present





18

—轟side

※最初の方だけR指定

朝のその生理現象は、男にとって非常に辛いものがある。


『ぐっ...ぁ...なまえ...はっ...なまえっっ』


目蓋の裏側に浮かぶ女の名を呼びながら、俺は右手を上下にゆるく動かす。
外からチュンチュンと鳥の鳴く声がするが、今はそれを気にしてはいられねえ。
兎に角早くこの熱を沈めたい。

左手で掛け布団を横に退かし、一旦握っていたソレを右手をそれから離して両手でズボンとパンツを一緒に少し下げる。
そして再び右手で熱く硬くなったソレを上下に摩る。
今度は少し激しく。

『はっ...ぁ...』

やべえ。
今日は、一段と気持ちいかもしれねえ。

シュコシュコと右手の上下運動を繰り返す中、時折親指で亀頭をグリっと弄る。
先端から我慢汁が止めどなく溢れて、ぐちょぐちょっと粘り気のある音に思わず耳を塞ぎたくなった。


徐々に迫ってくる射精感に腰が少し浮き始める。
何を興奮材料にしているのかと問われれば、一つしかない。


——轟くんって私の事好きなの?


昨日、なまえの口がその言葉を紡いだ。
勿論俺はなまえが好きだ。
こうして朝勃ち現象が起こったら、大体なまえの事を考えながら熱を鎮めている。
いつからそうしているのかは、覚えてねえがあの卒業式あたりからだったかもしれねえ。

性的な目で見ていた訳では無いが、100%そうかと問われたら多分俺は何も言えなくなる。
ただなまえを目で追ったり、その声が聞こえれば思わず振り向いちまったり、思い返せば異性へ向ける好きというものを、俺は自然となまえへ向けていたのだと、本人に言われて気付いた。

こういった事には疎いとばかり自分で思っていたが、昨日はストンっと自分の中に落ちてきた。
戸惑うどうこうじゃなく、寧ろスッキリした。

俺はずっと、なまえを異性として好きだったんだ。


その事を思うと、さらに身体中が熱くなり始めた。
この気持ちを言葉で言うなら、恥ずかしい。というのだろうか。

相変わらず止める事なく動かしていた右手に思わず力がかかる。


『っ......』


腰が少し跳ね、そのまま腰を前後に動かした。


『ぁっ...なまえ...っ...で、でるっ!』

左手で無意識に取っていたティッシュで限界のソレを覆う。
びゅっびゅとティッシュ越しに掌をノックする感覚に、目の前が少しチカチカした。


『はっ…はぁ…はぁ..』


残った精子を全部出し切るように、下から上にゆっくり力を入れて右手を動かす。
溜まっていたせいか、沢山出た気がする。

射精後の倦怠感となまえで抜いてしまった事で少しだけ罪悪感が生まれる。

だがそうもしていられず、俺はささっと数枚取ったティッシュで精液まみれのティッシュを包む。

一度脇にそれを置き、熱の治ったソレをティッシュで綺麗に拭き、またそれをティッシュで包み、合計二つのティッシュの塊を部屋の角にあるゴミ箱の奥深くへ入れる。

確か燃えるゴミは明後日だ。
前日の夜に姉さんがゴミ出しの準備をするから、それまでに纏めて出せばいいだろう。

乱れた布団達を畳み、部屋の隅へやる。


『......やべえな』


スマホを片手に、時間を確認するが思ったより時間がねえ。
これだから平日の朝勃ちはあんまり好きでは無い。

俺はゆっくりシたい派なんだ。
そうぼんやり思いながら少しだけ早足で部屋を出た。






...






急いで支度を終え、学校に着けば意外といつも通りに到着した。

—ガラっ



後ろのドアを開け、教室に入れば前の方で少し人集りが出来ていた。
何事だろうかと思いながらも、自席に鞄を下ろす。

隙間から見えるのは、狐の耳と尻尾。
復帰してきたなまえを皆が囲っているのか。

昨日見たなまえの元気そうな顔と、今朝なまえで抜いたという少しの罪悪感を同時に思い出す。


「あ、轟くん!」


人集りの中から、緑谷が俺を呼ぶ。



何だ、お前もそこにいたのか。



”緑谷くんとはただのクラスメイト”


なまえが昨日言った事だ。
一瞬で産まれたこの感情がどういう物かは分からねえが、俺は緑谷に鋭い視線を向けた。


「ぇ、あー…えっと…狐森さん、来てるよ」

数人がこちらに目を向けてくる。
緑谷はどこか気まずそうに苦笑いを浮かべている。

そんな中、輪の中心にいたなまえが立ち上がった。



『ちょっとトイレ行ってくるね!』



その言葉と共に、ちらほらと皆が自席に戻っていく。
なまえは言葉通りトイレに行くのか、くるっと体を反転させ後ろのドアへ向かおうとしている。

途中、俺の席までくると一瞬目が合う。


お、は、よ。


そう口を動かし、ニッコリ笑った彼女にトクンと胸が跳ねた。


気付けば教壇には変わらず包帯まみれの相澤先生が立っており、もうそんな時間か?っとスマホで確認すればなまえと顔を合わせてから数分が経過していた。
その数分間何してたんだ?

考える余裕もなく、授業が始まろうとしていたので俺は急いで教材を机に出した。


ヴヴッとカバンに閉まっていたスマホが震え、なまえから一件のメッセージを受信していた事に気付くのは次の休み時間だった。



[今日一緒に帰ろう]





キリが良いのでこの辺で。
次から体育祭入っていきます。
そしてこの話は、ただ轟が主を思って自慰するシーンが描きたかっただ笑






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