- ジョセフ -
支援C≫

ジョセフ「はぁ……」

ファイ「ジョセフさんこんにちは。ため息ついて、どうされたんですか?」

ジョセフ「ファイか。それがの、わしのアデリーヌが、最近祖父離れしとるんじゃ」

ファイ「それはお辛いですね……」

ジョセフ「して、お前さんも確か年頃の娘がおったの?」

ファイ「はい。でも、僕はルルーとは良好な父娘関係を築けていますよ。昨日も娘と美術展に行ってきました」

ジョセフ「ほっほっほ、そう言っておれるのも今のうちじゃ。女子はの、惚れた男が出てきた瞬間、わしらから離れていくもんじゃよ」

ファイ「ということは、お宅のアデリーヌちゃんは、もしかして……」

ジョセフ「そうじゃ。男に惚れた腫れたしとるんじゃよ」

ファイ「えーっと、確かアランという名前の魔法使いの男ですよね?」

ジョセフ「お前さん、アランを知っておるのか」

ファイ「知ってるも何も、前々からアデリーヌちゃんは『あたし、アランだーい好き!』と公表してましたし……」

ジョセフ「な、なんということじゃ……」

ファイ「お気持ちは察しますよ……」

ジョセフ「『おじいちゃん!世界で一番だーい好き!』と言ってくれるアデリーヌはもうおらんのか……」

ファイ「寂しいですね……。そう言えばうちのルルーも昔は『世界で一番お父さんが好き!』って言ってくれたんですよね」

ジョセフ「お前さんとこもちょっと目を離した隙に変な男に取られるぞ」

ファイ「えぇー、うちのルルーに限ってそんなことないですよ。ところで、アデリーヌちゃんと何があったのか、聞いてもいいですか?」

ジョセフ「わしはな、アデリーヌをサファリパークへ連れて行ってやろうと思って、チケットを2人分買うたんじゃ」

ファイ「アデリーヌちゃんは動物が好きですよね」

ジョセフ「それでの、アデリーヌにチケットをあげたら『もう1枚もらってもいい?』って言われたんじゃよ。はてさて、一緒に行くのはわしなのに、なーんでアデリーヌが2枚チケットを持つんじゃと疑問に思ったら、アデリーヌが言うんじゃ。『アランを誘って2人で行ってくる』と!」

ファイ「それは泣いてもいいですよ……」

ジョセフ「アデリーヌよ、わしよりもアランがいいのか……。おじいちゃん悲しいぞ……」

ファイ「うわぁ、ジョセフさんの話を聞いてたら僕まで辛くなってきました」

ジョセフ「わしはアデリーヌに変な虫がついてしまったから、これからゴ○ゴ13を雇うために孫貯金をするつもりなんじゃ。お前さんも早いうちから貯金しとったほうがええぞ」

ファイ「まぁうちのルルーに限ってそんなことないと思いますけど、いざって時の為に貯金しておきますね。アドバイスありがとうございます」



支援B≫

ファイ「はぁ……」

ジョセフ「ファイよ、どうしたんじゃ。ため息なんてついておってから」

ファイ「ジョセフさん〜聞いてくださいよ〜」

ジョセフ「な、なんじゃ。どうした」

ファイ「うちのルルーに変な虫がついたんですよ!!」

ジョセフ「な、なんじゃと?!それは誠か?!」

ファイ「はい、この間僕はジョセフさんにルルーと2人で美術展に行った話をしたじゃないですか。あれ、実はルルーが男からチケットを貰ってたんですよ!!」

ジョセフ「その男というのはセントシュタイン城に勤務しとるインテとかいう名前の兵士か?」

ファイ「ど、どうしてそれを?!」

ジョセフ「実はの、昨日ルルーちゃんがその者と2人で食事に行っていたのを見たんじゃよ」

ファイ「うわー!!それですよ!久しぶりに娘と2人で食事にでも行こうかなって思って誘ってみたら、『もう約束しているから』って断られたんです!てっきりリディアちゃんと行くのかと思ったらまさかの男!しかも2人で!その上、チケットを渡した美術展の感想を聞きたいからっていう理由までつけて!」

ジョセフ「それはもう9割がた "デキてる" のぅ」

ファイ「嫌だ!僕はそんなこと信じたくない!」

ジョセフ「分かる。お前さんの気持ちは分かるぞ。ちなみにアデリーヌは昨日アランに渡すのだと張り切ってお菓子を作っておった。わしにはくれなかった」

ファイ「うちのルルーも『インテさんに食べていただこうと思って』とか言ってクッキー作ってました!僕には端が焦げた物だけくれました!」

ジョセフ「貰えるだけありがたいぞぉ。そのうち『ちょっと焦げてても食べてくれるの!』とか言い出すからの」

ファイ「う、うわぁー!!」

ジョセフ「お互い貯金を頑張ろうぞ」

ファイ「はい、そりゃあ勿論!うちの子につく変な虫は撲滅しなければ!」

ジョセフ「一緒にゴ○ゴ13を雇おうの」



支援A≫

ファイ「うーん」

ジョセフ「うーん」

ファイ「あ、ジョセフさんお久しぶりです」

ジョセフ「久しぶりじゃの。どうじゃ、サバサバ?」

ファイ「サバって確か魚のサバじゃなくて、調子はどう?っていう意味でしたよね」

ジョセフ「そうじゃ。ちなみに主に娘さんのことじゃ」

ファイ「そうですね……。なんか、インテさんとは上手くいっているみたいです。とても幸せそう」

ジョセフ「そうか……」

ファイ「ジョセフさんのお宅はどうなんですか?アデリーヌちゃん」

ジョセフ「どうもアランにはその気はないみたいじゃがの。アデリーヌは諦めずに健気に頑張っとるよ」

ファイ「そうですか……」

ジョセフ「貯金、進んどるか?」

ファイ「それがですね、最初はゴ○ゴ13を雇いたい一心で貯金を頑張ってました。でも、最近になって、ルルーが幸せそうだから、別にいいかなぁ、と」

ジョセフ「わしもじゃよ。それに、恐らくアデリーヌの恋は実らんよ。見れば分かる。きっと、アデリーヌとってはいい経験になるはずじゃ」

ファイ「そうなんですね……。うちのところは最近お付き合いを始めたみたいです。しかも、結婚を前提に」

ジョセフ「なんと!じゃが、わしも相手の男を見たが、お前さんの娘さんを不幸にするような悪い男ではないと思うぞ。ちょっとばかし娘さんと歳が離れておるが。別にそういう趣味でもなさげじゃしの」

ファイ「僕もそう思います。今度、正式に挨拶に来るみたいです」

ジョセフ「寂しいのぉ……。寂しいのぉ……」

ファイ「初めは人の娘に手を出すクソ野郎って思ってましたけど……。幸せそうな娘を見て、この人なら娘を任せてもいいかなって思うようになったんです」

ジョセフ「そうか」

ファイ「でも、貯金は続けますよ。ゴ○ゴ13を雇う為じゃなくて、娘の結婚式を挙げるために」

ジョセフ「そうか!わしもアデリーヌのために頑張って貯金を続けるぞ!アデリーヌに世界一素敵なドレスをプレゼントするんじゃ!」

ファイ「あはは、世界一素敵なドレスを着るのはうちの娘ですよ」

ジョセフ「何を言うとるか。わしの孫に決まっておろう!」

ファイ「……」

ジョセフ「……」

ファイ「ははは」

ジョセフ「ははは」


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実は最初の段階では支援Aでガチでゴ○ゴ13を雇うというオチだったのですが、流石に物騒だと思って変えました。