- ルルー -
≫支援C

リディア「ねぇルルー、今時間ある?」

ルルー「はい、特に用事もありませんし……。どうかされましたか?」

リディア「美味しそうなお菓子を見かけたから買ってみたんだけど、良かったら一緒に食べない?」

ルルー「まぁ、私なんかに気を使っていただいてすみません。いいんですか?」

リディア「いいのいいの!せっかく一緒に旅してるわけだし、しかもルルーは同年代の女の子だから、仲良くなりたいなって思ってたの」

ルルー「そうだったんですか……。嬉しいです。ぜひ、ご一緒させてください」

リディア「良かった。それならさっそく食べましょ!ええと、紅茶か珈琲でも入れようと思うんだけど、ルルーはどっちがいい?」

ルルー「そんな、自分の飲み物くらい自分で用意します。そこまでしてもらうわけには……」

リディア「あ?もしかして紅茶も珈琲もダメな感じ?」

ルルー「い、いえ。そういうわけでは……。どちらかと言えば珈琲のほうがよく飲むので珈琲派かもしれませんが、紅茶も好きです」

リディア「そっか!珈琲が好きだなんて大人!それなら珈琲にしよっか」

ルルー「ちなみに、リディアさんは珈琲と紅茶、どちらのほうが好きですか?」

リディア「うーん、私は紅茶かなぁ。実を言うと、珈琲の苦味にはあまり慣れてないや。ていうか、この際ぶっちゃけるなら珈琲よりも紅茶よりも緑茶が好きよ」

ルルー「でしたら、緑茶にしましょう。お菓子を用意していただきましたし、お茶は私が淹れますよ」

リディア「別にいいよー、私に合わせなくても。そもそも、あまり緑茶と相性のいいお菓子じゃないから……」

ルルー「あ、そうなんですね。でしたら紅茶にしましょう」

リディア「そうしてもらえると嬉しいな。ありがとうね」

ルルー「いえいえ。こちらこそお茶会に誘ってくださってありがとうございます。4人で食卓を囲むのもいいですけど、女の子同士で会話を楽しむのもいいですね」

リディア「正直、ルルーってあまり人とワイワイするの好きじゃなさそうだから誘うの迷惑かなって思ったんだけど、そう言ってもらえるなら私も嬉しい」

ルルー「確かに大人数でワイワイするのは苦手ですが……親しい友人数人でのんびりお喋りをするのは好きです」

リディア「なら良かった!」

ルルー「じゃあ、私は紅茶を淹れてきますね」



≫支援B

ルルー「リディアさん、リディアさん」

リディア「ルルー……。どした?ルルーの方から話しかけてくれるの、珍しいよね」

ルルー「あ……、はい。ええっと、この間はどうもありがとうございました」

リディア「お菓子の件?別に気にしなくてもいいのに」

ルルー「いえいえ、とても楽しかったですし、今日はお礼にと思って……」

リディア「お、お礼?!大したことしてないし、あれはそもそも私がルルーとお話ししたかったから……」

ルルー「私もお菓子をご用意してきました!!ベクセリアにいた頃、よく贔屓していたお菓子屋さんの焼き菓子でして」

リディア「わー、ありがとう!ルルーのおすすめ、どんなお菓子だろう」

ルルー「私、リディアさんとはもっと仲良くなりたくて……。でも、私はあまりお話するのが得意ではないですし、リディアさんはお菓子がお好きなようですから、きっかけになればと思って……」

リディア「嬉しい!でも、もっと気軽に話し合える仲になれたらいいね。私も頑張るからさ。ほら、せっかくの縁で一緒に旅してるんだし」

ルルー「はい、私もそう思っています。もっとリディアさんのことが知りたいです」

リディア「本当?だったらなんでも聞いて!なんでも答えちゃうよ!」

ルルー「でしたら……。リディアさんが腕につけているブレスレットはどちらで買われたのですか?最近になってからそのブレスレットを見かけるようになったのでちょっと気になってました」

リディア「ああ、これ?三日くらい前にダーマ神殿に来ていた商人さんから買ったんだ。どうも僧侶に転職するつもりだったらしくて、転職の前に商売道具をあらかた売ってしまおうと考えてたらしくて、かなり安くしてもらったの」

ルルー「へぇ、そうなんですね。前から思っていたんですけど、リディアさんってオシャレですよね」

リディア「そうかなぁ。だって、今が一番オシャレを楽しめる時じゃない!まあ、私はあと数年は17歳をやるはずだけど……」

ルルー「私も興味あるのですが、どうにも気後れしてしまって」

リディア「そんな、ルルーだって素材がいいんだから勿体ないよ!あ、今度私とサンディでルルーのコーディネートを手伝ってあげようか?」

ルルー「ええ?!そ、それは恥ずかしいです……」

リディア「大丈夫!きっと私たちの会話、サンディも聞いてるだろうから、こうなったら実力行使よ!」

ルルー「だ、駄目です恥ずかしいです……!あ、話は変わりますけど」

リディア「そこで話をそらしても駄目!」

ルルー「リディアさんって、所有しているアクセサリーも結構な数ですけど、髪飾りはいつも同じものを付けていますよね。リディアさんのお気に入りなんですか?」

リディア「そうだよ!髪飾りは私の一番の宝物なの!」

ルルー「そうなんですね。とっても大切にされてますし、大事な物なのだろうと思っていたんです。よければ髪飾りのお話を聞かせていただいてもいいですか?」

リディア「髪飾りはね、話せば長くなるんだ。せっかくだからお菓子を食べながら語るね」



≫支援A

リディア「この焼き菓子、とっても美味しいね。気に入ったよ」

ルルー「ふふ、気に入っていただけて何よりです」

リディア「で、この髪飾りのことだっけ?」

ルルー「はい。リディアさんにとって、とても大切なものですよね?」

リディア「これはね、私のお師匠様からいただいたものなの」

ルルー「リディアさんのお師匠さんですか?」

リディア「そう。お師匠様。私、この髪型が気に入っていて、いつもこの髪型にしているんだけど、ある日それまで使っていたゴムが切れてね。そしたら、『いつも頑張っているから』って言って、私にくれたんだ!」

ルルー「そうなんですか。リディアさん、お師匠さんのことが大好きなんですね。お師匠さんのことを話している時が一番笑顔ですもの。リディアさんのお師匠さんってどんな方だったんですか?」

リディア「イザヤール師匠は……。逆にさ、ルルーはどんな天使だと思う?」

ルルー「ええっ?!まさか自分に振られるとは思ってなかったです。そうですね、あまりリディアさんのお師匠さんのお話は伺ったことがありませんでしたが、私がイメージするリディアさんのお師匠さんは」

リディア「うんうん!どーんとどうぞ!」

ルルー「男の方だと伺っていますが、きっとセミロングのストレートで、中性的な麗しいお方ですね!華奢で儚くて……。どうです?当たってますか?」

リディア「残念。一つも当たってない……」

ルルー「そうですか……」

リディア「まず、お師匠には髪がないの……。気持ちを引き締めるために剃っていると聞いたわ。全然中性的じゃないし、むしろ体格もがっしりしていて『たくましい』って表現が似あうと思う」

ルルー「なんだか私の想像していた天使像とかけ離れてますね……」

リディア「でしょー。お師匠様って天使って柄じゃないもん。それにね、いつも難しそうな顔をしていらっしゃるから、私みたいな下級天使はちょっと怖いかもって言ってるし……。でもね、皆は知らないけど、私のお師匠様は誰よりも私のことを理解しようとしてくれるの!」

ルルー「へぇ……。リディアさんはいいお師匠さんと巡り合えたんですね!」

リディア「そりゃ、確かに厳しい方ではあるし、いつもいつも褒めてくださるわけでもないし、お師匠様自体天使として優秀なお方だから、その弟子っていうプレッシャーが付きまとってくることもあったけど」

ルルー「リディアさんも苦労なさったんですね」

リディア「それでも、誰よりも真面目で誰よりも他人に対する愛情が深くて誰よりも自分に厳しいお師匠様はかっこいいし、憧れるし、だからとっても好き」

ルルー「何となく、リディアさんの話を聞いているとリディアさんがどれだけお師匠さんのことを想っているのか分かりました。きっと、言葉では表現できないくらい、大きな気持ちなんですね」

リディア「ルルーはさ、そういう人はいないの?私にとってのお師匠様みたいな」

ルルー「うーん、私のケイトに対する好きとリディアさんのお師匠さんに対する好きはちょっと違うみたいですし……。だからリディアさんが少しだけ羨ましいです。私も、誰かを一途に想ってみたいです」

リディア「ルルーもいつかきっと、そういう人に出会えるよ」

ルルー「そうですかね?自分ではよく分からないのですが……」

リディア「好きって言うのは何の前触れもなく突然やって来るものなの。あ、そうだ。いつかルルーにも好きな人ができたらまたこうやってお喋りしよ!私、人の恋路を聞くのも大好きだから。私がいつか天使界に戻っても、なんやかんやの方法を見つけて会いに行くから!」

ルルー「そうですね。その時を楽しみにしてます」



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ルルーがイメージしたイザヤール像はエルギオスです。