present





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>>轟Side

「お疲れ様でしたー!!」
「 「 Puls Ultraー!! 」 」




大盛り上がりの体育祭が幕を閉じた。

俺は左手をグーパー握るのを繰り返し、今日のことを思い返していた。

「〜〜〜〜っ」

隣からは、鎖で体を縛られ、口で金メダルを咥えながら俺に無言の威嚇してくる爆豪がいたが、俺にはそんな事気にしてられなかった。


緑谷のお陰で、俺は今日色々吹っ切れる事が出来た...

けど、まだ清算しなきゃ行けない事がある。



..




「つうことで、明日と明後日は休校だ。体育祭を観戦したプロヒーローから指名などもあるだろうがー...。」


制服に着替え、教室に戻ってきてから俺達は明日以降の予定についての説明を聞いていた。

正直心身ともに今日は疲れているから、すぐに帰りたい気持ちだった。


けど——。



「なまえちゃん、大丈夫かしら。」

「あぁ、最後の炎凄かったもんな...」


蛙吹と切島の話し声がチラッと聞こえてきた。

小声で話しているつもりだったんだろうが、切島の声が思ったより大きくて、多分教室の皆に聞こえていたと思う。

勿論話の途中だった相澤先生にも聞こえていたようで、教卓の前でデケェため息を吐いていた。


「...狐森だが、体力が持たなくて気絶しただけだ。相当体に負担があったみたいだが、一日休めば問題ないそうだ。」

その説明を聞いて皆がホッと胸を撫で下ろしていた。

俺もその1人だった。




...今日、なまえとちゃんと話せていない。


いや、違うな。

俺が避けてしまっていた事が原因であって、なまえが俺のことを気にかけてくれているのは気付いていたんだ。



ただ、朝からイラついていた俺は、純粋に彼女と話すと傷付けてしまう言葉が出ちまいそうで怖かった。

だから敢えて距離を置いていたつもりだったんだが……。


いつも斜め前に座ってピョコっと耳を動かす彼女の姿が瞼の裏に浮かんで、胸が重くなるのを感じた。




あの爆豪との試合で、なまえは明らかに様子が可笑しかった。

何かあったのだろうなんて事は、きっと俺以外も感じ取っていただろう。


試合が進み、なまえを中心に天高く上がった青い炎に、皆が一斉に上を見上げた時だろうか...

俺はUSJで見たあの炎の柱を思い出した。

あの時と同じ..いや、それ以上の威力と熱を感じ、驚いた。


そして何より——。




綺麗だと思った。





恐らく個性が暴走したんだろうが、最後は自分で収められていた様で純粋にすげぇと思ったし、多分嫉妬した。

俺は自分の炎が暴走したら止められる気がしねぇからな。




「以上だ、解散。....あぁそれと、爆豪。狐森の荷物を保健室まで届けてやってくれ。ついでに顔面爆破した事、謝っておけよ。」


ピシャリと閉まった扉。

最後に指名された爆豪に皆の視線が向くが、めんどくさそうに舌打ちを一つ漏らすとなまえの席に置いてあった鞄を引っ掴んで教室を出ていった。



俺はハッとして爆豪の後を追う。





「爆豪!」

「...あァ?」

「...俺が、行く。」



引き止められ、心底嫌そうな声と顔で振り返る。

赤い瞳が揺れ、鋭くコチラを睨みつけてきたが俺はなんて事なく鞄を受け取ろうと手を伸ばした。







「失せろ、舐めプ野郎が。」






パシッと弾かれた手に、思わず目を丸くする。




「えぇ、待ってなになに、まさかのそういう感じ!?」

「そこの三角関係!?」


ひょこっと教室から顔を覗かせた葉隠と芦戸が後ろで黄色い声をあげていたのが聞こえる。


俺はそんなのどうでも良くて、今し方弾かれた手を見つめた。

顔をあげれば、とっくに爆豪はいなくなっていた。








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