まり、離婚を要求された部下は親権を請求せずに黙って離婚届けにサインをした。
結婚式こそあげないが入籍目前だったのに降格処分された相手は親族に合わせる顔がない、と婚約者の家族に言われて幸せになる未来を消されてしまった…

全ての責任は俺にあるのに、俺が復活できる機会を残してくれた。

内定していた昇進の話は永遠に封印される事になり。地方への移動を受け入れた降谷は降格や左遷が決まった部下たちの家を1件ずつ回って頭を下げた。

既に新居で同棲し、後は日よりの良い日に入籍をして形ばかりだが教会で親族写真をとるだけだった部下の済むマンションのゴミ置き場に切り裂かれた白いドレスと無残に割れた食器類が投げ出されているのをみて、部下を引き連れて婚約者の家に行けば自殺未遂で病院に搬送されていた。
花束を持って病院にいけば、相手には会えず、両親に2度と来るな、弁護士を通じて訴訟を起こすと追い返された。
別な家では息子の左遷はお前の所為だと玄関に飾ってあった花瓶を投げつけられたが、唇を噛みしめて頭を下げた。
さっさと離婚して幼い子供と一緒に実家に帰ってしまった部下の実家にも頭を下げに行ったが、夫の未来は降谷に殺された、と責められた。
念願の公安に配属になったばかりの部下には警視庁に移動辞令が降りただけだが、親には、君が責任をとって直ぐに懲戒処分を受け入れれば、息子は公安に残れた筈だと言われた。
別な一家には職を喪うのが嫌で、居残る為に部下達に左遷や降格処分を受け入れる事を強制したと云われたが、反論せずに黙って、頭を下げた。

降谷を庇って、父親に恥さらしは家を出て行けと絶縁を言い渡された部下。
兄弟達に責められる部下。

(俺は、いつかあいつ等を呼び戻す。バラバラになった家族の絆を元に戻す義務がある。)

一緒に苦労をしても添い遂げようとしたのは僅かに1名。

ただ、その1名の女性がいて、降谷は救われた。
結婚もせずに同棲していただけだが、降格が決まった風見の恋人の萌花である

「風見の事を、お願いします。風見は俺の片腕です。 風見と、萌花さんに何かあった時は、俺が全力で守りますから…! 暫くは風当りが厳しいでしょうが… 風見の事、頼みます!」

通された居間で、降谷は直立不動で女性に頭を下げた。

「解ってます。 誰が悪いわけでもない。 降谷さんもこの人も行き過ぎた行動は反省すべきですが、恥ずべき事をしたわけじゃない。 私だって働いてます。 少しですが貯金もあります。 この人の両親も、私の両親も、お姉ちゃんも、お兄ちゃんも解ってくれました。 来月、親族だけでお式あげるんです。」
「式を?」
「萌花の家族が形だけでも正式にと言ってくれたんです。 別れる事も覚悟してたんですが」
「人は、幸せになるために産まれたんです。 私もこの人も。降谷さんも、FBIの人も。」
「幸せに?」
「そうでしょう? 犯罪者にも立ち直る機会があって、幸せになる権利があっても良い筈です。」

にこりと笑った女性だったが、その瞳に不安を見た。

「萌花は俺には過ぎた女です。 本当は全部かたずいたら、ちゃんと紹介する予定だったんですが」
「そうだな。 お前には勿体ない女性だな。 大切に、するんだぞ」
「勿論です。」
「もし、こいつが手をあげるような事をしたら、泣かされるような事をしたら、俺が、説教してやります。何時でも連絡を下さい」
「ふふっ わかりました。 浮気したら報告します」
「その時は逮捕して、死刑だな。」
「ちょっ 降谷さん! 萌花も!」
「わかってる。 貴方は浮気なんて出来い堅物だって事」
「悪い悪い。」

仲の良い二人の姿は、降谷にとって、僅かではあるが救いとなった。

(だから、俺は、一生かけて逃亡した奴等達を捕縛して、法の裁きを受けさせる)

目先の事に囚われるな

赤井が言った言葉。

(もし、有間巳恩の持つ情報源を使えたら)

1年、は無理でも2〜3年ほどで東都に戻り公安に復帰して第一線で活動する事も可能なのだ。

探りやとして組織にいる時にわかった事だが白の組織の存在は世界中の財閥のトップやら大物政治家の間で密やかに噂される。
宮野志保はその存在を知っており、解毒剤に必要な薬品の取り寄せに巳恩の力を借りたが代償に阿笠や新一達との縁を切る羽目になった
宮野志保の言葉で白の存在を知った工藤新一と服部平次は白の存在を暴きたいらしいが、自分とそして、親しい人の命を喪う覚悟で挑めと宣戦布告された。
自分とて下手に動けば降谷を知る人を全員証人保護で逃がさなくてはならい程だ

巳恩は白の組織に守られ、そのトップ集団に愛されている事を忘れてはならないと、降谷はかなりの車間距離を取りながら肝に命じて、後を追った。
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