- ルルー -
≫支援C

ルルー「あのー……」

インテ「ルルーか、どうした?」

ルルー「いえ、その。ログさんが今日の夕食は何がいいかをインテさんに聞いてきてほしいとのことで……」

インテ「なるほど、それで君がログの代わりに俺に聞きに来たということか」

ルルー「はい。どうも、ログさんは食料の調達に行かれるらしくて」

インテ「いや、それは嘘だな。ログは俺に後ろめたいことがあるから敢えて用事があるふりをしてわざと君に頼んだ。待ったく……どうしようもないやつだな」

ルルー「ログさん、一体なにをやらかしたのでしょう……」

インテ「しかもリディアにではなく君に頼むあたり、相当後ろめたさを感じているとみた。はぁ……。そうだ、本題だが、俺は辛味噌が食べたい気分なんだ。そうログに伝えておいてもらえると助かる」

ルルー「辛味噌、ですね。伝えておきます。ところで、それはもしや……」

インテ「ああ、これか。ジグソーパズルだ」

ルルー「懐かしいですね。あら、あと一ピースで完成じゃあないですか」

インテ「多分これは完成しない」

ルルー「え……?どうしてですか。あと一つなのに……」

インテ「最後の一ピースがないんだ。探しているが、なかなか見つからなくてな」

ルルー「私も探すのをお手伝いしましょうか?二人で探したら見つかるかもしれないですし」

インテ「そこまで気を使ってもらわなくても大丈夫だ。それに、元々俺はジグソーパズルを完成させたことがない。いつも最後の一ピースをはめる前に崩してやり直しだ」

ルルー「……?」

インテ「おかしな話だろう。なんだか完成させるのが勿体なくてな」

ルルー「もったいない、ですか」

インテ「ずっと未完成のままにしておきたい、と思う。……こんな話をしてもルルーも困るだけだな。俺は一旦部屋に戻ろうと思うから、すまないがログに伝言を頼む」

ルルー「……。あ、行っちゃいました……」



≫支援B

ルルー「ええっと、このピースは……。あ、ここですね」

インテ「ルルー」

ルルー「きゃっ!」

インテ「すまない、驚かせるつもりはなかったんだ……」

ルルー「インテさんですか。こちらこそすみません。変な声出してしまって」

インテ「余程集中していたんだな。何をしていたんだ?」

ルルー「ジグソーパズルですよ。ほら、この間インテさんがやっていらっしゃるのを見て、私もやりたくなったんです。実家に置いてあるものを取ってきました」

インテ「これは……。花の絵か」

ルルー「はい。綺麗でしょう。色々な色の花が咲いていて」

インテ「ああ、綺麗だな」

ルルー「ええ、と。このピースはここにはめて……。あ、インテさんも一緒にどうですか?」

インテ「そうだな、せっかくだしご一緒させてもらおう」

ルルー「私、花が好きなんです」

インテ「そうなのか。俺はルルーには花が似合うと思う」

ルルー「ありがとうございます。でも、私は大通りに咲いて多くの人から見られる花じゃなくて、ちょっと人通りから離れたところに咲くような花が好きなんです」

インテ「君らしいな」

ルルー「でしょう。私、そういう花みたいにひっそりと生きていけたらいいなぁ、って思うんです」

インテ「ひっそり?」

ルルー「はい、ひっそり。別に仙人になって山にこもるつもりはないですけど……」

インテ「要するに、何かでかいことをして生きるのではなく小さな幸せを感じながら生きていきたい、ということか?」

ルルー「そうです。そういう感じです。別にお金持ちになって裕福な暮らしができなくても、小さな家で毎日過ごして、私の好きな人たちが幸せに生きていけるのならそれで充分です。そういうふうに生きていけたら素敵だって思います」

インテ「できたらいいな、そういう暮らし」

ルルー「はい。あ、もうすぐ完成しそうです。きっと綺麗ですよ」

インテ「ああ」



≫支援A

ルルー「ふっふ、完成しました」

インテ「けっこう細かいパズルだったな。でも、おめでとう。完成だ」

ルルー「あれ……?インテさんってパズルを完成させない主義のお方ですよね?それなのに無理やりご一緒させちゃったの、もしかしなくても気分を害されましたよね……。ご、ごめんなさい!無理やり誘ってしまって……」

インテ「確かに俺はパズルは完成させたくないし、自分では完成させたことはないが、人がやっているのは別にどうとも思わない。だから安心してほしい」

ルルー「それなら良かったです……。でも、なぜインテさんはパズルを完成させたことがないのですか?」

インテ「前にも話したが、勿体ないという気持ちがあるからだな。それ以外の何物でもない」

ルルー「そうなんですね。ところで、この間のパズル、結局最後の一ピースは見つかったんですか?」

インテ「いや……。結局見つからずじま……。あ、これだ。こんなところにあったのか」

ルルー「良かったです!完成させないにしろ、そのピースも他のピースと同じ場所に置いてあげたいですね」

インテ「そうだな……。それがいい。それにしても、本当により取り見取りの花だな」

ルルー「でしょう?あ、インテさんはこの中だったらどのお花がお好きですか?」

インテ「そうだなぁ……。俺は花にはそこまで興味がないから……難しい」

ルルー「ええっと……。じゃ、じゃあどの色がお好きですか?」

インテ「そうだな。俺は赤色が好きなんだ。ルルーは?」

ルルー「私は……。この紫色なんていいなぁ、と思います。淡い感じがとっても好みで……」

インテ「ルルーらしいな」

ルルー「そうですか?前にも話しましたけど、私、ひっそりと生きたいって思っていまして、だから強めの色よりもこういう淡い色のほうが好きなんです」

インテ「ルルーのような生き方もいいと思う。強く欲する生き方より、よっぽど好きだ。だから君のことは応援したいと思っている」

ルルー「まあ、ありがとうございます。私、嬉しいです」

インテ「はぁ、柄にもないことを言ってしまったな。そうだ、柄にもないことついでに俺のジグソーパズルも完成させてみるか」

ルルー「まあ!なんだかワクワクしますね」

インテ「ルルーも一緒に完成させるか?といっても、あとはこのピースをはめるだけだが」

ルルー「はい。ぜひご一緒させてくださいな」



≫支援S

ルルー「あ、インテさん。聞きましたよ。私を探していたそうで。そうとは知らず、ずっと図書館に籠りっぱなしだったのでお手を煩わせてしまい、申し訳ないです」

インテ「いや、いいんだ。俺が勝手に君に会いたいと思っただけだからな」

ルルー「それで、私に何か用があるのでしょう?どうされました?」

インテ「これを渡そうと思ったんだ」

ルルー「まあ、素敵なお花……!でもこれ、お店で売っているような花じゃないですよね?」

インテ「ああ。色々探したんだ。あと、アデリーヌに手伝ってもらって花束にした」

ルルー「嬉しいです……!でも、私がいただいてもいいんですか?」

インテ「勿論。ルルーに渡したかったんだ」

ルルー「ありがとうございます!綺麗……。花瓶に飾らせていただきます。ずっと大切にします」

インテ「花だからいつか枯れるぞ」

ルルー「大丈夫です、その時はドライフラワーにします。ああ、花の栞を作るのもいいですね」

インテ「喜んでもらえたらな何よりだ」

ルルー「だって、あなたから頂いたものですから。それだけで私は幸せです」

インテ「そう言ってもらえるなら俺も嬉しい。ああ、でもそう言われると期待してしまうぞ」

ルルー「私も……。期待していいですか?」

インテ「きっと俺たちの想いは同じだと思う。でも、俺に言わせてほしい。ルルー、俺は君のことが好きだ」

ルルー「本当ですか。夢みたいです……」

インテ「いつかルルーは言っていただろう。小さな幸せを感じながらひっそり生きていきたい、と。俺はそんな君を、君の小さな幸せをそばで守りたいと思ったんだ。だから、もし俺の気持ちを受け止めてもらえるなら、これを受け取ってほしい」

ルルー「これは……指輪……。あ、この色、前に私が好きだって言った色じゃないですか」

インテ「ああ。ルルーに似合うと思ったんだ」

ルルー「私、嬉しいです!その申し出、受け取らせていただきますね。私もインテさんのことが好きです。指輪、一生大切にしますね」

インテ「ありがとう。これからは二人で小さな幸せをかみしめて生きていこう」